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【獣医師監修】猫に豆腐を与えるときは注意が必要。与えるメリットとデメリットを解説

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猫に豆腐を与えるときはいくつか注意が必要です。豆腐にはタンパク質やカルシウムなど猫に必要な栄養素が含まれていますが、過剰摂取により尿路結石症の恐れや、大豆アレルギーを発症することもあります。今回は猫に豆腐を与えるメリットやデメリット、与えるときのポイントなどを解説します。

この記事の監修

佐野 忠士 先生

猫 豆腐
taa22/gettyimages

猫に豆腐を与えるときは過剰摂取による尿路系の病気やアレルギーに要注意

高貴なメインクーン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

豆腐には猫の成長や健康に関わる栄養素が含まれていて、猫が摂取することで得られるメリットがあるため、少量であれば愛猫に与えても問題ないでしょう。ただし、豆腐の主原料である大豆にアレルギーを持つ猫もいるため注意が必要です。
アレルギーがない場合も、過剰に摂取することで尿路結石症や胃腸障害を起こすことがあります。豆腐を猫に与えるときは、あくまで少量にとどめることが大事です。

また、腎機能が低下している猫にとって害となる成分も含まれているため、腎臓病の猫には与えないようにしてください。

豆腐のおもな栄養素|高タンパク質で低カロリー

キャットタワーとラグドール
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

豆腐(木綿豆腐)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分

エネルギー73kal
水分85.9g
タンパク質7.0g
脂質4.9g
炭水化物1.5g
灰分(無機質)0.7g

豆腐(絹ごし豆腐)に含まれるおもな栄養素 ※数値は可食部100gに含まれる成分
エネルギー56kal
水分88.5g
タンパク質5.3g
脂質3.5g
炭水化物2.0g
灰分(無機質)0.7g

文部科学省「食品データベース」https://fooddb.mext.go.jp/index.plより参照

猫が豆腐を食べるメリット|整腸効果&低カロリーでダイエットが必要な猫におすすめ

顎を撫でられて気持ちよさそうなペルシャ
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫に豆腐を与えるメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。とくにカロリーをコントロールできる点に、注目している飼い主さんもいるようです。

カルシウム|骨や歯を作り、強くする

カルシウムは猫の骨や歯の形成に必要な栄養素です。また、神経や細胞間の情報伝達などにも関わっていて、神経や筋肉の働きをサポートしています。

オリゴ糖|善玉菌のエサとなり腸内環境を整える

豆腐には大豆オリゴ糖という天然のオリゴ糖が含まれています。オリゴ糖は、腸内に棲む善玉菌のエサとなり、腸内環境を正常に保つのに役立ちます。

大豆オリゴ糖を栄養源として、善玉菌のビフィズス菌が腸内に増えると、腸の動きが活発になって排便がスムーズになるほか、老化やがんなどの原因となる悪玉菌の増殖が抑えられるといわれています。また、ビフィズス菌には大腸のpH値を調整する作用があり、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが細胞内に吸収されやすくなるといわれています。

低カロリー|フードのかさ増し食材として活躍

豆腐は良質なタンパク質や脂質が豊富に含まれていながら、比較的カロリーの低い食材です。そのため、摂取カロリーをコントロールする必要のある肥満や肥満気味の猫に、豆腐を混ぜたフードを与えることで、摂取カロリーを抑えることができます。

肥満の猫でなくても、フードを1日の規定量以上に要求してくる場合に、豆腐をトッピングしてかさ増しして与えれば、猫が満足感を得やすくなるでしょう。

このようにフードのかさ増しなどに役立つ豆腐ですが、猫は植物性の栄養素を消化するのが、じつは得意ではありません。臓器を含めた生態機能の維持のためには動物性タンパク質の十分な摂取が重要であるともいわれています。豆腐のタンパク質は、植物である大豆由来のものなので、与えすぎないように気をつけましょう。

リノール酸のメリットは猫にはない!?

「豆腐に含まれているオメガ6系の必須脂肪酸であるリノール酸には、猫の皮膚や被毛の健康を正常に保つ働きがあるほか、血液中のコレステロールの濃度を下げる作用がある」というような情報を見かけますが、これは犬に与える場合のメリットです。
犬はリノール酸から同じくオメガ6系の必須脂肪酸であるアラキドン酸を体内で合成できますが、猫はリノール酸からアラキドン酸を合成できないため、残念ながらリノール酸の恩恵は得られません。

猫が豆腐を食べるデメリット|腎臓病・結石症の猫に与えてはダメ!

見上げるサイベリアン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫に豆腐を与えることが、デメリットとなる場合もあります。猫に与える前に、以下に挙げる注意点を確認してください。

カリウム|腎臓病の猫が過剰摂取すると高カリウム血症になることも

豆腐には、食事から摂るべき必須ミネラルのカリウムが含まれていますが、腎臓病の猫には与えないほうがよいでしょう。

健康な猫でもカリウムを過剰摂取すると腎臓に負担がかかりますが、腎臓病の猫では余分なカリウムを排泄できず、高カリウム血症になることがあるため注意が必要です。体内のカリウム値が高くなると、四肢のしびれや筋力低下、脈拍の異常、嘔吐などさまざまな不調をきたし、最悪の場合は命に関わることもあります。

カルシウム|過剰摂取による尿路結石症に注意

カルシウムは骨や歯の健康などに関わる栄養素ですが、過剰に摂取するとシュウ酸と結合してシュウ酸カルシウム尿石症の原因になることがあります。とくに、7歳以上の高齢猫では、カルシウムの過剰摂取により尿路結石症のリスクが高まるため、結石症の猫には与えないでください。

