猫と暮らす
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【獣医師監修】猫のしゃっくりの原因は?病気との関係と止める方法
猫のしゃっくりは人のしゃっくりとは違い、お腹や体全体を振動させるような様子を見せます。一見わかりづらいので、見逃してしまうことも。今回は「猫のしゃっくり」について、見分け方や原因、止める方法や病気の可能性などについてご紹介します。

加藤 憲一 先生
獣医師
相模原プリモ動物医療センター院長
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業
麻布大学附属動物病院腫瘍科専科研修医
●資格:獣医師/日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種
●所属:日本獣医がん学会
●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/腫瘍科/画像診断科
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相模原プリモ動物医療センター院長
日本大学生物資源科学部獣医学科卒業
麻布大学附属動物病院腫瘍科専科研修医
●資格:獣医師/日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種
●所属:日本獣医がん学会
●主な診療科目:一般診療(外科・内科)/腫瘍科/画像診断科
お腹がピクピク「猫のしゃっくり」
みなさんは急に「ヒックヒック」と、しゃっくりが出てしまうことはありませんか?しゃっくりは焦れば焦るほど止まらず、人の目を引いてしまいます。人がするしゃっくりは、横隔膜のけいれんが原因といわれており、多くは数分〜数十分で止まります。
人は映画の上映中や会議中など、静かな空間でしゃっくりが出てしまうと焦りますよね。しかし、猫から「ヒックヒック」という声は聞こえません。ねこのしゃっくりとは、どんな状態のことをいうのでしょうか?
人は映画の上映中や会議中など、静かな空間でしゃっくりが出てしまうと焦りますよね。しかし、猫から「ヒックヒック」という声は聞こえません。ねこのしゃっくりとは、どんな状態のことをいうのでしょうか?
「猫のしゃっくり」どんな状態?動画あり!
猫のしゃっくりをする様子について、まずはこちらの動画をご覧ください。
※掲載について投稿者の許諾を得ています
猫のしゃっくりは、人のしゃっくりとは様子が異なります。愛猫のお腹の真ん中あたりがピクッピクッとリズミカルに波打つことはありませんか?動画に登場している猫も、お腹が波打っていますよね。これは「猫しゃっくり」といわれている、横隔膜のけいれん現象です。
猫のしゃっくりは、声が出ないのでわかりにくいかもしれませんが、丸まって寝ているときにも起こります。そのときは、体全体がピクッピクッと振動するように動くので、異変に気付きやすいでしょう。その他にも、遊んでいるときに急に静かになった、眠っていたのに起きてじっとしている、といったときは猫のしゃっくりが起こっているかもしれません。
飼い主さんとしては、お腹がピクッピクッと振動するように動く愛猫を見たら不安になりますよね。しかし猫のしゃっくりは、人のしゃっくりと同じように痛みなどはありませんので安心してください。愛猫は普段と違う体の異変に驚く程度でしょう。人のしゃっくりは数十分で自然に止まることが多いですが、猫のしゃっくりも1日程度で自然に治まります。
猫のしゃっくりは、声が出ないのでわかりにくいかもしれませんが、丸まって寝ているときにも起こります。そのときは、体全体がピクッピクッと振動するように動くので、異変に気付きやすいでしょう。その他にも、遊んでいるときに急に静かになった、眠っていたのに起きてじっとしている、といったときは猫のしゃっくりが起こっているかもしれません。
飼い主さんとしては、お腹がピクッピクッと振動するように動く愛猫を見たら不安になりますよね。しかし猫のしゃっくりは、人のしゃっくりと同じように痛みなどはありませんので安心してください。愛猫は普段と違う体の異変に驚く程度でしょう。人のしゃっくりは数十分で自然に止まることが多いですが、猫のしゃっくりも1日程度で自然に治まります。
「猫のしゃっくり」一番の原因は食事の仕方!
猫がしゃっくりする原因は、主に次のものが考えられます。
・ご飯の食べ過ぎ
・早食い
・水を飲む際に、空気を多く取り込んだ
・激しい運動
ご飯の食べ過ぎや早食い、空気を多く取り込む、激しい運動後のしゃっくりは、特に心配はいりません。
しかし、人も「しゃっくりを早く止めたい」と思うように、猫にとってもしゃっくりは不快なものです。ご飯の食べ過ぎや早食いといった健康体の猫にも起こりうることは、飼い主さんの工夫で起こりにくくすることができますので実践してみましょう。
・ご飯の食べ過ぎ
・早食い
・水を飲む際に、空気を多く取り込んだ
・激しい運動
ご飯の食べ過ぎや早食い、空気を多く取り込む、激しい運動後のしゃっくりは、特に心配はいりません。
しかし、人も「しゃっくりを早く止めたい」と思うように、猫にとってもしゃっくりは不快なものです。ご飯の食べ過ぎや早食いといった健康体の猫にも起こりうることは、飼い主さんの工夫で起こりにくくすることができますので実践してみましょう。
見分け方のコツ
愛猫がヒックヒック動いているけど「しゃっくりなの?」と聞いたところで、「うん、そうだよ。」と答えが返ってくるわけではありませんね。ここは飼い主さんが様子をよく観察して、しゃっくりかそれ以外なのかを見極める必要があります。しゃっくりとそのほかの咳やくしゃみなどの違いを見分けるポイントをご紹介します。
咳をする猫
咳の場合は、しゃっくりと違って明らかに「ケホッケホッ」という声が聞こえます。お腹の動きはしゃっくりのときと似ているものの、体全体が動いているという印象が強いですね。「声が出ている・体全体が動いている」のが、猫の咳の特徴です。
くしゃみをする猫
猫がくしゃみをする様子については、こちらの動画が参考になります。
※掲載について投稿者の許諾を得ています
くしゃみの場合は、鼻を中心として顔や頭が動いている印象です。空気を強く吐き出す音が「くしゅん!」と聞こえます。しゃっくりや咳と違って、お腹の動きはほとんど見られません。「破裂音のような空気の音・顔と頭が動く」という点が、猫くしゃみの特徴です。
おならをする猫
おならをする猫の顔は、いたって平静です。苦しさとは無縁ですね。下半身のみが少し動く程度で、お腹や顔など上半身の変化は見られません。「ブっというおならの音がする(しないこともあり)・下半身のみの動き」が、おならをした猫の特徴です。
しゃっくりする猫
上の動画をみてわかるように、しゃっくりする猫は、声などの音が出ていません。そしてお腹を中心とした体の動きが見られます。食べたものや毛玉を吐き出すときのような、首を使った「えづき」の動きもありません。
猫のしゃっくりを見分けるポイントは、「無音・お腹の動き」にあるといえます。
猫のしゃっくりを見分けるポイントは、「無音・お腹の動き」にあるといえます。
「猫のしゃっくり」止めるには?
