やっぱり気になる猫の治療費
猫と暮らしているとさまざまな出費がありますが、その中でも多くを占めるもののひとつが医療費。万が一愛猫が病気になってしまったとき、どれくらい医療費がかかるのか気になりますよね? 今回は『アニコム家庭どうぶつ白書2016』をもとに、猫の医療費が年間でどれくらいかかるのか、病気別にご紹介します。
たとえば糖尿病なら10万円
対象:65,305匹(0~12才)。それぞれの病気でアニコム損保に保険請求のあった個体ごとに、1年間で動物病院を受診した際のその病気にかかった診療費を集計し平均したものです。通院、入院、手術を含みます。
猫の年間医療費を病気別に表した上のグラフを見ると、内分泌の病気、腫瘍、循環器の病気はとくに多くの医療費がかかっていることがわかります。
猫の内分泌の病気で多いのは糖尿病ですが、治療のメインとなるインシュリンの投与量を調節するのに、何回もの検査や入院が必要です。そのうえ、インシュリンを毎日投与するので、薬代もかかります。また、腫瘍と循環器の病気も、全身的な検査や入院、長期にわたる薬の投与が必要になるので、どうしても医療費がかさみます。
愛猫の医療費、これだけかかりました!
糖尿病治療にかかった医療費は、一番多いときで年間14万円でした
13才のとき、ギンが急に痩せ始めて糖尿病が判明。5年間、通院や自宅で皮下点滴とインシュリン注射で治療し、医療費は1年あたり6万~14万円かかりました。
扁平上皮がんになり、総額で120万円ほどかかりました
ココのあごのあたりにしこりができ、扁平上皮がんと診断。できる限りのことをしたくて週3回ペースで通院治療し、4カ月で総額120万円ほどかかりました。
年齢が高くなるほどに医療費は高額になる
※年間医療費が高い上位3つの病気と、猫に最も多い泌尿器の病気を抜粋したもの
「猫の病気別、年齢別1匹あたりの年間医療費」の上位3つの病気と、猫が最もかかりやすい泌尿器の病気の医療費を年齢別にすると、上のグラフのように年齢に比例して医療費が高くなる傾向にあるのがわかります。年を取ると体力が衰えて病気が治りにくくなるからというのもありますが、若い猫がかかりやすい病気は短期で治療が終了するものが多いのに対し、シニア猫の病気は慢性腎不全のように、長期間治療が必要なものが多いのです。また、気付きにくい病気も多く、とくに循環器の病気は、シニアになって症状が出たときには、すでに重症化していてさまざまな治療が必要になるのです。そうなると医療費も高くなるのです。
シニアにかかわらず、重症化してからでは医療費も高くなります。それを防ぐためにも、しっかりとした予防や定期的な健康診断での早期発見が必要です。
参考/「ねこのきもち」2017年6月号『イマドキ猫の健康事情』(監修:聖母坂どうぶつ病院獣医師 鵜飼佳実先生)
文/浪坂一
イラスト/西 イズミ
※この記事で使用している画像は2017年6月号『イマドキ猫の健康事情』に掲載されているものです。