猫は老化が始まると、体や行動に変化があらわれます。しかし、なかには病気が原因で変化が見られるケースもあるので、注意が必要です。今回は、老化や病気に伴う猫の体や行動の変化について、ねこのきもち獣医師相談室の岡本りさ先生に伺いました。
老化が始まったときに体にあらわれる猫の変化
猫は老化が始まると、毛ヅヤがなくなる、パサつきや毛束が目立つようになる、フケが増えるといった変化が体にあらわれます。また、筋肉が落ちていく場合もあります。
老化が始まったときに行動にあらわれる猫の変化
筋肉が落ちるためか、高いところにあまり登らなくなったり、ジャンプをしなくなったり、爪とぎをしなくなったりします。そのほかにも、食が細くなる、寝ている時間が増えて活動時間が減るといった変化も見られます。
こんな体や行動の変化は病気の可能性も
老化だけではなく、病気が原因で猫の体や行動に変化が起きる場合もあります。たとえば、体がやせてくる、毛ヅヤがなくなる、食欲が落ちる、水をよく飲むといった変化には、腎機能の低下が関係していることがあります。
また、体がやせてくるほかに、よく鳴くようになるなどの性格の変化が見られる場合は、甲状腺機能亢進症になっている可能性があります。なお、シニア猫は夜鳴きをすることがありますが、これは認知機能の低下や、甲状腺機能亢進症が原因になっていることが多いといわれています。
そのほか、ジャンプしなくなる、爪とぎをしなくなるといった行動の変化には、関節炎や馬尾症候群などの病気が疑われます。
猫の体や行動に変化があらわれたときの対応は?
シニア猫の行動によって、猫や飼い主さんの生活に支障がきたしている場合は、なるべく早く動物病院で相談することをおすすめします。
また前述したように、猫の体や行動の変化には病気が疑われる場合もあるので、老化だと自己判断はせず、早めに動物病院を受診することが大切です。
猫の体や行動が変化するときは、老化や病気などさまざまな理由が考えられます。ふだんから愛猫の体の状態や行動をよく観察しておき、いつもと違う様子が見られたら、すぐに動物病院に相談するようにしましょう。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・岡本りさ先生)
取材・文/宮下早希
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。