猫の鳴き声はかわいいものですが、もし普段あまり鳴かない愛猫がしきりに鳴くようになったら、それは猫の体に何か異常が起きているからなのかもしれません。
そこで今回は、発情期・認知症・不安分離など、猫が過剰に鳴き続けるときに考えられる原因を、いくつかご紹介します。
発情期
性的に成熟した猫は発情期を迎え、交尾の相手を探すために大きな声で鳴くようになります。メス猫はオス猫を誘うために、人の赤ちゃんのような大きく奥行きのある声で鳴き、オス猫はメス猫の鳴き声やフェロモンに呼応するように、太く低い声で鳴くのが特徴です。
発情期の鳴き声を減らすためには、交尾ができない欲求不満を紛らわせるのが効果的。いつも以上にこまめに遊んであげたり、いつもは入れない部屋を探索させてあげたりして、刺激を与えてみましょう。
ただ、これらは一時しのぎに過ぎず、最初の発情期を乗り越えたとしても、時期がくれば繰り返し訪れます。繁殖の予定がないのなら、去勢・避妊手術を検討してみてもいいかもしれませんね。
認知症
昔より猫の寿命が延びたことで、認知症を発症する猫が増えています。認知症になると、あまり動かない、呼びかけても反応しない、興奮しやすくなるなどの症状のほか、「高い声で昼夜を問わず鳴き続ける」という症状が出る場合も。愛猫がシニアと呼ばれる年齢で、そのような鳴き方を続けるのなら、認知症を疑ってみてもいいかもしれません。
認知症は発症すると完治が望めず、治療も難しい病気です。初期対処がとても大切なので、少しでも認知症の疑いがあるのなら、早めに動物病院で相談をしてみましょう。
不安分離
飼い主さんと離れたタイミングで激しく鳴く場合は、親しい相手と離れることで不安になる「不安分離」かもしれません。不安分離が原因にあると、大声や遠吠えといった異常な鳴き方をすることがあります。ほかにも、不適切な場所での排せつや、破壊・攻撃行動の増加など、問題行動が現われる場合もあるようです。
不安分離の状態が続くと、重度のうつ状態になったり自傷行為に走ったりするおそれがあるため、絶対に放置してはいけません。生活環境を見直してストレスの要因を取り除いたり、正しいタイミングでコミュニケーションをとることで飼い主さんへの依存度を下げたりなど、症状の改善に努めましょう。
その他、考えられる病気
「過剰に鳴く」に加え、それ以外の症状が見られる場合は、病気のサインかもしれません。その一部をご紹介します。
消化不良
鳴いたあとに吐くのは、消化不良のおそれがあります。1回きりでなく頻繁に起こる場合は、一度動物病院で診察してもらいましょう。
尿石症
トイレでの排尿時にうなるような声を出したり震えたりする場合は、激しい痛みを伴う尿石症になっているのかもしれません。早めに診察を受けたほうがいいでしょう。
気管支炎
鳴いているときに咳き込むのなら、気管支炎など呼吸器系の病気が疑われます。呼吸音に「ゼーゼー」という苦しそうな音が混ざる場合は、心臓系の病気のおそれも。至急、動物病院で診察を。
猫が過剰に鳴くときは、何かしら理由があると考えられます。病気が原因のことも多いため、気になる場合は早めに動物病院で相談してくださいね。
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫が過剰に鳴くのは異常のサイン?理由や対処法など』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。