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猫の「肛門腺」がなにか知ってる? 肛門まわりに多いトラブルについても解説

猫の飼い主さんは、「肛門腺」がなんのことかを知っていますか? 定期的にケアをしてあげないといけない場合もあるので、しっかりと知識として理解しておきたいですよね。

おしりを見せる猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
この記事では、猫の肛門腺についてねこのきもち獣医師相談室の先生が解説します。また、肛門まわりで起こりうるトラブルについても教えていただきました。

猫の「肛門腺」とは?

猫の肛門腺
画像/「ねこのきもち」2018年8月号
ねこのきもちWEB MAGAZINE
肛門腺とは、猫の肛門の左右にある袋状の腺のことをいいます。「肛門嚢」が正式名です。

これは「においぶくろ」のようなもので、袋の中に強いニオイの分泌液(肛門腺液)が溜まっています。「スカンクがおしりから出すクサイもの」をイメージしてみるとわかりやすいでしょう。

肛門腺液はウンチのときなどに自然に排出されます。そのため、基本的には飼い主さんが絞る必要はないのですが、運動不足や水分不足、高齢の猫の場合は分泌物がかたくなって排出しにくくなるので、絞ってあげる必要がでてきます。

肛門腺液が溜まっているときのサイン

振り向く猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
肛門腺の分泌液が溜まっているとき、猫はおしりを床にこすりながら歩く「おしり歩き」をしていたり、おしりを気にして舐めるようなしぐさをしていることがあります。これらが見られたら、肛門腺液が溜まっているサインの場合があるので、絞ってあげましょう。

ただ、肛門腺絞りをやるのは難しいと感じる飼い主さんもいるでしょう。また、肛門腺絞りを嫌がる猫もいるので、動物病院を受診して対応してもらうほうが安心です。

もし自宅で肛門腺絞りをやる場合は、獣医師に頻度やコツを教えてもらうといいでしょう。

肛門腺液を溜めるのがよくないワケ

あくびをするアメリカンショートヘア
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
肛門腺液が溜まっているのにケアをせず放置しすぎてしまうと、化膿して皮膚が破け膿が出るようになることもあります。状況次第では、肛門嚢をとる手術が必要な場合もあるので、定期的に獣医師に診てもらうようにしましょう。

猫の肛門まわりのトラブルで多いのは…?

おしりを向ける猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
肛門まわりのトラブルで一番多いのは、肛門腺貯留と肛門腺破裂です。あとは、アレルギーや寄生虫が原因となり、肛門を頻繁に舐めてしまうことがあります。過剰に肛門を舐めている場合は、動物病院を受診しましょう。

直腸脱が起きたら早めに受診を!

幼猫の場合、頻回の下痢で肛門から直腸が出てくる「直腸脱」が起きやすいです。もし下痢をしたら、便を持参して病院に行きましょう。便の検査をして、下痢や寄生虫の治療をします。

直腸が出てきていたら様子を見ずに、なるべく早く受診してください。出てきた腸が乾燥して壊死してしまう危険性があります。

成猫でも直腸脱は見られます。成猫は気にして腸をかじったり、食べてしまうときがあります。幼猫同様に、なるべく早く受診してください。

見つめるマンチカン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
猫がおしりを気にしていたら、肛門腺が溜まっていたり、ほかの病気が隠れているケースも考えられます。飼い主さんは、日頃からチェックしてあげてくださいね。

(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/sorami
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