猫は自分で毛づくろいをして被毛を清潔に保つため、基本的にシャンプーは必要ありません。しかし、シャンプーには皮膚や被毛を清潔に保つといったメリットもあるので、猫に無理のない範囲でチャレンジしてみるのもいいでしょう。
そこで今回は、猫のシャンプーの手順を画像つきでご紹介します。
Step1.濡らす:シャンプーの洗浄効果を高める!
シャンプーする前に被毛を濡らすのには、主に2つの役割があります。1つは大きな汚れを流すため。もう1つは被毛の根元までお湯が行きわたることで、シャンプーの泡立ちをよくするためです。
お湯は猫が嫌がりにくい背中からゆっくりと
人肌程度(35℃前後)のお湯を、猫の体を片手で押さえながら背中にかけます。ノズルを体に直接当てると水の音やしぶきが出にくくなるため、猫が嫌がりにくいでしょう。
前足を持ち上げておなかを濡らす
前足を持ち上げ、おなかにお湯をかけましょう。猫を壁や浴槽によせて行うと、動きを制限しやすくなります。写真のように猫の前足の間に指を入れて持つと、固定しやすくなるでしょう。
Step2.シャンプー~すすぎ:細かい汚れを落とそう
毛づくろいで取れる汚れは、あくまで被毛の表面にあるもののみ。シャンプーすることで、被毛の奥深く、皮膚も洗うことができます。そして、シャンプー剤が残らないようしっかりすすぐことで、皮膚を清潔に保つことができるでしょう。
手に取ったシャンプーを背中からつけて洗う
濡らす工程と同じく、背中から始めましょう。シャンプー剤を手に取り、泡が皮膚まで届くようにときどき毛並みに逆らうようにしながら、体全体に泡をなじませてください。
顔まわりは道具を使って
体についた泡を使って、顔の細かい部分を洗いましょう。鼻や目の汚れにはガーゼ、あごの汚れには歯ブラシをやさしく当てると、汚れが取れやすくなります。
濡らすときと同じ要領でしっかりと泡を洗い流す
ノズルを猫の体にじかに当て、泡を流していきましょう。被毛の奥に泡が残らないように意識しながら、しっかりすすいでください。足の付け根は泡が残りやすいので、念入りに行うのがポイントです。
Step3.乾かす:体温低下&被毛のもつれ防止!
濡れた被毛をそのまま放置すると、水分が蒸発する際に体の熱が奪われ体温が低下してしまうおそれが。また、自然乾燥だと被毛がもつれ毛玉ができやすくなることもあるので、予防のためにもしっかりと乾かしましょう。
足やしっぽの水分を手で軽く絞る
お風呂場にいるうちに、だいたいの水気を切っておくと、その後のタオルドライがラクになります。足やしっぽを付け根から先に向かって軽く握って絞りましょう。
タオルで軽く全身を拭きましょう
大きなタオルで体を包み、全身を拭いていきましょう。猫は顔が濡れることに敏感なので、顔から拭いてあげるのがおすすめです。
タオルを替えてしっかり拭いて
お風呂場からドライヤーを使う場所に移動したら、あらためて念入りにタオルで拭いていきます。ここでしっかり水分をとると、ドライヤーを当てる時間を短くできます。
ドライヤーをエプロンに引っかけてセット
ドライヤーを使って、本格的に乾かしていきましょう。エプロンの胸元にドライヤーを差し込み固定すると両手が自由になるので、猫を乾かしやすくなります。
ブラシで被毛を分けながら根元からしっかり風を当てて
ドライヤーをかけるときは、一番弱風(静音)のモードで。温度設定もできる場合は、低めを選ぶようにしましょう。ブラシと手を使いながら被毛をかき分けて、根元から風を当てるように乾かしてください。
ちなみに、気温の高い夏場などは、シャンプー後の猫の体温管理が比較的しやすいため、シャンプーに挑戦するにはよいタイミングです。比較的水が平気な猫の場合は、今回ご紹介した内容を参考に、シャンプーに挑戦してみてはいかがでしょうか。
参考・写真/「ねこのきもち」2017年8月号『トライするなら今です! メリットいっぱい サマーシャンプーしちゃお☆』(監修:ちば愛犬動物フラワー学園講師 猫専用トリミング&ホテル「CATオアシス」オーナー 花島秀俊先生)
文/kagio