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猫が甲状腺亢進症とほかの病気を併発した場合の治療方法は?獣医師が解説します!

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ねこの病気、そこが知りたい!~「甲状腺機能亢進症」その2~

『ねこのきもち』本誌で毎号連載中の「ねこの病気、そこが知りたい!」。実際に愛猫が病気になった飼い主さんが治療中に「知りたかったこと」について、獣医師の重本 仁先生が教えてくれます。今回はシニアに多い甲状腺機能亢進症についてです。

お話をお伺いした先生

重本 仁先生
王子ペットクリニック院長(東京都北区)

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症」

「甲状腺機能亢進症」は、甲状腺によるホルモン分泌が過剰になる病気のこと。甲状腺はのどの軟骨の下あたりにあり、新陳代謝を促進するホルモンを分泌しています。そのため、分泌が過剰になると、エネルギー消費が高まり、ほかの臓器にも負担が。腎不全などの合併症を起こすこともあります。

発症の原因として、さまざまな化学物質やカーテンなどに使われる住宅用難燃剤などを疑う論文もありますが、はっきりとはわかっていません。

初期症状として、嘔吐や下痢のほか、食欲があるのに痩せる、などの様子が見られます。また、目がギラギラしたり、走り回ったりと、一見活発なので飼い主さんは「元気」と感じ、受診が遅れがちな病気といえます。

いち早く気付くには血液検査を受けることが必須。かかりやすいのはシニア猫なので、10才くらいになったら、年に1回を目安に受けて、早期発見を目指すことが大切です。

イラスト/上垣厚子

ある猫の検査結果

画像/ねこのきもち2019年6月号『ねこの病気、そこが知りたい!』

「甲状腺機能亢進症」は一般の血液検査の項目に入っておらず、オプションで受けることがほとんど。T4(上段)のほか、FT4(下段)というホルモン値を調べるとより正確に。

甲状腺機能亢進症でこんな体験をしました

昨年秋、嘔吐と下痢が目立つように。元気で食欲旺盛だったので、しばらく様子を見ていたところ心なしか痩せてきて……。
受診すると、「甲状腺機能亢進症」のほか、重い腸の病気であることも判明。
かかりつけ医の指示により、まずは腸の病気の治療を進めています。

東京都 A・Yさん カリーくん(オス・推定13才)

受診したとき、もとの体重より約800g減っていました。そのため、「人なら約10㎏減に相当する事態。もっと早く連れてきてほしかった」と獣医さんには言われました。

嘔吐や下痢の回数が増えるといった異変には気付いていたので、すぐに受診すればよかったと反省しています。

まだ「甲状腺機能亢進症」の治療は行っていませんが、少しずつ元気になってきているので、ホッとはしています。

心配で受診したころ↓。痩せてきていて、5kgを超えていた体重は4.6kgになっていたそう

画像/ねこのきもち2019年6月号『ねこの病気、そこが知りたい!』

治療中である腸の病気が回復してきて、今は体重も元通りになっています。

画像/ねこのきもち2019年6月号『ねこの病気、そこが知りたい!』

飼主さんからの疑問「そこが知りたい」

かかりつけ医の指示で、まず腸の病気の治療をしているのですが、「甲状腺機能亢進症」の治療は、まだ療法食すら与えていない状態。
体重は戻ってきたのですが、このまま治療はしなくていいのでしょうか?

治療する順番は猫の状態によるのでかかりつけ医とよく相談して

甲状腺の数値が高いなら、少しずつでも治療はしたほうがいいと思いますが、ほかの病気との兼ね合いがあることも。心配なら、聞きにくくてもかかりつけ医に尋ねてみましょう。

ちなみに、治療では、甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を用いるのが一般的。投与すると元気がなくなるので、ほかの病気の治療中は少量ずつにするなど、調整が必要です。また、療法食で治療することもあります。

イラスト/上垣厚子

参考/2019年6月号『猫の病気、そこが知りたい!』(監修:王子ペットクリニック院長 重本 仁先生)

先生、ご回答いただきありがとうございました。
実際の飼い主さんの体験談にはヒントがたくさん。いざという時に役立つリアルな情報を引き続きお届けします。
次は、「歯周病&口内炎」についてです。

文/浪坂一
イラスト/上垣厚子
※この記事で使用している画像は2019年6月号『猫の病気、そこが知りたい!』に掲載されているものです。

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