愛猫がストレスに弱いタイプか強いタイプかを意識したことはありますか? 猫によって、ストレス耐性は異なります。愛猫がストレスを感じやすい場合、少しでもリラックスさせてあげたいですよね。今回の記事では動物看護師の小野寺温先生監修のもと、ストレスを減らせる環境づくりやお世話のポイントをご紹介します。
ストレスを受けやすい猫の特徴は?
比較的ストレスに弱い猫の特徴や性格には、以下の3つが挙げられます。
1. 生まれもった性格が臆病
猫の性格には、両親から受け継いだ遺伝的な要因も大きく影響します。特に、ストレスの感じやすさに関わる「神経質か、大胆か」という点は、父親の影響を多く受けることが多いようです。
2. 子猫時代にさまざまなものに触れていない
子猫時代、すなわち生後2~9週齢は社会化期と呼ばれます。この時期にさまざまなものに触れておくと、成長後もそれらに恐怖を感じにくいようになります。反対に、社会化期の経験が少ないと大人になっても周囲の環境や刺激に恐怖やストレスを感じやすくなります。
3. 母親から安全なものを学んだ期間が短い
子猫は母親からさまざまなことを学びます。なかでも、母親が安全と判断するものを子猫が学ぶため、長く母猫と過ごすほど安全なものを学んでいます。母親と過ごした期間が短いと、身の回りのものの安全性を知らず、ストレスを感じやすい傾向にあります。
ストレスに弱いとどのような困りごとが起こる?
人と同じように、猫も長い期間ストレスを感じ続けると体や心に不調が生じます。体の不調の代表は、免疫力の低下。猫では、特発性膀胱炎や猫カゼ、口内炎などの症状が出やすくなります。心の不調では、気持ちを落ち着かせるために体を舐め続ける“常同行動”が起こることもあります。
愛猫のストレスを減らすコツ
愛猫が安心して過ごせる場所を複数確保する
部屋の中に複数箇所、愛猫が安心して過ごせる場所を作りましょう。居心地がいいように整え、いつでもそこに行けるようにするのがポイントです。
環境の変化には細心の注意を
猫は慣れたものから変化があると、緊張してストレスを感じてしまうので、環境の急な変化を避けるようにしましょう。例えばトイレの新調の際は、新旧を併用する期間を設けるとよいでしょう。
嫌いなお世話を無理にやらない
猫が嫌がっているのに、抱っこや苦手なお世話を無理強いすると、家の中で安心できなくなることも。猫が苦手なお世話は動物病院に任せるのも手です。
同じ環境でも、猫によって受け取り方は異なります。愛猫のストレス耐性を一度振り返り、それぞれに合ったお世話を心がけることで安心して暮らせるようにしてあげましょう。
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2021年2月号『知ればお世話も変わります。愛猫はどっち? ストレスに 弱い猫 強い猫チェック』
文/仲田陽子
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。