猫と暮らす
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【動画つき】獣医師が解説する子猫の鳴き声のヒミツ〜鳴き声の種類と対処法〜
子猫は自分の力だけでは生きていけないので、親猫にこうして欲しいという要求を鳴き声で発信しています。微妙な鳴き声の違いに気づけるようになれれば、要求している事柄や、小さな変化に気付けるようになります。
また、飼い猫は成猫になっても、飼い主に対してかなり鳴き声を使います。これは一説によると猫の親子間のコミュニケーションを人とのコミュニケーションに応用しているからと言われています。子猫の時から鳴き声をいくつかを把握することは、成猫になってもコミュニケーションをとる上で役立ちます。
見津 友啓 先生
パティ動物病院院長
麻布大学獣医学部獣医学科卒業
●資格:獣医師
●所属:ASC登録医/日本小動物歯科研究会/日本獣医麻酔外科学会/日本獣医皮膚科学会
●WEBページ:パティ動物病院スタッフ紹介/パティ動物病院オフィシャルブログ
1)基本的な猫の鳴き声の種類
これらは猫の発声をソノグラフ分析という解析で分類しているので、人の耳で分かるものからうまく聞き分けられないものまで含まれています。その研究では基本的な均一もしくは純粋な発声のグループと、2つから3つの純粋発声が混ざった混合発声からからなるグループにタイプを分類されています。
以下にまずは成猫で分類されている鳴き声のいくつかを紹介していきます。
■Murmur 口を閉じてくぐもった声
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■Growl うなり声
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■Squeak キーキー声
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■Shriek キンキン声
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■Hiss シューという声
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■Spit フーッとうなる
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■Chatter 歯をカチカチ鳴らす
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■Purr 喉をゴロゴロ鳴らす
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■Chirr チャー声
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■Chirp チーチー鳴く声
また、Chatterのように欲求不満の時に発せられることもある。
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■Mew ミャオ
相互作用に関係する。
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■Moan うめき
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■Meow ニャオ
あいさつ、世話したがる、交流を求める意味があると考えられる。猫が自分の存在を示したり、人間の注意を引こうとしたり、欲しいものが欲しいときに不利が生じると発する。
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■Call コール
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■Grunt ブーブー鳴く声
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2)子猫の鳴き声のパターン
4カ月くらいからは感謝に対しても発声するという報告もあります。成長するにしたがって行動や感情が発達し成猫と同様に怒りや恐怖の度合いで鳴き声を使い分けたり、遊びを要求したりするようになってきます。
それぞれの要求や感情別に見ていきましょう。
1.食餌
お乳を飲むときにゴロゴロ喉を鳴らしながら乳を揉む行為が見られ、これは乳汁の分泌を促進するためと考えられているようです。
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2.排泄
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3.不安
生後二か月以内だと鳴いているようなのにしっかりと声が発せられていないことがあります。これは人間には聞き取れない超音波として発せられています。
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4.遊びたい
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5.怒り・恐怖
子猫でも生後1カ月もすれば怒りや恐れからシューだとかフーとうなるようになってきます。ただし飼い猫でまだ小さいときは警戒心が薄く、好奇心が旺盛なので怒る機会というのは少ないことが多いです。ただし野良猫の子猫は警戒心が強いので威嚇してくることがよくあります。
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3)子猫が鳴き止まない時のパターンと対処法
1.食餌・排泄に問題がある
ご飯はばっちりということであれば排泄の確認をします。まだ自分で排泄をうまくできない時期であれば、食後に訴えてくることがあるでしょう。肛門や陰部を刺激して排泄を促しましょう。ある程度成長して訴えてくる場合は、トイレが清潔に保たれているか確認してみましょう。トイレがきれいで使える状態でも排泄前や排泄時、排泄後に大騒ぎする子はけっこう多いです。
2.遊び足りない・寂しい
寂しくて不安になっていることで鳴いているようであれば、母猫が子猫にするようにやさしく声をかけて念入りにスキンシップを取ってあげてください。
3.ケージから出たい
鳴きやんだら出してあげることでおとなしくいい子にしていれば出してもらえると理解するようになります。ケージでいい子にしていられるようにするトレーニングは周りに迷惑がかからないよう、日中にするのが良いでしょう。
4)危険信号かもしれない子猫の鳴き声
ひどく弱ったりしていないか、体調の変化が無いか、環境の変化に対応できているか注意深く観察してストレスの原因を取り除いてください。
排泄に関して、子猫に多いというわけではありませんが、おしっこやウンチの排泄時に痛みを伴っているパターンもあり得るので、普段はそんなに鳴かないのに急に排泄前後で鳴くようになったり、排泄中にやたら鳴くようになったりしたら、一度病院に相談した方が良いでしょう。
生後3週まで難聴の子猫はそうでない子猫と比べ、鳴き声が大きく低いという報告があります。お家で生まれた子猫で他の子と比べて、大きい低い声で鳴く子猫は注意が必要かもしれません。
5)鳴き声の意味を知ることの意義
また、不安に感じている時に母猫の鳴きまねをして声をかけたり、母猫の鳴き声の録音を聞かせてあげたりすることで、うまくいけば早く不安を取り除くことができるかもしれません。
はじめに述べたように、飼い猫は成猫になっても鳴き声によるコミュニケーションを多用しています。鳴き声に対し人間がどういう反応をするかを学習して、人間を操作しているという説もあります。
鳴き声というのは猫のコミュニケーションツールの一つであり、理解することでお家の猫ちゃんとより深く意思疎通できるようになることでしょう。
まとめ
特に若い子猫での声が聞き取れない鳴き方の時は強いストレスを受けている可能性がある。
普段鳴かないタイミングでやたら鳴いたり、他の子猫と少し違う鳴き声を発する子猫は、何か異常をきたしている可能性もある。
鳴き声によるコミュニケーションを理解することで、子猫との関係をより深く築くことができる。
今回色々な鳴き声を紹介しましたが、人間同様に猫それぞれ声色はそれぞれなので、大切なのは皆さんの家族である猫ちゃんが、どのタイミングでどのような鳴き声を発しているかよく観察することです。
どのような意味で鳴いているのかを考えながら観察することで、鳴き声の意味はもちろん、他のボディランゲージや表情も理解できるようになり、意思疎通がより深くなります。今まで気づけなかった異常にも気付けるようになるかもしれません。
子猫の鳴き声に耳を傾けることから猫との絆を深めていってはいかがでしょうか。
「犬と猫の行動学」 C.Thorne 監修 山崎恵子・鷲巣月美訳 (インターズー)
「動物行動医学」 K.Overall 著 森裕司監修 (チクサン出版社)
監修/見津友啓先生(パティ動物病院院長)
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