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症状がわかりにくい“沈黙の臓器”猫の肝臓とすい臓の病気とは?
人の場合、肝臓とすい臓は“沈黙の臓器”と呼ばれ、病気が知らない間に進行していることがありますが、猫も同様で、初期には目立つ症状が見られないケースがあります。今回は、猫の肝臓とすい臓の特徴や働きなどについて解説します。
猫の肝臓とすい臓はどんな働きをしているの?
肝臓とすい臓は、食べ物を消化する「消化器」のひとつです。食べ物は食道~胃~十二指腸~小腸~大腸の順に通りますが、肝臓は胃の隣あたりにあります。すい臓は体の深部にあり、十二指腸とすい管でつながっています。どちらとも食べ物の栄養分を腸に吸収されやすくするために、消化を手助けしている臓器です。
肝臓
肝臓には、栄養分を蓄え毒物を無害にする働きがあります。消化液である胆汁を分泌し、たんぱく質の合成、老廃物や毒物の解毒、脂肪や糖の分解など、さまざまな働きをしています。
すい臓
すい臓は、肉や脂肪を分解する働きのある消化液のすい液と、血糖値を調節するインスリンなどのホルモンを分泌しています。
“沈黙の臓器”といわれる理由は?
人の肝臓とすい臓は、病気がある程度進行しないと自覚症状が出ない場合が多いため、“沈黙の臓器”と呼ばれています。猫の肝臓とすい臓の病気も、症状がわかりにくいままひっそりと進行するため、同じようなことが当てはまります。しかし、症状が出ないわけではないので、少しでも異変に気づいたら早めに受診を。消化器なので、嘔吐の症状が見られることが多いようです。
あきらかな症状が出たら危険な状態?
猫がぐったりとして元気がなくなったり、やせたりしたときには、すでに病気が進行してしまっている可能性があります。ただし、猫に体力がある場合は、かなり危険な状態から回復することもあるでしょう。目安として、1か月で10%体重が減少するなど、急激にやせてしまった場合は要注意です。
かかりやすい体型や年代は?
肥満体型の猫
体にたくさん脂肪がつくことによって内臓に負担がかかり、さまざまな病気にかかるリスクが高まります。特に、肝臓に脂肪がたまる「肝リピドーシス」などは肥満体型の猫の発症例が多く報告されています。
高齢の猫
猫は高齢になると代謝が落ち病気にかかりやすくなるため、肝臓・すい臓の病気と診断されるのは高齢猫が多いといえますが、若いうちからだんだんと機能が低下している可能性もあります。
病気の予防になる食べ物はある?
肝臓やすい臓によいとされている食材はありますが、猫の場合、手作りの食事を与えると、栄養バランスが崩れてしまうことも。猫専用に作られた総合栄養食をあげるのが一番よいでしょう。
肝臓とすい臓は、知らない間に病気が進行してしまうことが多いです。日頃から愛猫をよく観察し、少しの変化でも気づいてあげるようにすることが、病気の早期発見につながります。
参考/「ねこのきもち」2016年11月号『症状に気付きにくい“沈黙の臓器”だから 進行すると怖い肝臓とすい臓の病気』(監修:日本大学生物資源科学部獣医学科獣医外科学研究室教授 浅野和之先生)
文/AzusaS
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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