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優れた聴覚をもつ猫、テレビの音はうるさくない? 専門家に聞いた

猫は聴力が優れているといいますが、そのすごさの秘密は聞き取れる音の範囲にありました。広範囲の音を聞き取れる猫の可聴域と、耳の先端にある房毛の機能を哺乳動物学者の今泉忠明先生に教えていただきました。耳がいい猫にとって、テレビなどの音はうるさくないのでしょうか?

猫の耳は高い音を聞くために発達した

天井を見つめる福くん(MIX)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の聴力は、虫の羽音やネズミの鳴き声などの高い音を聞くために発達しました。そのため猫は、犬の1.5倍、人の3倍も高い音をキャッチできるそう。
なお、猫の聴神経は4万本あり、人より1万本多いこともわかっています。これにより、天井裏に潜むネズミの足音も聞き逃さず、正確な位置まで把握できるのです。

猫が聞き取れる音の範囲

あごのせするさくらちゃん(ロシアンブルー)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
人の可聴域は約20~2万ヘルツですが、猫は約60~6万ヘルツの音を聞くことができます。猫と同様に耳がいいといわれている犬の可聴域が約15~4万ヘルツなので、犬よりも猫のほうが、より高い音が聞こえているのです。

超音波の聞き取りに房毛が活躍

見つめる凛ちゃん(スコティッシュフォールド)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
房毛とは、耳先に生えている長さ1~5mmほどの毛のこと。この房毛が、2万ヘルツを超える高音の超音波に反応し、音を聞くための役に立つのです。

室内のテレビ音は無視できる

知らんぷりするれおくん(ミヌエット)
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
広範囲の音を聞き取れる猫ですが、聴力が優れているからといって、家の中に流れるテレビなどの生活音が大音量に聞こえているわけではありません。人は何かに集中していると周りの雑音が聞こえなくなりますが、猫も同様に、室内の騒音はじょうずに断ち切っているそう。そのため、「うるさくないかな?」という心配はご無用です。
優れた聴力で周囲の状況を把握できる猫。小動物の存在に気付けるのに、大きな生活音を断ち切れるとは、何とも器用です。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2023年3月号『3月3日は耳の日 優れた能力の話とお手入れ法も 猫の耳3つのスゴイ!』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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