猫には人と同じように「坐骨」があるため、お尻を下ろして座っているしぐさをよく行います。猫は1日の大半を座った姿勢で過ごすので、その座り方も多彩です。
そこで今回は、猫がリラックスしているときにどのような座り方をするのかを、哺乳動物学者の今泉忠明先生に伺いました。
これぞ完全なるリラックス?「おじさん座り」
お腹や股などをなめやすい体勢なので、毛づくろいのときによく見る「おじさん」のような座り方です。猫にとってはあまり楽なポーズではないため、長時間この体勢でいることは稀ですが、なかには壁などに背中を預けてこのままくつろぐ猫もいます。
かなり無防備なうえに立ち上がりにくい体勢なので、安心してリラックスができる環境で見せてくれる姿ですね。
猫らしい座り方No.1「香箱座り」
体をぺたんと床に着けて座る、香箱座り。体重が体全体に分散されることから、猫にとってはとても楽な座り方です。また、前足首を体の内側に折り曲げているため、危険を察知したとしても、すぐに逃げることが難しい体勢でもあります。猫が香箱座りをしているときは、安心しつつリラックスをしていると考えていいでしょう。
前足を完全に隠した「前足隠し座り」
香箱座りと似た体勢ですが、猫によっては両方の前足を体に隠しながら座ることがあります。前足を体の下に入れていると急に立ち上がるのが難しいため、ものすごくリラックスしている体勢だといっていいでしょう。
また、足は冷えやすいので、寒い季節には暖をとる目的で足をしまうこともあるようです。
半分は完全にリラックス!「横座り」
後ろ半身が完全に脱力して、とてもリラックスした状態です。しかし上体を起こしているのは、周囲に気を配っている証拠。体を十分に休ませながらも「何かいいことが起きないかな?」と期待をしながら待っている、そんな気持ちなのでしょう。
猫がリラックスしている姿を見ると「自分の前で安心してくれているんだ」と、嬉しくなりますよね。愛猫のポーズから気持ちを読みとって、普段のコミュニケーションに役立てましょう。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2022年10月号『いつものポーズから気持ちがわかる!? 注目! 猫の座り方』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。