ご飯の食べ過ぎや早食いをストップ!
基本的なことですが、愛猫に与えるキャットフードの適正量を守ることが大切です。フードのパッケージに記載されている1日の給与量を参考にして、適正量をきちんと計って与えましょう。そうすることで、ご飯の食べ過ぎを防ぐことができます。
早食いをする猫は、ご飯を食べ過ぎる傾向があります。人も同じですが、早食いをすると脳で満腹感を得られる前に食事を終えることになります。そして満腹感を得られなかった猫は、同居猫のフードを横取りしたり、人のご飯をおねだりするようになったりすることで、結果的に食べ過ぎてしまうのです。
猫は、自分の意識でゆっくり食事をすることができません。1日分の食事を朝、昼、晩、寝る前などと小分けにしたり、時間をかけて食べさせるための「早食い防止用エサ皿」などを取り入れたりしてもよいですね。
早食いをする猫は、ご飯を食べ過ぎる傾向があります。人も同じですが、早食いをすると脳で満腹感を得られる前に食事を終えることになります。そして満腹感を得られなかった猫は、同居猫のフードを横取りしたり、人のご飯をおねだりするようになったりすることで、結果的に食べ過ぎてしまうのです。
猫は、自分の意識でゆっくり食事をすることができません。1日分の食事を朝、昼、晩、寝る前などと小分けにしたり、時間をかけて食べさせるための「早食い防止用エサ皿」などを取り入れたりしてもよいですね。
「猫のしゃっくり」止める方法
健康体の猫のしゃっくりは、時間はかかりますが自然に止まります。人のしゃっくりを止める方法のような民間療法を安易に実行するのはおすすめできません。1日以上、愛猫のしゃっくりが止まらない場合は、獣医師に相談したほうが安心です。
「猫のしゃっくり」病気のサイン?
横隔膜を刺激する病気として考えられるのが、胃がんや食道がんなどの消化管腫瘍にくわえて、肺炎、胸膜炎、気管支喘息といった呼吸器の病気などがあります。また、脳腫瘍など神経が刺激される病気でもしゃっくりが出ることがあるので、1日以上しゃっくりが止まらなかったり、嘔吐や下痢、運動障害などが見られたりした場合には、獣医師に相談しましょう。
動画を撮って獣医師へ相談
猫のしゃっくりは声が出ないのでわかりにくいですが、体が波打つように振動していたら、様子を見つつ行動を観察しましょう。なかなか治まらないようなら、その様子をスマホなどで録画してから獣医師へ相談すると、診察がスムーズになるでしょう。
食べ過ぎや早食いが原因で出るしゃっくりは、食事の仕方を工夫することで防ぐことができます。食べ過ぎや早食いは肥満にもつながりますので、注意をしてあげたいですね。
愛する猫ちゃんの万が一に備えて、早めにペット保険に加入しておくのもおすすめです。病気の治療費が高額で大変といった事態になっても、ペット保険の補償があれば安心ですよ。
食べ過ぎや早食いが原因で出るしゃっくりは、食事の仕方を工夫することで防ぐことができます。食べ過ぎや早食いは肥満にもつながりますので、注意をしてあげたいですね。
愛する猫ちゃんの万が一に備えて、早めにペット保険に加入しておくのもおすすめです。病気の治療費が高額で大変といった事態になっても、ペット保険の補償があれば安心ですよ。
参考/「ねこのきもち」2016年11月号『ねこダイエット』(監修:山本宗伸先生)
「ねこのきもち」2016年6月号『タイプ別 誤食しやすい物はコレだ!』(監修:鵜飼佳実先生)
ねこのきもちWEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A(しゃっくりがでる)』
監修/加藤憲一先生(相模原プリモ動物医療センター院長)
文/紺道ゆあん
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
「ねこのきもち」2016年6月号『タイプ別 誤食しやすい物はコレだ!』(監修:鵜飼佳実先生)
ねこのきもちWEB MAGAZINE『獣医師が答えるQ&A(しゃっくりがでる)』
監修/加藤憲一先生(相模原プリモ動物医療センター院長)
文/紺道ゆあん
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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