マグネシウム|ストルバイト結石を形成することがある

マグネシウムはカリウムとともに働く栄養素で、代謝全般に関わり猫の成長や健康をサポートします。

豆腐に含まれるマグネシウムは、豆腐を固めるために使われる「にがり」由来のもので、それほど多く含まれているわけではありません。しかし、マグネシウムを過剰に摂取するとストルバイト結石を形成することがあるため、結石症の猫には豆腐を与えないほうがよいでしょう。

カメラ目線の猫
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

大豆アレルギー|下痢や嘔吐などの症状に注意

豆腐は大豆から作られているので大豆アレルギーの猫には与えないほうがよいでしょう。

大豆アレルギーを持っているかどうかわからない場合は、まずは少量を与えてみて、しばらく様子を見てください。下痢や嘔吐、目の充血、体のかゆみ、元気がないなどの症状が現れたら、大豆アレルギーの可能性があります。

大豆アレルギーは、先天的な体質により発症する場合と、長期間継続的に摂取することで後天的に発症する場合があります。「これまでは大丈夫だったから」と安易に与え続けずに、猫の様子をしっかり確認することが大切です。

サポニン|胃の弱い猫では嘔吐や下痢の症状が出ることも

サポニンは抗酸化作用のある栄養素ですが、猫にとっては有毒な場合もあり、一時的に嘔吐や下痢が起こることがあります。重篤な中毒になることはほとんどないとはいえ、とくに胃の弱い猫に豆腐を与えることは避けたほうがよいでしょう。

大豆イソフラボン|甲状腺機能亢進症の発症に関与しているという説も

イソフラボンとは、ポリフェノールの一種であるフラボノイドのひとつ。大豆や葛(クズ)、甘草(カンゾウ)、レッドクローバーといったマメ科の植物に多く含まれている成分で、なかでも大豆に含まれるものは「大豆イソフラボン」と呼ばれています。

大豆イソフラボンには抗酸化作用などさまざまなよい効果が期待できますが、猫にとってはマイナスの作用もあります。のど元の甲状腺にヨウ素が取り込まれるのを防ぐ働きが、猫によく見られる甲状腺機能亢進症の発症に関係しているという説もあるので、大豆を主原料とした豆腐は与えすぎないように気をつけましょう。

猫に豆腐を与えるときの注意ポイント|加熱調理は必須!木綿・絹ごし以外を与えてはダメ

腕を組むラガマフィン
ねこのきもち投稿写真ギャラリー

猫に豆腐を与える際は、豆腐の種類や与える量、調理方法などに注意しましょう。

与えてよい部位

健康な猫に与えてもよい豆腐の種類は、豆乳を凝固剤(にがり)で固めて作られる木綿豆腐か絹ごし豆腐です。基本的にこの2種類なら心配は要らないでしょう。

豆腐にはさまざまな種類があるので、どれを選べばよいかと迷う飼い主さんもいるかもしれませんが、名前に豆腐とつくものでも、大豆以外の原料で作られるごま豆腐や卵豆腐、油を使用する焼き豆腐や厚揚げ豆腐などの豆腐加工品を猫に与えるのはNGです。

与えるときの適量

猫に豆腐を与える場合は、体重に合わせて以下の量を目安にしてください。ただし、あくまでもカロリー上の算出値なので、主食(総合栄養食)の摂取を阻害しない量にとどめることが大切です。

木綿豆腐

猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg33g~38g


絹ごし豆腐
猫の体重目安1日あたりの接種可能目安
4~5kg43g~50g

※数値は、避妊・去勢済みの猫で体重相応のおやつ(1日の総摂取カロリー目安の1割)として算出

猫に豆腐を与えるときは、猫用のレシピで作った料理を与えるよりも、フードにトッピングする程度にしておいたほうがよいでしょう。

調理方法

木綿豆腐または絹ごし豆腐をお湯で茹でて、猫がやけどしないように冷ましてから与えましょう。

豆腐を加熱する理由は、生の豆腐には大豆由来のトリプシン・インヒビターという物質が含まれているためです。トリプシン・インヒビターは、猫の膵臓内でタンパク質を分解する消化酵素トリプシンの働きを阻害し、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。トリプシン・インヒビターは熱に弱く、豆腐の製造過程でその多くは失われていますが、それでも豆腐の中にはまだ残っているため、必ず加熱してから与えるようにしてください。

なお、ネット上などで豆腐を使った猫用レシピなども紹介されていますが、凝った豆腐料理を用意する必要はありません。茹でた豆腐を冷まし、小さくちぎって、いつものフードにトッピングして与える程度でOKです。

また調味料で味つけすると、塩分の摂りすぎになるなど猫の体に悪影響をおよぼすので避けてください。

猫に豆腐を与えるときは少量にとどめましょう

カロリーを抑えつつ食事の量をかさ増ししたいときに、低カロリーの豆腐は活躍します。愛猫が必要以上にフードを要求する場合は、豆腐をフードにトッピングして与えてもよいでしょう。ただし、過剰摂取や継続的に与えることによるデメリットもあるので、毎日与えるのではなく、たまに少量を与える程度に調整してください。

猫には与えてはいけない食べ物があります。確認しておきましょう

監修/佐野忠士先生(酪農学園大学獣医学群獣医学類准教授)
文/倉田千穂
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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