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「猫に生魚」、実はNG!?

「猫=魚」というイメージがついたのはなぜなのでしょうか。今回は、そんな背景について考察しながら、猫に与えてよい魚の種類や与え方と、調理品も含めた避けたい魚について解説します。また、キャットフードを選ぶポイントについてもご紹介します。

「猫=魚」これって本当に正しいの?

刺身と猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

日本ではなぜ「猫=魚」のイメージが定着したのか

海外では「猫=肉」という認識があるようですが、日本では「猫=魚」というイメージを持つ人が多いようです。これは、人の食生活が猫の食べ物に影響を与えているためだと考えられています。日本では昔からたんぱく質源として肉よりも魚を多く利用する食文化があったため、猫も肉よりも魚を口にする機会が多く、その結果としてたんぱく質源として魚を好む猫も徐々に増えていったと考えられています。そのような背景から「猫=魚」のイメージが定着したのでしょう。

国民的アニメの主題歌にも「お魚くわえたドラ猫~」と歌われているように、「猫=魚」は日本人にとって“スタンダード”なイメージといえるかもしれません。

「猫=魚」ちょっと間違っているかも?

ただ、猫に魚を与えることが、本当に猫の健康維持や満足感につながるのかと考えた場合、実は魚の含有成分の及ぼす影響等、いろいろと注意しなくてはならない点が見えてきます。「猫=魚」と安易に決めずに正しい知識を身につけて、与えてもよい魚とそうでない魚をしっかりと見極めることが大切といえるでしょう。

猫に与えてもよい魚と与え方

みんなでごはん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ではさっそく、猫に与えても大丈夫な魚と避けるべき魚を、その理由とあわせて見ていきましょう。まずは猫に与えてもよい魚をご紹介します。ただし、与えてよいものに分類されている魚でも、与えすぎは栄養の偏りにつながるため、注意が必要です。

かつお

エネルギーの源となるナイアシンを多く含んでいますが、与えすぎると肝臓に炎症を起こす黄色脂肪症になる恐れがあるため量には注意しましょう。月1回、刺身一切れの半分程度なら与えてもOKです。

まぐろ

月1回、刺身一切れの半分程度ならOK。ただし、トロ部分は脂肪が多いため、与えるのであればタンパク質豊富な赤身のみにしてください。

白身の魚

脂肪酸が少ないので与えても大丈夫。ただし干物等の味付けされたものは与えないようにしてください。

魚を与える際の注意点

魚を生のまま与えると寄生虫がいる恐れもあるため、与える際は、火を通すようにしましょう。また、猫は本来、食べ物をよく噛まずに丸飲みしてしまうことが多いため、骨をしっかりと取り除いた状態にしてから与えてください。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「猫が好きそうなものは与えても大丈夫? 猫が食べてもいい・食べてはいけない魚など」

避けた方がよい魚と注意点

魚と猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
次に、猫の健康に悪影響を及ぼす可能性が高い避けるべき魚と、その理由についてご紹介します。

イワシ、アジ、サバ等の青魚

青魚に多く含まれるDHA、EPA等の不飽和脂肪酸は、大量に摂取してしまうと体内で酸化し、黄色脂肪症(イエローファット)を引き起こす要因となります。炎症を起こした脂肪は硬化し、痛みや発熱、食欲不振につながることがあるため、十分に注意しましょう。

生の状態の魚

前章にも挙げましたが、生魚の場合、肉や内臓の中に寄生虫がいることがあり、激しい痛みや嘔吐の症状が出たり、猫の内臓疾患を誘発したりする可能性があります。さらに、猫に欠かせない栄養素であるビタミンB1を壊してしまうチアミナーゼという酵素が生魚(特に淡水魚)には含まれているため、運動障害や知覚過敏の症状を引き起こすともいわれています。

かまぼこ等の加工食品

かまぼこ等、加工段階で食品添加物や調味料が加えられているものは、猫にとって塩分過多になりやすい食品に分類されるため、与えないほうがよいでしょう。

ツナ缶

こちらも加工食品と同様の分類です。人用に調理されているものは、塩分や脂肪分が多いため猫には不向きです。

かつおぶし、にぼし

海産物の乾物はミネラル過剰摂取につながるので、少量・微量でも与えない方がいいでしょう。リンやマグネシウムを多く含むため、泌尿器系の病気経験のある猫には特に注意が必要です。

どうしても魚の栄養を摂りたいなら、キャットフードが安心

魚と猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
子猫の頃からの生活環境によっては、魚の味を何より好む猫もいます。そんな場合は、キャットフードから魚の栄養や旨味を摂り入れるのも、良い選択といえるでしょう。

選び方のポイント

製品パッケージに記載されている情報にじっくり目を通すことをおすすめします。「1~10歳くらい対象」「毛玉ケア」「ダイエット向き」といった、猫の年齢や健康状態に合わせた表示がされていることが多いため、愛猫の状態に合ったものを選ぶ目安にできます。
また、キャットフードには「総合栄養食」「おやつ用」「療養食」といった用途の分類も表示されています。主食となるキャットフードを選ぶ場合は、「総合栄養食」と記載されているものから選ぶようにしましょう。

いつまでも元気でいてほしいから

オッドアイ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫の食べ物を選ぶときには、安易に「魚を与えておけばいいや!」もしくは「魚は絶対ダメ!」と決めつけるのではなく、まずは「猫の体」についてよく理解することが大切です。そしてそれを踏まえた上で、飼い主さんがしっかりと猫の健康管理に好影響を与えるものと、そうでないものを把握しておきましょう。
しかし、一般的な飼い主さんが猫に与えていい食べ物や危険な食べ物をすべて把握し、栄養バランスに優れた食事を与えるのは簡単なことではありません。専門的な知識がない限りは、主食は「総合栄養食」のキャットフードを与え、おやつ感覚でごく少量の魚を与える程度にとどめるのがベストといえるでしょう。
家族の大切な一員である愛猫の健やかな食生活をこれからもサポートできますように。ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考/『ねこのきもち』WEB MAGAZINE「猫が好きそうなものは与えても大丈夫?猫が食べてもいい・食べてはいけない魚など」
   『ねこのきもち』別冊「まんぞくさんも大満足 猫に与えてOK??NG?食べ物大図鑑」(監修:高円寺アニマルクリニック 院長 高崎一哉先生、加西動物病院院長 廣瀬孝男先生、ノヤ動物病院院長 野矢雅彦先生、若山動物病院院長 若山正之先生)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/なかたり
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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