飼い主さんが好きな猫のしぐさ「香箱座り」。この座り姿勢は、前足を置く位置によって猫のリラックス度合いや、気持ちに違いがあるのを知っていますか? 香箱座りのしぐさと、前足を置く位置からわかる猫の気持ちを紹介します。
香箱座りとは? しぐさと名前の由来
「香箱座り」は、猫が前足を曲げて座る姿勢のこと。その姿が香を入れる香箱に似ていることから、この名前で呼ばれるようになりました。香箱座りは、筋肉も関節も柔らかい猫ならではの座り方なのです。
香箱座りは、リラックスしている証拠!
香箱座りは両前足を折り畳んでいるため、急に立つことができない姿勢。そのため、猫がリラックスしているときに見られるしぐさといわれています。
前足の置き方で気持ちが違う
香箱座りを深掘りすると、前足の置き方にはいろいろなパターンがあり、それぞれ感じている気持ちが違うといわれています。次章から、前足を「クロスする」「完全に隠す」「床につける」「片方だけ伸ばす」の4つの姿勢を例に、猫が感じている気持ちの違いを見てみましょう。
前足をクロスしていたら、より深くリラックス中
前足をクロスさせているときは、前足を折り畳んだ座り方と比べてより立ち上がりにくいため、通常の香箱座りよりもリラックス度が高めといわれています。怪しいものが見えたり、音が聞こえたりしたら、クロスした前足を解いて動きやすい体勢になるでしょう。
完全に前足を隠していたら、この上なくリラックス中
両前足を完全に体の下にしまい込む座り方は、一番リラックス度が高い香箱座りといえます。また、冷えやすい足を温めるために体の下に収めることもあります。
前足の裏を床につけるのは、やや緊張感のある座り方
前足の裏を床につける座り方は、腰を下ろして休んでいますが、いつでも立ち上がることのできる体勢。リラックス度はやや低いと考えられます。香箱座りで休んでいる最中に気になることがあって、この姿勢に座り直すこともあるようです。
片前足を伸ばしていたら、ストレッチ中か気になるものを発見!
猫は香箱座りをし続けて曲げていた前足をストレッチするため、片方の前足だけ伸ばすことがあります。また、目の前に気になるものがあるときは、片方の前足だけ出してちょいちょいすることも。
前足の置き方によって、完全にリラックスしている場合もあれば、すぐに立ち上がれるように備えている場合もある香箱座り。この座り姿勢は猫にとって、くつろぎつつも、さまざまな気持ちが表れるポーズであることがわかりました。
参考/「ねこのきもち」2019年4月号『どうしてするの? どんな気持ち? We Love ニャンポーズ』(監修:哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長 今泉忠明先生)
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。