いつも穏やかな猫がいきなり怒りだしたら、どうすれば良いのか困ってしまいますよね。そこで今回は、猫が怒ったときのサインや怒る理由、そして対処法をご紹介。さらに、怒っているように見えて、実は喜んでいるときのしぐさも解説します。
猫が怒るときのサインとは?こんなしぐさが怒っている!
遊んだりツンとしたり、甘えたり怒ったり…。猫が飼い主さんを華麗に翻弄するさまは、「きまぐれ」といった言葉がぴったりですよね。今回はその中でも、猫が怒っているときのしぐさについてご紹介していきましょう。
フーッ、シャーッなどという声を出している
よくあるしぐさで分かりやすいのがこちら。猫がものすごく怒っているときは、「フーッ」「シャーッ」というような声を出します。ときに毛を逆立て牙をむき出しにし、相手を威嚇して鳴くこともあります。
しっぽが膨らみ、大きく振っている
しっぽがタヌキのように太く膨らみ、左右にバタバタと大きく振っているときも、猫が怒っているサインです。また、しっぽがふくらんでいなくても左右に尾を大きく振っているときはいらだっているときが多いです。犬が喜んでしっぽを振るのとは違うので、混同しないように注意しましょう。
瞳孔が開く
猫の目の瞳孔は、日中など明るいところでは細くなり、暗いところでは大きく広がります。しかし、怒りや恐怖などで興奮状態になると、昼間でも瞳孔が開いて黒目が大きくなります。そんな様子が見られたときは、近づくと危険。しばらくそっとしておいてあげましょう。
耳やひげが反る
猫が怒ると、耳が反ったり倒れたりすることがあります。それは耳が猫にとっての「急所」だから。耳を反らせる、もしくは頭部に沿わせることによって、急所にダメージをくらわないようにしているのです。
怒っているようにみえて、実は喜んでいるかも
「怒っているの?」と思いがちなしぐさに見えても、実は甘えているケースがあります。愛猫の気持ちを勘違いしないためにも、ぜひ理解しておきましょう。
突然飼い主の手に噛みつく
いきなり愛猫に噛みついてこられると、怒っているのかと勘違いしてしまいますよね。しかしこのしぐさは、猫が飼い主さんと一緒に遊びたいときや、遊ぶことがうれしくてはしゃいでいるときによく見られます。基本的には甘噛みをしてくることが多いですが、はしゃぎすぎて強く噛まれることもあるので気をつけましょう。
喉を鳴らしている
喉を「グルグル」や「ゴロゴロ」などと鳴らしているときは、心地よかったり甘えたかったりしているときのしぐさです。「好き」「嬉しい」「気持ちがいい」などの気持ちを表現しています。
しっぽをピンと立てている
一見すると緊張しているようにも見えるしぐさですが、機嫌がいいときに見られるしぐさです。尾を立てながら人にすり寄ってくるときには「好き」「甘えたい」「かまってほしい」などの気持ちを表しています。また、ピンと立ったしっぽを小刻みに震わせているようなら、「あなたのことが大好き」と言う愛情表現として受け取ってよいでしょう。
何で怒るの?猫が怒る理由って?
いつもマイペースでかわいい猫だからこそ、いきなり怒りだすとびっくりしますよね。猫は「自分にとって嫌なこと」が突然起こったとき、怒りを感じる傾向にあります。それでは、猫が怒る理由をいくつか見ていきましょう。
突然大きな音がしたとき
猫は静かで穏やかに過ごしたいので、賑やかな空間が苦手。そして聴覚が優れているため、突然大きな音がすると、びっくりしてしまい、その時の身近にいる関係のない猫や人に対して八つ当たりのように怒ることがあります。
触られたくないところを触られたとき
猫は犬と違って、触られると嫌がるところがたくさんあります。たとえば、しっぽ、足先、お腹、ひげ、肉球などが有名ですね。特に急所のお腹は嫌がることが多いので、無理には触らないようにしましょう。また、自分からおなかを見せている時でも、触ると怒ることがあります。猫に触る際には頭やあごの下など、触られるのを好みやすい場所からそっと触るといいでしょう。
食事中に触られたとき
人間も食事はゆっくりしたいもの。猫も同様に、食事中は触られるのを嫌がります。食べる様子がかわいいからと、ちょっかいを出したりせず、ゆっくり食事をさせてあげましょう。
お気に入りのものを取られたとき
猫は、自分のお気に入りのものを取られると怒ることがあります。くわえているものを無理に取り上げようとするなどが、猫を怒らせる行為です。
不意に何かが目の前に現れたとき
猫は不意に何かが起こることが苦手です。急に自分の目の前に現れたことでびっくりし、その感情が怒りに変わることも。
猫が怒りを感じるポイントは、意外にもたくさんありましたね。猫は元々、群れをつくらず単独の行動をする生き物なので、自分の好まない関わり方をされることは本能的に嫌がる傾向があります。まずは何が猫を怒らせてしまうかを知っておき、なるべく猫の嫌がることを減らしてあげられるよう工夫してみてください。
猫を怒らせてしまった!対処方法は?
猫を怒らせてしまったとき、ひとまず落ち着かせてあげようと、撫でたり遊んだりすべきだと勘違いしていませんか?実はそれは逆効果なんです。怒っている猫に対しては、落ち着くまでそっとしておくのがベストです。特に威嚇するしぐさをしているときは、警戒心が非常に高まっているので、たとえやさしい気持ちであっても触ったり声をかけたり無理にするのは猫にとっては不快な刺激になってしまいます。また、無理に触ると爪や牙で攻撃されてしまうかもしれません。怒っている猫はそっとしておき、少し時間を置いて様子を見るのが一番ですよ。
猫の立場になって考えよう
猫が飼い主さんに怒っているときは、環境や人の行動など、猫が不快に感じるような原因があります。まずは猫の嫌がるポイントを理解し、猫の立場に立って考えてあげましょう。そしてなるべく猫にストレスをかけず、穏やかに過ごすことができるように工夫してあげると良いですね。
そして猫が怒ってしまった時は、そっとしておくが一番。怒った姿もかわいいと捉えて、「あらあら、怒っているのね」とそっと見守ってあげてください。ねこの気持ちへの理解が深まれば、より猫と仲良くなれることでしょう。
参考/「ねこのきもち」 WEB MAGAZINE 『もしかして怒ってる?猫の怒りの表情を見抜くための4つのポイント』(https://pet.benesse.ne.jp/topics/cat/vapes09_201705.html)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/anzu
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。