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【獣医師監修】猫に卵を与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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猫に卵を与えるときは与え方に注意が必要です。卵は栄養豊富な食材で、黄身・白身・殻のいずれも猫が食べても問題ありませんが、基本的に生卵を与えるのはよくありません。ここでは、猫が卵を食べるメリットやデメリットとともに、猫に卵を与えるときの注意点も紹介していきます。

この記事の監修

佐野 忠士 先生

茶色のバスケットで鶏の卵に近い木製テーブルの上の灰色の猫
5./15 WEST/gettyimages

猫に卵を与えるときは部位ごとに与え方や注意ポイントが違う

寝転びながら狙いを定めるアビシニアン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

卵は、猫が少し食べたくらいでは問題ありません。人間にとって「完全栄養食」ともいわれる卵には、猫にとってもうれしい栄養素が含まれていますが、猫に与えるときは、卵の黄身(卵黄)と白身(卵白)で注意するポイントが異なります。また、卵にはサルモネラ菌などの病原菌や猫にとってデメリットになる栄養素が含まれているので、むやみに与えないようにしましょう。

卵のおもな栄養素|タンパク質が豊富

寄り添う2匹の猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

卵(卵黄/生)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー336kal
水分49.6g
タンパク質16.5g
脂質34.3g
炭水化物0.2g
灰分(無機質)1.7g


卵(卵白/生)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分
エネルギー44kal
水分88.3g
タンパク質10.1g
脂質微量
炭水化物0.5g
灰分(無機質)0.7g


文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

猫が卵を食べるメリット|必須アミノ酸をバランスよく摂取できる

窓辺で涼むマンチカン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が栄養豊富な卵を食べることで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、プラスの効果が得られるおもな栄養素を紹介します。

タンパク質|猫の健康を助ける必須アミノ酸が豊富

卵は猫の健康に欠かせない動物性タンパク質が豊富な食材で、白身よりも黄身にやや多く含まれています。タンパク質には猫の筋肉の成長を促し、皮膚や被毛を健康的に保つ働きがあり、とくに猫では毎日の食事でしっかりと摂取する必要があります。

タンパク質は約20種類のアミノ酸で構成されていますが、卵には猫が摂るべき11種類の必須アミノ酸のうち、タウリン以外の10種類が含まれています。猫が卵を食べることで、必須アミノ酸を効率よく摂取することができるでしょう。

なお、通常の卵にはタウリンは含まれていませんが、なかにはタウリンを含む卵も販売されています。これは、卵を産む鶏の健康のために、タウリン入りのエサを与えているためのようです。

脂質|必須脂肪酸を摂取できる

卵の黄身には、オメガ6系のリノール酸やアラキドン酸、オメガ3系のEPAやDHA、αリノレン酸といった必須脂肪酸が豊富に含まれています。必須脂肪酸とは、体内で重要な役割を果たす脂肪酸のうち、食事から必ず摂取しなければならない栄養素のことを指します。

オメガ6脂肪酸のリノール酸には、皮膚のバリア機能を維持するとともに、被毛を健康的に保つ働きがあります。アラキドン酸も猫の皮膚や被毛の健康に関わるほか、脳機能を正常に保つのに不可欠な栄養素です。犬の場合は体内でリノール酸からアラキドン酸が合成されますが、猫は合成できないため、食事から摂る必要があります。

オメガ3脂肪酸のEPAやDHAには、炎症を抑えるなどさまざまな働きがありますが、とくにDHAは猫の成長期に必要な栄養素といわれています。またαリノレン酸は、皮膚のバリア機能に欠かせない栄養素のひとつです。

オメガ6とオメガ3はバランスよく摂取する必要がありますが、卵にはどちらも含まれているため、猫に必要な必須脂肪酸を効率よく摂取できる食材といえるでしょう。なお、市販の卵のなかには、オメガ3の含有量を強化した種類もあります。

カーテンの隙間から覗くシンガプーラ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

鉄|体内で酸素の運搬を担う

卵の黄身には鉄分が多く含まれています。鉄は微量必須ミネラルに分類される栄養素で、血液中や筋肉内で酸素を運ぶ働きを担っています。鉄が不足すると、貧血を起こしたり元気がなくなったりすることがあります。

ビタミン|ビタミン類は黄身に多く含まれる

卵の黄身には、脂溶性ビタミンに分類されるビタミンA・D・E・Kや、水溶性ビタミンに分類されるビタミンB群が多く含まれています。猫の体内で合成することができないビタミンA・D、ビタミンB群などは食事から摂る必要がありますが、卵にはビタミンC以外のビタミンがすべて含まれているので、栄養補給に役立つ食材といえるでしょう。

卵に含まれるビタミンのうち、猫にとって有効な成分とその働きをいくつか紹介すると、ビタミンAのひとつであるレチノールは視力に関わる栄養素で、暗闇に順応する機能を助ける働きが期待できます。また、レチノールは皮膚や被毛の健康にも役立っています。

ビタミンB群のなかでも、ビタミンB6にはアミノ酸の代謝を促す働きがあります。またビオチン(ビタミンB7)には、猫の皮膚の健康を維持し、被毛のつやをよくするほか、神経系の機能を正常に保つ働きが期待できます。水溶性ビタミンは水に溶けやすく、体外に排泄されやすいので、定期的に摂取する必要があります。

