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【獣医師が解説】猫のくしゃみはタイプが2つ!病気の可能性や予防

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人と同じように、猫もくしゃみをします。すぐに治まればよいのですが、しばらく続いたり鼻水を流していたりすると心配になりますよね。今回はくしゃみの原因や予防法、病気を見分けるポイントや考えられる病気、鼻血がみられるときの対処法などを解説します。


目次

猫のくしゃみはタイプが2つ!病気を見分けるポイントは?

猫のくしゃみから考えられる病気

猫のくしゃみで鼻血がみられたら

予防は大切!4つのポイント

たかが“くしゃみ”と甘くみないで!

猫のくしゃみはタイプが2つ!病気を見分けるポイントは?

伏せる猫
getty

生理現象のくしゃみ

人は鼻に異物が入ったり髪の毛やほこりでむずむずしたりすると、自然とくしゃみが出ます。これは猫も同様で、くしゃみをすることで鼻の中の異物を排出しようとします。くしゃみが数回で治まり、そのあとはいつも通りに過ごしているようであれば問題ないでしょう。

病気のくしゃみを見分けるポイント

動物病院で診察を受けたいのは、以下の症状がみられた場合です。

  • 涙や目やにが出て、食欲が低下している

  • 一日中くしゃみを連発している

  • くしゃみが何日も止まらない

  • くしゃみと同時に鼻水が出ている

  • 鼻水が黄色や白色など膿のような色

  • 鼻血が出ている


数回で終わるなら生理現象のくしゃみと考えられますが、くしゃみが連続しているときや、同時に何らかの異変が見られた場合は病気を疑ったほうがいいでしょう。

猫のくしゃみから考えられる病気

毛布に包まる猫
getty

猫カゼといわれる病気

猫クラミジア感染症


「猫クラミジア感染症」とは、クラミジアという病原体によって感染する病気です。猫クラミジアに感染すると、くしゃみや鼻水のほかに、目やにがたくさん出るといった症状がみられ、呼吸器系の炎症を起こしたり、目やにが原因となって結膜炎を引き起こしたりします。また稀ではありますが、人に感染することもあります。特に生後1年に満たない子猫がかかりやすい病気なので注意が必要です。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(猫クラミジア症)」

猫ウイルス性鼻気管支炎


くしゃみや鼻水に加え、咳や発熱、目が赤くなるなどの症状が出たら、「猫ウイルス性鼻気管支炎」の可能性があります。猫ウイルス性鼻気管支炎を引き起こすウイルスは、感染力が高いので、くしゃみや咳で飛んだ飛沫に接触した場合や、猫同士のグルーミングで接触しただけでも感染します。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(猫ウイルス性鼻気管炎)」

猫カリシウイルス感染症


「猫カリシウイルス感染症」にかかると、くしゃみや鼻水、発熱といった症状のほかに、よだれの増加や口内炎、食欲の減退などもみられます。猫カリシウイルスは空気が乾燥する冬に特に繁殖しやすく、感染力が高いので、多頭飼いの場合は1匹の猫が感染するとほかの猫にも感染するおそれがあります。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(猫カリシウイルス感染症)」

マイコプラズマ


細胞壁をもたない細菌が原因で起こるのが「マイコプラズマ」です。くしゃみや鼻水、咳、発熱といった症状がみられ、結膜炎や感染性関節炎を引き起こす場合もあります。「日和見感染症」ともいわれており、免疫力が落ちたときに感染しやすく、人を含む動物から昆虫、植物まで、さまざまな生物に感染することが特徴です。

それ以外の疑いのある病気

水っぽい鼻水を垂らしている場合


水っぽい鼻水を伴ったくしゃみをするときは、空気が乾燥していてほこりっぽいときや、ウイルスを吸い込んでしまったときなど、外部からの影響がほとんどだと考えられます。症状が軽い場合は自然と治まりますが、症状が重くなると鼻水が粘性の強いものに変わっていきます。くしゃみの原因がウイルスの場合、ひどくなると肺炎になることもあるので、くしゃみが続くようであれば動物病院へ連れて行きましょう。

副鼻腔炎


猫も人と同様に、鼻の奥に「副鼻腔」と呼ばれる空洞があります。この副鼻腔に炎症を起こすのが、「副鼻腔炎」という病気です。症状としては、くしゃみや鼻水、鼻詰まりなどがあり、鼻炎の進行が原因となることが多いでしょう。猫の鼻のあたりから異臭がしたら、膿が溜まり細菌が繁殖しているのかもしれません。その場合、副鼻腔炎が悪化した「蓄膿症」の可能性があります。

