暖かくなると猫は発情期を迎えます。猫にとって発情は本能的で自然なものですが、飼い猫は欲求を満たすことができず、ストレスがたまりやすくなるため注意が必要です。
そこで今回は、発情期の猫のストレス発散法などについて解説。まずは、猫の発情期について見ていきましょう。
猫の発情期とは?
春になり日照時間が長くなると、メスは発情期を迎えます。個体差はありますが、野生の猫は年に1回、飼い猫は年に2~3回発情期があるようです。
気候によって発情するのは、メスのみ。発情期を迎えたメスは、オスにアピールするために、低く奥行きのある声で鳴きます。
その鳴き声に刺激されたオスは、遠くにいるメスのフェロモンを感知し、テリトリーの外まで探しに行くなどの行動が見られるようになります。つまり、オスは発情しているメスの鳴き声やフェロモンに影響され、発情が誘発されるのです。
発情期を迎えると、猫の様子はどう変わる?
発情期を迎えるとメスは落ち着きがなくなり、飼い主さんやものなどにスリスリと顔や脇腹をこする行動が見られるようになります。また、食欲や睡眠時間が減りますが、毛ヅヤはよいことが多いようです。
一方、オスは帰宅した飼い主さんについているニオイや、外から聞こえるメスの鳴き声に敏感になります。この時期は、メスの姿や鳴き声に刺激されて外に出てしまうことがあるため、脱走しないよう十分注意しましょう。
飼い猫の気分を紛らわすには?
繁殖行為ができない飼い猫にとって、発情期はストレスがたまりやすい時期でもあります。愛猫が発情期に入ったと気づいたら、さまざまな工夫をしてあげましょう。
毎日遊び相手をしてあげる
この時期は、いつも以上に猫じゃらしなどで遊んであげましょう。猫の狩猟本能を満たすことができ、気分を紛らわすことができます。
爪とぎ環境の工夫をしよう
発情期は、いつも以上にマーキングをしたくなるようです。爪とぎはマーキングの一種ですので、爪とぎ器を増やしたり、猫の導線にあえて置いたりするなどの工夫をするとよいでしょう。
好奇心を満たす環境作り
ふだん猫が入れない部屋や押し入れなどを、開放してあげるとよいでしょう。猫は普段とは違う様子にワクワクし、好奇心と探究心が満たされ、欲求不満を軽減することができます。
マーキング対策も忘れずに
発情期は、スプレー行為などのマーキングがクセになってしまう猫も。その場合は、愛猫がスプレーする場所にあえてトイレシートを貼り、シートを少しずつトイレに近づけて貼ることで、トイレまで誘導するのもひとつの手です。
このように、発情期の飼い猫はストレスがたまりがち。飼い主さんがしっかりと工夫をして、発情期が落ち着くのを待ってあげましょう。
参考/「ねこのきもち」2018年4月号『春は猫もソワソワ、ワクワク。猫の恋劇場』(監修:哺乳類学者 川崎市環境影響評価審議会委員 「ねこの博物館」館長 今泉忠明先生、獣医師 菊池亜都子先生)
文/nishiyuka
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。