猫に多いとされるオシッコ系の病気。猫がオシッコ系の病気にかかると、血尿や頻尿といった症状がみられますが、なかには粗相(そそう)をするようになるケースもあるので注意が必要です。
今回は、猫が粗相をしてしまう原因について、動物病院院長の野矢雅彦先生にお話を伺いました。
猫が粗相をしてしまう原因(1)精神的ストレス
複数飼いで猫同士の関係が悪い、引っ越しで環境に慣れていないなど、猫はストレスを感じると水をよく飲むようになる傾向があります。なかには、オシッコを何度もしたり粗相をしたりするなど、オシッコに異変があらわれることもあるようです。
オシッコの異変が始まった時期の状況を獣医師に話し、原因に合わせた対策を教えてもらうとよいでしょう。
猫が粗相をしてしまう原因(2)筋肉や神経の障害
椎間板や脊椎、脊髄で起こる異常が原因で後ろ足などに麻痺が起き、何かのはずみでオシッコがでてしまうというケースもあります。根本的な治療方法がない場合は、オムツをつけて対処することもあるようです。
なお、障害によってしっぽがだらんと垂れていたり、トイレに入っても排泄体勢をとらなかったりすることもあるでしょう。
日々の健康観察で猫のオシッコ系の病気に気付こう
猫がとくにかかりやすい傾向にあるオシッコ系の病気は、毎日のトイレ掃除をきっかけに気付く飼い主さんが多いようです。体内の健康状態が赤い尿や頻尿などの異変となって体外にあらわれるので、日ごろからわずかな異変でもメモを取るよう習慣づけ、健康管理を徹底しましょう。
猫は痛みを隠す動物といわれ、異変に気付いたときはすでに重症化しているケースも珍しくありません。オシッコ系の病気は治療が長引く場合も多いので、早期発見を心がけることが大切です。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「ねこのきもち」2019年11月号「猫に多い症状からわかる ねこの病気逆引き事典」
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。