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進行すると命を落とすことも 知っておきたい猫の気管支炎の症状と対策を獣医師に聞いた

愛猫がよく咳をしたり、呼吸時に体から変な音がしていたりすることはありませんか? その症状が長く続く場合は、「気管支炎」という病気を発症しているかもしれません。今回は、猫の気管支炎の特徴や対処法などについて、獣医師の藤原亜紀先生に伺いました。

猫の気管支炎はどんな病気?

唇をなめる舌を持つイギリスの猫。
NiseriN/gettyimages
気管支炎とは、植物やタバコの煙などのアレルゲン、細菌・ウイルス感染などが原因で、気管支に炎症が起こる病気です。

特に若い猫の場合、猫カゼをこじらせて感染・炎症が気管支まで広がり、気管支炎を発症することが多いでしょう。高齢猫は、完治が難しい「慢性気管支炎」や、炎症によって細くなった気管支によって呼吸困難に陥る「猫喘息」の発生が多くなる傾向があります。

猫の気管支炎の主な症状とは

クローズアップ赤の猫窓際のベッドルームのベッド
bruev/gettyimages
初期は軽い咳をすることが多いのですが、そのほかにも、呼吸の回数が多くなる、呼吸をするときに胸から「ヒューヒュー・ゼーゼー」と音がするなどの症状が現れます。進行すると腹式呼吸や食欲・活動量の低下が生じて呼吸困難に至り、命を落とすこともあります。

猫カゼが原因の場合は、鼻→のど→気管・気管支へと炎症が広がっていくため、のどに炎症があると猫も人と同様に痛みを感じます。そのため、フードが飲み込みにくい、えずく、声が出にくい、かすれるといった症状が特徴的に見られます。

猫が気管支炎になった場合の対処法

背景に隔離されたバスケットに横たわっているタビー猫をクローズアップします。
Backiris/gettyimages
気管支炎の治療では、猫カゼなどの感染が原因であれば抗菌薬を、鼻汁や鼻閉(鼻づまり)などの症状が見られたら点鼻薬を投与します。慢性気管支炎や猫喘息の場合は、ステロイド薬などを使った治療が一般的です。

自宅でのケアは、のどに痛みがあるので、飲み込みやすいウエットフード(総合栄養食)に変えるのが一案です。ウエットフードを電子レンジで人肌程度の温度に加熱すると、のどへの刺激が和らぐでしょう。

また、のどの痛みが緩和される消炎鎮痛薬もあるので、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
気管支炎を発症すると、のどに痛みが生じたり、呼吸困難に陥ったりと、猫が苦しい思いをしてしまいます。病気を進行させないためにも、猫の咳の仕方や呼吸の様子におかしな点が見られたら、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
お話を伺った先生/藤原亜紀先生(日本獣医生命科学大学獣医放射線学研究室准教授 獣医師 博士(獣医学) アジア獣医内科学専門医(内科))
参考/「ねこのきもち」2021年5月号『体験した飼い主さんのリアルな疑問に獣医師がアンサー ねこに多い病気、そこが知りたい!vol.12 気管支炎』
文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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