猫のオスとメスでは、筋肉量や発情の仕組みなどさまざまな違いがあります。そして、性ホルモンの影響や行動の特性などによって「病気のかかりやすさ」にも違いが出ることをご存じですか?
そこで今回は、オスとメスそれぞれのかかりやすい病気や、性別特有の病気などについてご紹介します。
オス猫のほうがかかりやすい病気
尿道閉塞
尿石症などが原因で、尿道が詰まる病気です。オスはメスに比べて尿道が長細いため、尿道閉塞を起こしやすい傾向があります。1~2日程度尿が全く出ないと、尿毒症になって命を落とすケースも。
スタッドテイル
しっぽの付け根からの皮脂分泌が過剰になり、ベタベタしたりフケが出たりする病気です。炎症を起こしたり、化膿したりすることがあります。スタッドテイルは、去勢手術によってリスクを減らすことができる病気のひとつです。
糖尿病
膵臓から分泌されるインスリンが不足し、血中の糖が増える病気です。オスもメスもかかりますが、肥満の猫と去勢手術をしたオス猫に多いというデータがあります。
オス猫特有の病気
発生率はそこまで高くないものの、オスの生殖器に起こる病気を3つご紹介します。これらは、去勢手術をすることでリスクを下げることが可能です。
潜在精巣
オス猫の精巣が陰のうに降りず、腹腔内や鼠径部の皮下に停留したままになる病気です。放置すると腫瘍化するおそれがあります。
精巣腫瘍
精巣にできる腫瘍のことです。発生はごくまれですが、精巣が片方だけ大きくなる、乳腺が張るなどの症状が見られます。
前立腺肥大
膀胱の下にある前立腺という器官が肥大し、排尿障害などを引き起こす病気です。こちらも発生はまれですが、シニア猫に比較的多いとされています。
メス猫のほうがかかりやすい病気
乳がん
若いメスや、ごくまれにオスがかかることもありますが、10才を超えた高齢のメスに多い病気です。猫の乳腺腫瘍の8割以上は悪性で、ほかの部位に転移しやすい特徴も。メスの場合は、最初の発情がくる前に避妊手術を受けると、乳がんの予防につながります。
乳腺炎
おもに授乳中の母猫に見られ、乳腺が詰まったり、毛づくろいの際に細菌感染したりすることで起こる病気です。患部付近を触ると痛みで嫌がったり、乳頭から膿を含んだ乳汁が出たりといった症状があらわれます。
細菌性膀胱炎
メスは、オスに比べて尿道が短く太く、また開口部が広いことから、細菌に感染しやすい傾向にあります。頻尿、血尿、尿が出ないのに何度もトイレに行く(残尿感がある)といった症状が出たら、膀胱炎にかかっているのかもしれません。
メス猫特有の病気
避妊手術をしていないメス猫は、子宮の病気にかかるリスクがあります。その中には、命に関わる病気も少なくありません。
子宮蓄膿症
細菌感染などによって子宮が炎症を起こし、子宮内に膿がたまる病気です。腹膜炎や子宮破裂などにつながり、最悪の場合は命を落とすこともあります。
子宮内膜症
子宮内部を覆っている子宮内膜に、炎症が起きる病気です。発情期にかかりやすくなる特徴があります。
子宮がん
子宮にできる悪性腫瘍のこと。初期症状が少ないため気付きにくいうえ、卵巣やリンパ節などに転移しやすい特徴がある怖い病気です。
愛猫の性別によるかかりやすい病気、かかる病気を把握して、予防方法や対処方法をしっかりと調べておきましょう。
監修/ねこのきもち獣医師相談室
参考/「ねこのきもち」2022年5月号『オス・メスの違いがわかる 猫の性のおはなし』
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。