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「猫にカリカリ」は主流じゃなくなってきた? 猫のウエットフードのメリットを獣医師が解説

猫の総合栄養食には、ドライフードとウエットフードがあります。長らくドライフードが主流でしたが、2023年6月に『ねこのきもち』が実施した「愛猫にウエットフードを与えていますか?」というアンケートによると、7割以上の飼い主さんが何らかの形でウエットフードを与えているという結果が出ました。

海外ではウエットフードを推奨する傾向にありますし、フードの形状を見直す時期なのかもしれませんね。そこで今回は、猫にウエットフードを与えるメリットを、獣医師の山本宗伸先生に伺いました。

飲水量を無理なく増やせる

スコティッシュフォールドのわさびくん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ドライフードの水分量が10%前後なのに対し、ウエットフードに含まれる水分量は80%前後が一般的です。

猫が1日に必要な水分量の目安が、体重1kgあたり45~50mlなので、体重4kgの猫に240gのウエットフードを与えた場合、食事だけで1日に必要な水分量を摂取できるという計算になります。あまり水を飲まないタイプの猫にとって、大きなメリットだといえるでしょう。

ドライフードと比較すると、栄養成分が野生時代の食事に近い

Mix(キジトラ)のにゃあたくんたち♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
肉食動物である猫は、野生時代にはネズミなどの小動物を食べていました。ネズミ・ドライフード・ウエットフード、それぞれの栄養素(以下参照)をみると、ドライフードよりもウエットフードのほうが、野生時代の食事に近いといえるでしょう。

栄養成分比較

  • ネズミ:炭水化物9%/脂肪分37%/タンパク質54%

  • ドライフード(一例):炭水化物35%/脂肪分10%/タンパク質34%/他

  • ウエットフード(一例):炭水化物13%/脂肪分23%/タンパク質52%/他

満腹感を得やすく肥満予防になる

ペルシャのDownyくん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
前述のとおり、ウエットフードは80%前後が水分なので、ドライフードと同カロリーでもウエットフードのほうが4~5倍の量を食べられ、かなりの満腹感を得られることになります。

食欲旺盛な猫の場合、ウエットフードの割合を増やせば、同じカロリーでも満腹感を得られるので、肥満予防につながるでしょう。

嗜好性が高くおやつ代わりに使える

Mix(黒×白)のみるくくん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫に与えるおやつは、必ずしも「猫用のおやつ」である必要はありません。風味豊かなウエットフードを“特別な食事”として、おやつ代わりに与えるのもいいでしょう。

その際、一般食(副食)に区分されているウエットフードを利用してもOKです。ただし、栄養バランスが崩れないよう、1日に必要なエネルギー量の10~20%程度にとどめるようにしてください。

筋肉量を維持しやすい

スコティッシュフォールド・ロングヘアの小雪くん♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
近年、猫も体型や肥満度だけでなく、筋肉量の維持も健康の指針として重要視されてきています。

ウエットフードはドライフードに比べて、低炭水化物で高タンパク質なので、効率よく筋肉量を維持できるでしょう。

適温に温めるとニオイが強まり食欲がわく

Mix(茶トラ)のちゃあくんたち♪
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
シニア猫になると、食欲にムラが出がちです。

猫はモノのニオイをかいでそれを食べ物と認識するため、ウエットフードを温めてニオイを強めてあげると、食欲がわくケースがあります。水分量が多く加熱しやすいウエットフードは、食欲が落ちやすい猫にうってつけといえるでしょう。
水分摂取、肥満防止、筋肉維持など、ウエットフードにはさまざまなメリットがあります。愛猫の体調や好みを考慮しつつにはなりますが、ウエットフードの導入を検討してみてもいいかもしれませんね。
お話を伺った先生/山本宗伸先生(猫専門病院Tokyo Cat Specialists院長 国際猫医学界ISFM所属)
参考/「ねこのきもち」2023年11月号『おいしいだけじゃない!メリットもたくさん!! 愛猫にウエットフード与えていますか?』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
※アンケート結果は「ねこのきもち作り隊」278名の回答を集計したものです(2023年6月実施)。
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