クリプトコッカス症


「クリプトコッカス症」は、真菌(カビ)に感染することによって起こる病気です。症状の特徴としては、くしゃみに粘性の高い鼻水と血が混じる、食欲が低下するなどが挙げられます。また、鼻腔内やその他の場所の皮膚に、しこりのような病変(肉芽腫性病変)ができることも。症状が進行すると中枢神経にまで広がり、痙攣や運動失調、さらには目にまで広がるなど全身の病気に繋がってしまうこともあります。

猫エイズウイルス感染症


猫エイズウイルス自体は感染力が低いので、空気などで感染することはありません。基本的に血液や唾液から感染するので、外でケンカをして猫エイズに感染している猫にかまれたり、交尾したりすることで感染する場合があります。

感染した直後の「急性期」は、くしゃみや下痢、リンパ節肥大などの症状がみられ、比較的軽い症状が1ヵ月から1年ほど続きます。その後「無症状キャリア期」に入ると、急性期に出ていた症状が一度治まります。無症状キャリア期は4~5年といわれていますが、なかには10年以上続く猫も。特に症状がみられないため病気が治ったようにも感じますが、完治はしていません。無症状キャリア期中、猫の体内ではウイルスによってリンパ球が破壊され、徐々に免疫力を奪っていきます。

猫エイズウイルスに感染しても発症しないことがありますが、無症状キャリア期が終わってエイズを発症してしまうと「エイズ発症期」に入ります。エイズ発症期では免疫機能が低下し、ちょっとしたことで風邪をひきやすくなったりします。通常なら感染することのない無害な菌でも感染しやすく、皮膚炎や食欲減退などもみられます。さらに免疫力が低下すると、肺炎やガンになるケースも。現在ではまだ治療法がないため、感染してしまうと厄介な病気です。

ねこのきもち WEB MAGAZINE「病気・症状データベース(猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ))」

アレルギー性鼻炎


猫のアレルギーにはいろいろな原因があります。ウイルスや細菌、真菌、ハウスダスト、花粉、ダニ、異物、歯周病などによって鼻腔の粘膜が刺激され、炎症を起こすのが「アレルギー性鼻炎」です。人と同様に、くしゃみや鼻水、鼻詰まりなどの症状を引き起こし、口呼吸をする姿がみられます。人の場合、鼻炎は命に関わるイメージはありませんが、猫が鼻炎になった場合は重篤化する危険性もあります。

このように、くしゃみの症状はさまざまな病気でみられます。ほかにも、鼻腔内腫瘍や異物が詰まっていることが原因でくしゃみが出る場合もあるようです。いずれにせよ素人判断は危険なので、必ず獣医師の診断を受けましょう。

猫のくしゃみで鼻血がみられたら

見上げる猫
photolibrary

激しいくしゃみをしているときは、鼻の粘膜が傷ついて鼻血を出す場合があります。その場合は、血をティッシュなどで優しく拭き取り、猫を安静にさせましょう。このとき、飼い主さんは慌ててしまうかもしれませんが、パニックになっている飼い主さんをみて興奮してしまう猫もいますので、落ち着いて対処してください。猫を安静にさせるためバスタオルなどでくるみ、できるだけ早く動物病院で診察を受けましょう。

予防は大切!4つのポイント

上を向く猫
Adobe Stock

1. 部屋を清潔に保つ

くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こすほこりなどを取り除くために、部屋をこまめに掃除することが大切です。乾燥した部屋はウイルスが繁殖しやすくなるので、湿度にも気を配ると良いでしょう。あまりに乾燥する場合は、加湿器などで適度に保湿するのも効果的です。猫が生活しやすい環境を保つことが、くしゃみなどの予防につながります。

2. ブラッシングをする

猫は自分でグルーミングをして体をきれいにしますが、毛にダニやほこりが付いていると、それらも一緒に体内へ取り込んでしまいます。ブラッシングをして、くしゃみの原因となりやすいものを落としてあげましょう。

3. ワクチンの接種と健康診断

予防接種は子猫のうちからしっかりと受けさせましょう。そして定期的な健康診断で健康な状態を把握しておくと、ちょっとした猫の異変にも気が付きやすくなります。

4. 室内で飼う

室外でほかの猫との接触で感染する病気は、室内で飼うことで感染経路そのものを少なくできます。病気のリスクを減らすことを考えると、完全室内飼いが望ましいでしょう。

たかが“くしゃみ”と甘くみないで!

抱っこされる猫
getty

病気の可能性があるくしゃみとそうでないくしゃみは、見分けるのが難しいでしょう。もし、くしゃみが続くようであれば、油断せずに動物病院で獣医師に相談してください。重症化の防止につながりますよ。

そして、人の病気対策と同じように、予防することも大切です。毎日、愛猫の様子を観察し、健康管理をすることで病気から守ってあげてください。

参考/「ねこのきもち」2016年5月号『防げる?治せる?付き合える?意外と知らない ねこの5大感染症』(監修:東京猫医療センター院長 服部幸先生)
   「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『病気・症状データベース』
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/HONTAKA
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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