猫は、噛む・ひっかくなどの攻撃行動をとったり、トイレ以外の場所で粗相をしたり、困った行動をすることがあります。これらの困った行動には猫なりの理由があり、放っておくと「心の病気」になるおそれも。今回は、心の病気の症状や予防法などを解説します。
猫の「心の病気」とは?
・噛んだり引っかいたりなどの「攻撃」
・トイレ以外の場所でオシッコをするなどの「不適切な排泄」
・同じ行動を執拗に繰り返す「常同障害」
愛猫が、上記のような困った行動をとることはありませんか?
猫が問題行動を行う原因はさまざまですが、ストレスや不安などが問題行動に関与していると疑われる状態を、今回は「心の病気」として解説します。
「心の病気」で起こるさまざまな症状
ストレスや不安が原因にあると考えられる「心の病気」になったとき、猫が見せる主な行動をご紹介します。
攻撃的になる
自分の身を守るために攻撃的になる「恐怖性/防御性攻撃行動」、興奮した拍子に近くにいる人や猫を攻撃してしまう「転嫁性攻撃行動」、自分のテリトリーに入ってきた相手に対して行う「縄張り性攻撃行動」などがあります。
不適切な排せつ
トイレ以外の場所で粗相をする場合、現状のトイレに不満があったり粗相をする場所を気に入っていたりなどの理由が考えられます。また、立ったまま少量のオシッコを吹き付ける「マーキング」も、縄張り意識をはじめとしたさまざまな不安から生じることがあるようです。
同じ行動を繰り返す
過剰に毛づくろいをしたり自分のしっぽを追いかけ続けたり、同じ行動を執拗に繰り返すことがあります。過剰な毛づくろいでは、なめすぎた結果「心因性脱毛症」になってしまうことも。
分離不安
飼い主さんから離れることに不安を感じ、落ち着きがなくなったり大きな声で鳴き続けたりする症状が出る「分離不安」も、心の病気の一種だと考えられています。
愛猫が「心の病気」にならないためにできること
心の病気を予防ためには、愛猫がストレスや不安を感じないようにフォローすることが大切です。
猫グッズを見直す
猫トイレ、フードや飲料水、おもちゃなど、猫グッズが揃って不自由なく過ごせる環境になっているか見直してみましょう。また、猫トイレを常に清潔にしたり、水をこまめに替えたり、猫が気持ちよく過ごせるよう配慮することも重要です。
愛猫が安心できる部屋作りをする
愛猫がストレスなく安心して生活するためには、快適に過ごせる場所だけでなく「何かがあったときに隠れられる場所」も必要です。
困った行動を予防する
噛んだり引っかいたりされたときに、叱ったり叩いたりすると、人を怖がるようになり困った行動がエスカレートすることがあります。困った行動をする前に原因を取り除いたり、される前に気をそらしたり、そういった行動をあらかじめさせないように心がけましょう。
遊びの時間を増やす
安全な場所で飼われている猫は、なかなか狩猟本能を満たせません。日頃からおもちゃなどで積極的に遊んであげると、いい刺激になりますよ。
愛猫が苦手なものは遠ざける
香水や芳香剤など、猫が好まないニオイを発するものは、あるだけで大きなストレスになります。できるだけ置かないようにしましょう。また、掃除機の音が苦手な猫の場合は、掃除の前に愛猫を別室に移動するといいでしょう。
愛猫には、体だけでなく心も健康でいてもらいたいものです。生活の中でなるべくストレスや不安を与えないよう、配慮してあげましょう。
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『ストレスや不安が原因に…猫の「心の病気」に見られる症状とは』(監修:獣医師 菊池亜都子先生)
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。