ペットの急な体調不良に日頃から備えておくことは、飼い主さんの義務といえます。いざというときに飼い主さんがパニックになってしまっては、愛猫の命に関わるためです。
今回は、いざ猫が急変した際、その場ですぐにできることや受診までに飼い主さんがやっておくべきことなどを、獣医師の小林清佳先生に伺いました。
動画を撮る
けいれんや呼吸の異変などの症状は、いざ受診したときには見られないことがあります。言葉で症状を伝えるのは案外難しいので、愛猫に異常が現われたら、落ち着いてスマートフォンなどで撮影しましょう。動画が残っていると、診察時にとても役に立ちます。
動物病院に電話をする
受診前に、まずは動物病院に電話をしてみましょう。かかりつけの動物病院がつながらなければ救急病院に連絡をして症状を伝え、受診の緊急性を相談してください。自分で症状を調べて病気の当たりを付けるよりも、獣医師の判断を仰いだほうが賢明です。
病院に持って行く物を用意する
動画を撮ったり病院に連絡したりしつつ、受診の準備を進めましょう。嘔吐や下痢、血便などの症状が出ている場合は、その実物をポリ袋に入れて持って行くと、診察時に役立ちます。過去の健康診断結果や保険証なども持参するとなおいいですが、すぐに用意できない場合は、後回しでもOKです。
急変時によくある2つの疑問
猫を動かしてはいけないのはどんなとき?
けいれんが起きたときは、おさまるまで触れないでおきましょう。また、呼吸が苦しそうな場合は、猫の体勢をなるべく変えないようにしながら、速やかに受診してください。
心臓マッサージや人工呼吸で救えるケースはあるの?
猫の場合は、心臓マッサージも人工呼吸も基本的に行いません。心臓マッサージは肋骨が折れるリスクがあり、救えることも少ないため、行うケースは限られています。また、マウストゥマウスのような人工呼吸は、感染症予防の意味でもしてはいけません。
愛猫の急変時に飼い主さんができることは、意外と多いものです。いざというときに備え、日頃から物理的な準備とあわせて、心の準備もしっかりとしておきましょうね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2022年2月号『愛猫に突然の異変! そのとき、パニックにならないために準備できること』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。