子猫を拾って保護しなければならなくなったとき、何をどんな優先順位ですればいいのでしょうか? 今回は、子猫を拾ったときにまずするべきことや、お世話の注意点について、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に教えていただきました。
家に入れてダンボールやケージに隔離する
外で生活していた子猫は、ノミやダニ、おなかの寄生虫などを持っている場合があります。子猫を拾って家に入れたら、先住猫がいてもいなくても、まずはダンボールやケージに入れて隔離してください。
子猫の体調や様子を見る
子猫を隔離した後は、水やミルク、キャットフード(子猫用の缶詰)など入れた平たい器を近くに置き、食欲や動き方、目やにや鼻水の有無、「眼は開いているか」「排泄は自力でできるか」など、子猫の状態や様子を観察しましょう。
先に子猫の体を温めて
子猫が弱っているときや寒い時期は、子猫の体温が急激に下がってしまいます。様子を見る前に、ペットボトルに40度~60度くらいのお湯を入れてタオルで巻いた「即席湯たんぽ」をダンボールやケージの中に入れ、子猫の体を温めてあげましょう。動物病院に連れて行くときは、猫用のキャリーの中にも入れてあげてくださいね。
ミルクは必ず猫用のものを与えよう
人用の牛乳はお腹を壊す危険性があるので、ミルクは必ず猫用のものを与えてください。もし猫用のミルクがない場合やどうしても手に入らない場合は、薄めたスポーツ飲料や、ぬるま湯に少量の砂糖と卵黄を加えたものを、37~38度の人肌程度に温めたうえで応急処置的に与えるとよいでしょう。
動物病院に連れて行く
拾った子猫が「まだ眼も開いていない」「自力で排泄ができない」「ぐったりして動かない」「エサやミルクを口にしない」ようであれば、早急に動物病院に連れて行きましょう。受診の際の注意点として、子猫の状態によっては緊急性が高い恐れもありますので事前に電話をして来院することや、病院についたら受付で様子を伝えるなどしましょう。
なお、子猫が元気そうであれば数日家で様子を見てもいいですが、家での様子が問題なさそうであっても、必ず動物病院には連れて行ってください。その際、便を持参して便検査を受けることもおすすめします。
自己判断せず落ち着いて対処することが大切
突然子猫を拾ったらあわててしまうかもしれませんが、自己判断で対処してしまうと、子猫の健康を損ねてしまうおそれもあります。
まずは動物病院や保護センターなどに相談して指示をあおぐなど、落ち着いて対処するよう心がけましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】子猫を拾った(保護した)ときにすべきこと~病院に連れて行く、排泄・ミルクなどお世話、先住猫がいる場合』
取材・文/宮下早希
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。