1才になるまでの子猫期は、「毎日が冒険」とばかりに活発に過ごす時期。好奇心旺盛でやんちゃな行動をしやすく、トラブルが多い傾向にあるので注意が必要です。
そこで今回は、実際に飼い主さんが体験した、子猫期に起こった“事件”をご紹介。獣医師の徳留史子先生が詳しく解説します。
【生後3週間~5カ月頃の事件】手足にとびかかって噛む・引っかく
「手や足にとびかかって、本気で噛んだり引っかいたりしてきました」(奈良県 N・Yさん)
先生の解説
猫の場合、生後7カ月頃までは本能的に狩りの練習をする時期なので、飼い主さんの手足にじゃれつくことも多いでしょう。その延長で強く噛んだり、引っかいたりしてしまうことがあるのです。なお、生後3~6カ月頃の猫が噛む場合は、乳歯から永久歯に生え変わるむずがゆさから噛んでいる可能性も。
噛む・引っかくを防ぐには?
人の手足で遊ぶ猫は、狩猟本能が満たされていない可能性があるため、噛めるおもちゃを与えたり、一緒に遊んだりしてエネルギーを発散させてあげましょう。また、噛まれたり引っかかれたりしたときに飼い主さんが反応してしまうと、リアクションがうれしくてエスカレートすることがあるので、立ち去るなどして無反応を徹底してください。
【生後3カ月頃からの事件】台所の水遊びでずぶぬれ
「台所の水が好きで、遊んでずぶぬれになっていました」(愛知県 Y・Sさん)
先生の解説
猫は生後3カ月頃になると運動能力が高まり、それにともなって行動範囲が広がります。好奇心も旺盛になり、流れる水の動きが目に入ると後先考えずに行動して、ずぶぬれになる猫も。「水遊びが楽しい」と一度インプットされた場合、飽きるまで繰り返すようになるかもしれません。
ずぶぬれになるのを防ぐには?
好奇心旺盛な子猫の水遊びを阻止するのは難しいため、水回りに入らせない工夫をしましょう。台所や風呂場、トイレなどのドアを閉めるなどして対策をしてください。
【生後7カ月頃の事件】リボンの誤食
「落ちていたリボンを誤食してしまい、緊急受診しました」(愛知県 Y・Sさん)
先生の解説
子猫期は全体を通して、身近にあるどんなものでも興味本位で口にするおそれがあるため、誤食も多発しがちです。とくに細長いものはヘビなどに見えることから、狩猟本能が刺激されて口にしやすい傾向に。そのままうっかり飲み込んでしまうケースも少なくありません。
誤食を防ぐ方法は?
子猫の口に入りそうなものは誤食の危険が高いため、扉の中や引き出しなどへの収納を徹底しましょう。リボンやヒモ、輪ゴム、ポリ袋、猫用おもちゃなどは、特に注意が必要です。
子猫期は体が小さく経験も少ないぶん、ときには危険なトラブルが起こってしまうことも。猫の習性を理解したうえで、猫目線で安全を確認し、のびのびと成長できるようにサポートしてあげたいですね。
お話を伺った先生/徳留史子先生(獣医師)
参考/「ねこのきもち」2020年2月号「読者が実際に体験した、年齢別に起こりやすいトラブルや病気がわかる! うちのコ、○才事件簿」
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。