動物に寄生するダニは、さまざまな病気を発症するきっかけになる怖い虫です。愛猫が完全室内飼育でもダニに感染するリスクはあるため、ふだんからしっかりと対策をしなければいけません。
そこで今回は、ダニ対策の必要性や予防方法、主なダニの種類などをご紹介します。
完全室内飼育でもダニ対策は必要?
完全室内飼育の猫でも、ダニに感染するリスクはゼロではありません。家のベランダや敷地内の庭に出たときに寄生されたり、飼い主さんの衣類に付着したダニが室内で繁殖したりすることで、室内飼育の猫にも感染してしまうケースがあります。
ただ、それでもまだ「完全室内飼育なら必要ない」と考えている方が多く、猫のダニ予防をしている飼い主さんはあまり多くありません。しかし、前述の通り室内飼育だからといって油断はできませんし、ダニに寄生されることで怖い病気に感染することもあるため、猫のダニ予防はとても大切なのです。
猫に悪さをする主なダニ
マダニ
草むらなどに生息しているマダニは、動物の体表に付着して血を吸います。痛みやかゆみは軽度ですむことが多いものの、皮膚炎やアレルギーの原因になったり、さまざまな病気を媒介して飼い主さんに被害をもたらしたりするため、かなり危険なダニの一種といっていいでしょう。
ミミヒゼンダニ
とても小さなダニ類で、猫の外耳道に住みつきます。ミミヒゼンダニに感染すると強いかゆみが生じ、異臭がする黒い耳アカがたまるのが特徴です。放置して悪化すると、膿が出たり外耳炎を発症したりするため、愛猫の耳の具合が気になったら早めに動物病院で相談をしましょう。
ショウセンコウヒゼンダニ
こちらも小さなダニで、動物の皮膚にトンネルを掘り、その中で皮膚を食べながら生息します。顔まわりと前足に感染することが多く、強いかゆみと皮膚炎を起こすのが特徴です。
ダニ対策の方法は?
ダニを含む寄生虫対策に効果的な方法のひとつが予防薬です。ノミやマダニの予防や駆除、フィラリア症の予防、お腹に寄生する虫の駆除など、薬の種類によってさまざまな効果が期待できます。どの薬をどのタイミングで使うかは、かかりつけの獣医師に相談しましょう。
飼い主さんができるダニ予防は、日常的に耳や顔まわりをチェックすることです。早い段階で耳や皮膚の違和感に気付いて治療ができれば、病気の治りも早くなります。
また、愛猫をむやみに外に出さない、外から帰ったら衣類や持ち物を叩いてノミやダニを落とす(室内にノミやダニを持ち込まない)、外猫を触ったら念入りに手洗いをするなども、ダニ予防に効果的です。
寄生されると、さまざまな病気を引き起こすダニ類。ふだんから予防法を実施して、愛猫がダニに寄生されないように気を付けましょう。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫につくダニ対策!種類ごとの症状や、予防方法も解説』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/東里奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。