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嫌がる投薬もスムーズに! 猫にストレスをかけない“保定ワザ”

愛猫に薬を飲ませるとき、噛みつかれたり引っかかれたり、苦戦している飼い主さんもいるのではないでしょうか。そこで今回は、投薬や目薬の点眼などを安全に、かつ、猫にストレスをかけずに行うための“保定ワザ”をご紹介します!

そもそも『保定』ってなに?

『保定』とは、人と動物の安全を確保しながら、円滑に治療を行うために動物の体を押さえることを指す専門用語のことです。間違った保定で投薬などを行うと、猫にとって嫌な記憶として残ってしまいますが、無理に押さえつけない正しい保定で行えば、猫の体も心も安定した状態をキープすることができるのです。

それでは、さっそく保定の基本である“抱っこワザ”から説明していきましょう!

抱っこしたまま膝の上に座らせる“抱っこワザ”

抱っこワザをされる猫

“抱っこワザ”は、抱っこしたまま膝の上に座らせて、そのままの体勢で投薬などをすることができる、どっしりとした体形の猫や抱っこが好きな猫におすすめの家庭での基本ワザです。人の太ももでしっかりと猫の体重を支えられるため安定感が高く、飼い主さんのぬくもりを感じて猫もリラックスすることができます。

コツは猫の下半身を手でしっかり支えること!

持ち上げられる猫

猫を持ち上げるときはそっと優しく行い、座るまで猫の前足とお尻を手でしっかりと支えてあげるのがコツです。座ったら、猫のお尻を体に引き寄せるようにし、太ももと猫の体を密着させましょう。

足の間でしっかり押さえる“かぶさりワザ”

かぶさりワザをされる猫

横になってパンチをしてくる・後ずさりで逃げようとするなど、お手入れに敏感な猫やどっしりとした体形の猫におすすめなのが、この“かぶさりワザ”です。足の間で猫の下半身をしっかりと押さえることで猫が「伏せ」の体勢になり、飼い主さんとの密着感でおとなしくなりやすく、攻撃を防ぐことができます。

コツは猫の上半身や顔を支えること!

爪切りされる猫

このワザを使うと、下半身がしっかりと固定されるため、手で支えながら上半身や顔をお手入れできるのが特徴です。投薬や点眼だけでなく、爪切りの際にも取り入れれば、猫の胸元に手首を添えられるため、噛まれるのを防ぐことができるでしょう。

タオルを使って猫の全身を包む“包みワザ”

包みワザをされる猫

抱っこが苦手な猫や、抱っこができても足をばたつかせがちな猫に向いている“包みワザ”。このワザは、タオルですっぽり包まれることに安心する猫の習性を利用した方法です。足先を隠してしまうので、飼い主さんが引っかかれるリスクを軽減することができます。

“包みワザ”のやりかたは以下のとおりです。

1.タオルに猫をのせ、前足を包む

タオルを広げて中央に猫をのせ、上半身を押さえながら、猫の前足を隠すようにタオルをめくってかぶせます。

2.タオルの両端を猫の背にかぶせる

タオルの両端を順番に猫の背にかぶせましょう。始めは猫が傾かないようにやわらかくタオルで包み、次にタオルがたるまないように引き寄せながら包むようにすると◎

この状態で膝の上に乗せて投薬などを行うのもよいでしょう。顔周りをなでてあげるといいでしょう。

コツはタオルに猫のニオイをつけておくこと!

タオルの上で寝る猫
猫は自分のニオイがするものに安心するため、このワザで使用するタオルはふだんから猫に触れさせるようにし、猫自身のニオイをつけておきましょう。

動物病院でおなじみの“寝かせワザ”

寝かせワザをされる猫
最後にご紹介するのは、動物病院でおなじみの“寝かせワザ”。猫の体を支える人と実際に投薬などを行う人の計2名が必要ですが、1人が猫のすべての足をしっかり支えるため、確実に目的を達成することができます。

ポイントは、足と足の間に人差し指を入れて、すり抜けないようにしっかりつかみ、手首で猫の首を軽く押さえること。このとき、猫ののどを圧迫しないように注意してください。

コツはすべての足を伸ばすこと!

足を伸ばされる猫
足をつかんだまま両腕を広げると、猫の体が前後に伸びます。猫によってはこの体勢でリラックスし、おとなしくなることがあるため、より投薬などがしやすくなるでしょう。

ご紹介した正しい“保定ワザ”を覚えれば、投薬や目薬の点眼のみならず、爪切りなどのお手入れの際にも活用することができます。ぜひこちらの記事を参考に、ご自宅でも実践してみてくださいね♪
参考/「ねこのきもち」2016年1月号『上手な押さえ方なら、お手入れはもっとラクになる!プロの保定ワザ教えます』(監修:倉敷芸術科学大学生命科学部動物生命科学科教員 倉敷芸術科学大学教育動物病院専任動物看護師 村尾信義先生)
文/mieux
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