気温や室温が高くなる夏は、猫も熱中症を起こしやすくなります。そのため、夏に猫だけでお留守番をさせる際は、体温や室温を下げるための対策が必要です。今回は、夏のお留守番で心がけたい猫の熱中症対策について、獣医師の菊池亜都子先生に教えていただきました。
室温を28℃前後に保つ
一般的に、猫が快適と感じる室温は、28℃前後だといわれています。家の構造などにもよりますが、猫にお留守番をさせる際は、基本的にエアコンを活用し、室内が28℃前後に保たれるように心がけましょう。
エアコンのない部屋にはひんやりグッズを置く
エアコンをかけていない部屋には、ひんやりグッズを置いておくのもいいでしょう。市販のものを活用してもいいですし、お手製のものを置くのもおすすめです。ただし、猫が誤飲しやすいものは使わないようにしてください。
ひんやりグッズ1:保冷剤
猫が絶対にかじれないように工夫したうえで、保冷剤を、ひんやりグッズとして使用してみましょう。冷凍庫から取り出した直後などは特に、直接体に触れると冷やしすぎてしまうおそれがあるので、厚めのタオルに包んだ状態で置くようにしてください。
※保冷剤の成分によっては、猫が中毒を起こすことがあるので十分注意してください
ひんやりグッズ2:凍らせたペットボトル
水を入れたペットボトルを凍らせ、ペットボトル専用袋や未使用の靴下などに入れて与えてみてもいいでしょう。袋に紐があると猫を興奮させるおそれがあるので、袋の中にしまうか、あらかじめ紐を切っておくようにしましょう。
部屋を自由に移動できるようにしておく
エアコンをかけるなど、部屋を涼しくする工夫は必要ですが、猫によっては寒いと感じてしまうこともあります。そんなとき、猫が心地よく感じられる居場所を見つけられるよう、いろいろな場所を自由に移動できるようにしておくといいでしょう。
ただし、浴室は猫がおぼれてしまう危険があるので、開放するときは浴槽の水を必ず抜いておくようにしてください。
ドアが閉まらないようにする対策も必要
猫がいろいろな場所に行けるように部屋を開放しておく場合は、何かのはずみでドアが閉まることがないよう、ドアストッパーなどを使って、しっかり固定するようにしましょう。
体を温められるアイテムも用意しておく
ワンルームなど、家によっては室温に差が出せないこともあります。エアコンの風を上向きにして、体に直接冷気が当たらないようにするなどの工夫もできますが、それでも猫には逃げ場がなく、つらくなることも。
ひんやりさせた部屋にも、ちょこっと暖まれるアイテムを用意しておいてあげましょう。部屋のところどころに毛布などを置いておくと、寒くなったときに、猫が自分でもぐって体を温めることができますよ。
お留守番中の熱中症を防ぐためには、部屋をただ涼しくするだけでなく、猫が快適に感じられる環境を、自分で見つけられるようにしてあげることも大切です。愛猫が安全かつ快適に夏のお留守番タイムを過ごせるよう、上記の情報を参考に、しっかり対策と準備をしてあげてくださいね。
お話を伺った先生/菊池亜都子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2018年8月号『愛猫のパーフェクトサマーを叶えよう ありがちトラブルを回避! 対策で守る 失敗しないお留守番』
文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。