愛猫のデンタルケア、みなさんはどうしていますか?猫も口内環境が乱れると歯周病や口腔内細菌が原因の病気にかかりやすく、体の不調を起こす原因となることがあります。今日から歯ブラシを使って、猫の歯を磨いてみましょう。
まずは口周りや歯に触れることに抵抗をなくしましょう
いきなり口に手を当てて歯ブラシで磨こうとすると、猫は嫌がります。猫が「嫌だ」「怖い」などと感じないよう、歯ブラシに挑戦する前に口周りや歯に触る習慣をつけておきましょう。
歯に触られ慣れるためのスキンシップ方法
次に紹介する順番で顔周りに触れて、自然と口の中を触る習慣をつけていきましょう。
- 猫が好きなあごの下を優しく撫でます。
- 徐々に口周りへ手を伸ばし、慣れたら両手で猫の口から頬にかけて揉むように触ってみましょう。
- 両手で口角を上げ、徐々に歯が見えるくらいまで引っ張ります。
- 片手をあごの下に添えて、反対側の手の人差し指で上唇を持ち上げながら前歯を軽く触ってみましょう。
- 片手の人差し指で上唇をしっかり持ち上げて、反対側の手の人差し指で奥歯を軽くタッチして終了です。
口周りを触られることに慣れたら、歯磨き道具を用意しましょう
【準備するもの】
ペット用の歯ブラシ、ペット用の歯磨きペースト、水とペーストを入れる容器、お気に入りの布(暴れる場合)
歯ブラシと歯磨きペーストはペット用のものを用意します。水とペーストを入れる容器も用意しておくと便利でしょう。また、猫が暴れるようなら、お気に入りの布で体を包んであげると安心です。
歯ブラシが乾いていると猫が痛がって嫌がることもあるので、ペーストをつける前に歯ブラシを水で濡らしておきましょう。また、磨いている途中で乾いてきたら、繰り返し水とペーストをつけるようにしてください。
歯ブラシを使って歯を磨いてみよう
準備ができたら、いよいよ歯磨きです。歯は、1本ずつ丁寧に磨いていきましょう。
ステップ1:体勢を整えて猫をリラックスさせる
猫の後方から両手を回す抱え方が安定しやすいので、抱っこができる猫なら膝の上で抱っこする姿勢がおすすめです。抱っこが苦手な猫の場合は、台の上にのせて後方から手を回せるようにし、触ると喜ぶところを撫でてリラックスさせましょう。
ステップ2:歯ブラシを手に持つ
歯ブラシは鉛筆のように持ちます。こう持つことで先端を小刻みに動かすことができ、歯茎を傷つけない優しい磨き方ができるのです。
ステップ3:臼歯(奥歯)を優しい力加減で磨く
ほかの歯より大きな臼歯は歯垢が付きやすいので、念入りに磨きたい歯です。
歯ブラシを持っていないほうの手で口角を引っ張り上げて、歯ブラシを45°くらい傾けて歯に当てながら、横方向へ小刻みに動かして磨いていきましょう。
ステップ4:犬歯と切歯(前歯)を磨く
歯ブラシを持っていないほうの手の人差し指で上唇を持ち上げて、臼歯と同様に歯ブラシを45°くらい傾けて磨きます。長さのある犬歯は横方向だけでなく、上下の縦方向も磨いてあげると◎。
「歯周ポケット」を意識して
歯と歯茎の境目は「歯周ポケット」と呼ばれ、歯石がたまりやすい部分です。歯磨きを行う際は、特にここを意識して磨いてください。
猫の歯磨きは、磨き方を習得するよりも猫に慣れさせるほうが大変かもしれません。どうしても歯ブラシを受け入れてくれない場合は、歯ブラシの代わりに綿棒で試してみてもよいでしょう。歯ブラシほどの効果は期待できませんが、手入れをしないよりは汚れが落とせますし、綿棒に慣れたら歯ブラシも受け入れてくれるかもしれませんよ。
参考/「ねこのきもち」2017年1月号『読者の克服ワザも 今年こそ、愛猫に歯磨きしたい!』(監修:フジタ動物病院院長 獣医学博士 日本小動物歯科研究会会長 藤田桂一先生、フジタ動物病院獣医師 山地七菜子先生、フジタ動物病院看護士 三浦紫陽子さん)
文/こさきはな