聞いている飼い主さんまで癒される猫のゴロゴロ音。のどを鳴らす=機嫌がよいときと思われがちですが、実はそれだけではありません。今回は猫がのどを鳴らすときの気持ちについて、東京農業大学教授の太田光明先生に教えていただきました。
そもそも猫がのどを鳴らすのはなぜ?
猫がのどを鳴らすようになったのは、「傷を治すため」という説が有力です。野生時代に狩りで傷ができた際、早く治す効果が得られる低周波音を、自分で発する術を身につけたのではないかと考えられています。
機嫌がよいとき・うれしいとき
猫がのどを鳴らすシーンで飼い主さんが最もよく目にするのは、「機嫌がよいとき」「うれしいとき」「満足しているとき」でしょう。
飼い主さんがそばにいてご機嫌、なでてもらって満足など、母猫と過ごしている子猫のように、のどを鳴らすことで満足していることを飼い主さんに伝えているのかもしれませんね。
リラックスしているとき・眠いとき
リラックスしているときや眠いとき、眠る直前などにのどを鳴らすことも。飼い主さんの膝の上や猫ベッドなど、暖かくて心地よい場所でウトウトすると、母猫を思い出し、甘え気分になるのでしょう。
飼い主さんヘのアピールや愛情表現
ごはんが欲しいなど、飼い主さんに何らかの要求があるときにのどを鳴らすこともあります。これは“のどを鳴らすとごはんをもらえた”という過去の体験から学習したもの。また、のどを鳴らすと飼い主さんが喜ぶと学習した猫は、愛情表現としてのどを鳴らすこともあります。
ストレスを感じているとき・体調が悪いとき
動物病院で受診したときや、爪切りのときなど、ストレスを感じたときにのどを鳴らすこともあります。また、ケガをしたときや体調が悪いときに鳴らすことも。これはおそらく、苦痛を軽減させようと、本来の意味(=傷を癒す)に近い理由で鳴らしているのでしょう。
もともとは傷を治すために身につけたとされるゴロゴロ音ですが、現在ではさまざまな理由で鳴らすようです。なかには体調が悪いときに鳴らす場合もあるので、愛猫の様子をしっかり見てあげてくださいね。
お話を伺った先生/太田光明先生(東京農業大学農学部バイオセラピー学科動物介在療法研究室教授)
参考/「ねこのきもち」2019年10月号『人も猫も幸せになるあの音のナゾに迫る! ゴロゴロ音オン・エアー』
文/柏田ゆき
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。