カルシウム|黄身や殻に多い

卵の黄身や殻にはカルシウムも多く含まれています。カルシウムには、猫の骨や歯を強くする働きがあるほか、脳内の神経刺激の伝達や細胞内のシグナル伝達などに役立っています。

このように、猫にとってメリットのある栄養素のほとんどは黄身に含まれています。

猫が卵を食べるデメリット|病原菌に注意。白身・黄身ともに与え過ぎは禁物

ふっくらしたラグドール
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫が卵を食べることで、デメリットになる場合もあります。ここでは、飼い主さんにとくに注意してほしいポイントをいくつか紹介します。

サルモネラ菌・大腸菌|食中毒を起こす原因に

猫に生卵を与えると、サルモネラ菌や大腸菌などの病原菌に感染して食中毒を起こす恐れがあるため注意が必要です。

日本で販売されている卵は生食用のため、サルモネラ菌などの病原菌に汚染されている確率は極めて低いものの、新鮮な卵でも白身や殻に病原菌が存在する場合があります。白身と黄身が混ざり、時間が経つと菌が増殖するため、猫に生卵は与えないほうがよいでしょう。

アビシン(アビジン)|必須ビタミンの吸収を阻害

猫が生卵の白身に含まれる「アビシン」をたくさん摂取すると、ビタミンの一種であるビオチン(ビタミンB7)と結合して、体へのビオチンの吸収が阻害されるといわれています。

必須ビタミンであるビオチンは、猫の皮膚を健やかに保ち被毛のつやを維持するのに欠かせない栄養素です。アビシンは熱に弱いため、加熱すれば与えても問題ないとはいわれていますが、生の白身は与えないほうがよいでしょう。

なお、卵黄にもアビシンが含まれていますが、それを超える量のビオチンが含まれているため、生のまま与えてもビオチンの吸収が阻害されることはないといわれています。

リン|過剰摂取に注意! 腎臓病の猫には厳禁

リンはカルシウムとともに、おもに骨や歯の健康に役立つ栄養素です。卵では黄身に含まれていますが、リンを過剰摂取すると、カルシウムが大量に消費してしまう恐れがあります。

また、腎機能が低下している猫は余分なリンを排出することができません。過剰蓄積されたリンとマグネシウムが結合することで尿路結石症になったり、慢性腎臓病を悪化させたりすることがあるため注意が必要です。

高カロリー|黄身の与え過ぎに注意

卵の黄身は、100グラムあたり約330キロカロリーと高カロリーなので与え過ぎは禁物です。とくに食事量の制限が必要な糖尿病を患っている猫や肥満気味の猫には与えないようにしましょう。

一方、白身は100グラムあたり約45キロカロリーと黄身に比べるとカロリーは低めですが、ほとんどの栄養素は黄身に含まれているので、あえて白身だけを猫に与える必要はなさそうです。

食物性アレルギー|卵アレルギーの猫に与えるのはNG

卵にはタンパク質が含まれているため、体質によっては稀に食物アレルギーを起こす猫もいます。
これは人で心配されている卵アレルギーの状態と同じで、あらかじめ(若いときに)アレルギー検査などで明らかにしておくことも重要かもしれませんが、初めて与えてみて、症状が表れて検査して明らかとなるということも少なくありません。

初めて与える場合はまずは少量を与えてみて、かゆみや嘔吐、下痢などのアレルギー反応が出ないか様子を見ることが大切です。なお、長年食べ続けている場合も突然アレルギーを発症することがあるので、注意してください。

猫に卵を与えるときの注意ポイント|加熱調理が基本! ゆで玉子がおすすめ

外の香りに夢中なスコティッシュフォールド
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫に卵を与えるときは、調理方法や与える量に気をつける必要があります。調理のポイントなどを確認しましょう。

与えてよい部位と調理の仕方

卵は、調理方法次第で、黄身・白身・殻のいずれの部位も猫に与えることができます。

◇黄身
日本で販売されている卵は生食用なので、新鮮な黄身であれば生のまま与えても問題ないですが、基本的には加熱してから与えたほうが安心です。

◇白身
前述のとおり、白身にはサルモネラ菌が含まれることがあるうえ、アビシンという成分によりビオチンの吸収が阻害されることがあります。これらのリスクを防ぐためにも、必ず加熱してから与えてください。

◇卵の殻
ほぼ炭酸カルシウムでできているので、猫に与えても問題ありません。ただし、卵の殻には大腸菌が付着している場合もあるので、殻を与える場合はよく洗いましょう。また、卵の殻は固いうえに欠片の尖った部分で口やのどなどを傷つけることもあるので、必ず細かく砕いてから与えてください。

卵の加熱方法は、茹でるのがおすすめです。フライパンで焼く場合は、油を使わないようにしましょう。ゆで玉子も目玉焼きも調味料で味つけするのはNGです。調理後は、猫が食べやすいように小さく刻んでから与えましょう。

与えるときの適量

猫に卵を与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。

卵(卵黄/生)

猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg7g~8g(約1/3個~約1/2個


卵(卵白/生)
猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg54g~64g(約1個半~約1+3/4個)

※数値は、避妊・去勢済みの猫で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

卵は栄養豊富な一方、相応のリスクもある

「完全栄養食」である卵には、猫にとって有益な栄養素が豊富に含まれていますが、猫に与えると卵アレルギーや食中毒などを起こす可能性もあります。わざわざ生卵を黄身と白身に分けたり、茹でて刻んだり、殻を砕いたりしてまで猫に与える必要はないでしょう。

猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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