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【獣医師監修】子猫の飼い方|ミルクのあげ方やトイレのしつけ、気を付けたい病気

今回は、かわいい子猫のお世話ってどうすればいいの?という率直な疑問にお答えします。子猫を迎えたらまず直面するミルクのあげ方やトイレのしつけ、かかりやすい病気などを解説していますので、ぜひ子猫の飼育に役立ててください。

後藤 瞬 先生

 獣医師
 相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務

 東京農工大学農学部獣医学科(現 共同獣医学科)卒業

●資格:獣医師

●所属:日本獣医皮膚科学会日本獣医がん学会動物介在教育・療法学会

●主な診療科目:一般診療(外科、内科)/麻酔科

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今しか見られない「子猫時間」

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幼い姿が愛おしい子猫ですが、飼い主さんが思うよりも「あっ」という間に成長します。それが嬉しくもあり切なくもありますが、その成長スピードはとても早く、子猫期は瞬く間に終わってしまいます。まずは、その成長過程を見てみましょう。

0週齢

猫は兄弟3~5匹と一緒に、100gほどの体重で生まれます。生まれたばかりの子猫は目や耳の穴が閉じているため見聞きすることはできず、爪が常に出ています。「ミーミー」と甲高い声で鳴き、兄弟同士で声の調子が異なります。見るからに「守ってあげたい」と思わせるような愛らしさがたまりません。

1~4週齢

1~4週齢にもなると、目がようやく開いてきます。その瞳の色は「キトンブルー」といわれており、きれいな青色をしています。徐々に動くものを目で追うようになり、よたよたと危なっかしく歩く姿は、この時期しか見られないのでお見逃しなく。体重は1週齢で約240g、4週齢で約500gになります。乳歯が生え始めるのもこの時期です。

1~2ヶ月齢

1~2ヶ月も経つと目の色がキトンブルーから本来の色へ変化し、乳歯が生えそろって奥歯も生えてきます。爪の出し入れも自分の意思でできるようになり、体温調節もできるようになります。2ヶ月齢になると体重も約1kgにまで成長し、動きが活発になってくるでしょう。

2~3ヶ月齢

2~3ヶ月とはいえ、まだまだ小さいサイズです。しかし、ジャンプやダッシュをする姿はすっかり猫そのもの。さらに乳歯が抜け、永久歯が生えてきます。長毛猫種は毛並みが豊かになってくるので、成長の過程が分かりやすいでしょう。なんにでも興味を持ち、狩りをするように激しい遊びも始まります。このころには体重が1.5~2kgになる猫も出てくるでしょう。

子猫の本能と学習能力はこんなにスゴイ!

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猫は生まれたときから「奪い合い」をしなければいけない環境に置かれます。奪い合う対象は、母猫の乳房。普通は兄弟3~5匹と一緒に産まれる猫たちは、母猫の乳房を奪い合い、その乳房はいつも同じ子猫が占有するようになります。母猫の乳の出は乳房によって違っており、後肢のつけ根に近い部分はよく母乳が出るといわれています。

乳の良く出る乳房や、飲みやすい位置にある乳房は元気の良いオスが占有することが多く、乳房の占有位置によって個体差が生まれてきます。生まれつきの性格や体力、元気の良さによって成長具合に変化が見られ、「奪い合いの能力」が発育に影響してくるのです。

そして食事の仕方やトイレの使い方、危険を察知する能力や狩りの方法などは、母猫のしぐさや子猫同士の遊びからも学習していきます。しかし、親や兄弟がいない環境で育った子猫でも猫の行動を自然と身に付けることができるので、その行動の大半は先天的なものだとも考えられています。

子猫のミルクやトイレのお世話。どうしたらいいの?

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ミルクのお世話

母猫がそばにいる場合は母乳で育てることができますが、何らかの事情で母猫の母乳を与えることができない場合は、哺乳瓶で子猫用ミルクを与える必要があります。生後4日までは3~4時間おき、生後5~21日までは4~5時間おきに与えましょう。人肌より少し高いくらいの40℃に温めた子猫用ミルクを哺乳瓶で与えてください。

トイレのお世話

3週齢頃までの子猫は、母猫にお尻をなめてもらわないと排せつができません。ミルクを与える前に子猫を仰向けにして、ティッシュで軽く陰部を叩いてあげましょう。ウンチするときもお尻を軽く叩いてあげると、刺激が伝わって排せつしやすくなります。

体温調節のお世話

生まれて間もない子猫は、自分で体温調節ができません。母猫がそばにいる場合はくっついて自分の体を温めることができますが、そうでない場合は飼い主さんが暖かい寝床を用意する必要があります。季節を問わず、子猫がいる部屋の温度は20~32℃前後に保って温めてあげましょう。

去勢や避妊・かかりやすい病気について知ろう

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健康な母猫から生まれた子猫は、母猫から初めて与えられる母乳から、さまざまな感染症に対する抗体を得るため、生後60日ごろまでは罹患の危険性も低いと言えます。しかし、この期間を過ぎると病気に対する抵抗力が低下して病気にかかりやすくなるため、ワクチンの接種をしましょう。

ワクチン接種の頻度は?

一般的なワクチン接種は、生後60日後に1回目、そして約30日の間隔を置いて2回目を接種します。その後は1~3年に1回、追加接種を行いましょう。ワクチン接種は免疫効果をあげることができるため、ペットホテルを利用する場合などは、接種しておいた方が賢明です。

去勢・避妊手術について

生後6ヶ月程度で去勢・避妊手術を考えましょう。これらは性別特有の病気や問題行動を防ぐため、施術を検討しておいた方がいいでしょう。最初の発情期が起こる前に去勢手術をしておけば、オス猫のスプレー行為が激減し、性格も温和になると言われています。

日頃から観察しておく必要性

猫は泌尿器の病気にかかりやすいと言われています。普段からの尿チェックや行動、しぐさの観察をしておくと、異変があったときに獣医師へ報告しやすくなります。早めに病気が発見できれば対処も早くできるので、愛猫の変化は素早くキャッチしましょう。

子猫と過ごすとこんなに楽しい!

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まだ目の開いていない子猫でも、人が近づくと大きく口を開けて「ハッハッ」と威嚇することがあります。これは防御の態度を取ることで、怖がっていることを相手に悟られないようにする行為です。人間にとっては「怖い」というより「かわいい」と感じてしまう行為ですが、猫は精一杯おびえていることを隠しています。

最初は体に触れることを嫌がっている子猫でも、優しく接していくうちに慣れてきます。はじめからフレンドリーにベタベタ触ろうとせず、徐々に警戒心を解いてあげましょう。愛猫家の飼い主さんならば、この過程も楽しめるはずですよ。
出典/ねこのきもち16年3月『子ねこ手帳』(監修:マオキャットクリニック院長 獣医師高野のり子先生)
  『猫の教科書』(監修:CFAオールブリード国際審査員 高野八重子さん、CFAオールブリード国際審査員 高野賢治さん)
監修/後藤瞬先生(相模原プリモ動物医療センター第2病院勤務)
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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