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穏やかな愛猫が、突然凶暴に…それって「激怒症候群」かも!?

穏やかな愛猫が、突然凶暴に…なんで!?


もしかしたらそれは「激怒症候群」かもしれません。猫がキッカケもなく突然攻撃してきたら、激怒症候群の可能性があるのだとか。

この記事でくわしく見ていきます!

「激怒症候群」って何?

猫の激怒症候群
イラスト/片山智恵
激怒症候群とは、「特発性攻撃行動」の別称。何の前触れもなくいきなり襲いかかる、原因不明の攻撃行動です。

飼い主を攻撃した犬を診たイギリスの獣医師が「激怒症候群」と命名

1990年代後半、イギリスでペットの行動治療をしている獣医師が、激しい攻撃を繰り返していた犬を診断し、「激怒症候群」と名付けたといわれています。

日本の動物病院では「特発性攻撃行動」という診断名を使っていて、国内でも発症した犬は確認されています。

近年では、猫でも発症することが判明!

鳴く猫
getty
激怒症候群が猫にも該当すると判明したのは、ここ数年のこと。まだ症例が少ないため、猫としての研究は進んでおらず、不明なことが多いのが現状。

しかし、少ないながらも特発性攻撃行動と診断されている猫がいるのは事実です。

猫の激怒症候群とは

知らない飼い主さんも多い、猫の激怒症候群。ここからは、原因や治療法などについて見ていきます。

疑問①:原因は?

見つめる猫
getty
→脳神経系の異常が一因

犬で行われている激怒症候群の研究では、脳神経系の異常である「てんかん」の発作で、激しい攻撃が起こっている可能性が高いとの報告が。

猫の場合も、原因のひとつとして、てんかんが関与しているのではないかと考えられています。

※てんかん:大脳の神経細胞に、異常な電気的興奮が起こる病気。脳から全身に送られる信号の異常で、発作が起きます。激怒症候群の場合、この発作が攻撃的な性格の変化に。

疑問②:猫はどう変わるの?

猫 噛む
イラスト/片山智恵
→人や同居猫に対して、いきなり激しい攻撃を加える

まったくキッカケがないにもかかわらず、制御できないほど激しい攻撃を加えます。発作を起こしたときに近くにいる人や同居猫が、攻撃の対象に。

本気で噛んだり引っかいたりするため、大ケガをすることも。

疑問③:どんな猫に多い?

見上げる猫
getty
→3歳未満の若い猫

最初に症状が出るのは、犬の場合は3才までが大半。早いと1才未満で発症することも。猫にも同様のことがいえ、若い時期から起こりやすいでしょう。

疑問④:診察・検査は?

猫の激怒症候群
イラスト/片山智恵
→専門医によるカウンセリングが必要に

まずは、かかりつけの動物病院で相談し、激怒症候群が疑われたら問題行動治療の専門医を紹介してもらいます。そこで攻撃されたときの状況や、攻撃前後の猫の様子などの詳細をカウンセリングします。

その後、必要があれば動物病院で猫の脳波の測定検査を行うこともあります。

疑問⑤:治療は?

猫の激怒症候群
イラスト/片山智恵
→投薬を続けることで、発作が抑えられることも

検査後にてんかんと判明したら、発作を抑える抗てんかん薬が処方されます。この飲み薬を毎日投与して、経過を見ることに(動物病院で処方された薬を、自宅で飼い主さんが与えます)。

この投薬を続けることで、発作が抑えられる猫もいます。

疑問⑥:完治する?

見つめる猫
getty
→生まれつきの体質のため、完治は難しい

脳神経の異常は、いってみれば体質のようなもの。生涯完治することはなく、定期的に受診しながら付き合っていくことになります。

くつろぐ猫
getty
もしも愛猫が突然攻撃してくるといった悩みがある場合は、かかりつけの動物病院で診てもらうようにしましょう。


参考/「ねこのきもち」2018年5月号『キッカケのない突然の攻撃行動 猫の激怒症候群って何?』
(監修:獣医師、東京都動物愛護相談センターで活動したのち、現在は東京大学附属動物医療センター行動診療科にて犬猫の治療に従事 菊池亜都子先生)
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
イラスト/片山智恵
文/雨宮カイ
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