DIYで猫タワー(キャットタワー)を手作りしてみませんか? 壁に釘を打たないから、賃貸でもOKなうえに、設置や取り外しが簡単! 微調整もできる突っ張りアイテムを使った猫タワーの作り方を、一級建築士でペットシッターのいしまるあきこ先生に教えていただきました。
初心者でも簡単に作れるコツもあわせてご紹介します。
(1)採寸する
まずは猫タワーの設置場所を決めましょう。おすすめは窓際。すぐ外が見える場所にあると、猫も積極的に使ってくれそうですね。
また、部屋の端や梁はしっかりしていることが多いため、猫タワーを突っ張る強度も確保できます。
《測り方》
メジャーを床から天井(梁)に伸ばして当てます。メジャーが傾いたりゆがんだりしないように注意しましょう。
《POINT》
・設置場所は強度が特に高い梁下がおすすめ。
・支柱になる木材の強度やメンテナンス時を考慮して、手が届く高さ(180cm以下)がベター。
(2)材料を準備する
突っ張り材 2セット
規格サイズの木材の両端に取り付けて、伸長し突っ張ることができるアイテム。支柱を2本作るので、2セット使います。今回用いる木材に合わせて「2×4(ツーバイフォー)」用を用意しましょう。
定期的に点検できるよう、高さを調節する部分が露出しているものがおすすめです。
ネジ 18本
木材用の頭部が平たい「皿木ネジ」を使用。長さは、ネジを締める木箱と木材の厚さも考慮して(今回は31mm)。
ドライバー
ネジもドライバーも「+」で、一般的な大きさの「2番」を使用します。
メジャー
「コンベックス」と呼ばれる金属タイプが◎。たるみにくいので、一人で採寸するときや、自分より高い場所を測るのに最適です。
木箱 3つ
猫タワーのステップとして使用します。今回用いるのは、長辺37×短辺26×奥行き(高さ)16.5cmのもの。猫の身幅を考慮し、奥行きは15cm以上がおすすめ。
ネジだけで固定するので、ガタつかない頑丈な箱を選びましょう。ネジが締まりにくい「木くず製(MDF材)」はNGなので注意して。
木材(SPF材) 2本
SPF材の規格サイズ「2×4」を使用。なるべくまっすぐで、節(目のような柄)が少ないものを選びましょう。
設置場所の高さから、突っ張り材に合わせた長さをカットします。カットする長さは、それぞれ規定があるため、使用する突っ張り材を選んでから決めるのがおすすめ。購入する場所によっては、希望の長さにカットしてくれるサービスもありますよ。
(3)組み立てる
1. 突っ張り材を木材にはめて、支柱を作る
木材の両端に突っ張り材を取り付けましょう。高さを調節する部分があるパーツが上になります。
2. 木箱を支柱に取り付ける
猫タワーのステップになる木箱をネジで取り付け、木箱が2つの支柱【A】と木箱が1つの支柱【B】を作りましょう。
まず、木箱を取り付ける位置を決め、支柱の下から、木箱の上辺がくる位置をメジャーで確認。各位置に鉛筆などで印を付けてもいいでしょう。
木箱を取り付ける位置の目安
今回は、木箱を2つ取り付ける【A】に対して左側に、木箱を1つ取り付ける【B】を設置します。【A】の支柱の右端と【B】の支柱の左端が、それぞれの木箱の開口部の縁に沿うようにして、4カ所ずつネジで固定します。設置する位置はあくまで目安なので、多少のズレはOK。短足猫やシニア猫がいる場合は、全体的に低くしてもいいでしょう。
《POINT》
・ネジを締める位置は、木箱の側面から少し離して。あまりにも側面近くにネジを締めようとすると、ドライバーが回しにくくなります。
・ネジを対角線順に締めると、木箱が安定しやすくなります。
3. 支柱を天井(梁)に突っ張らせる
木箱を取り付けた支柱を、天井(梁)に突っ張らせます。最初は仮留めし、位置が決まったら固く締めて。強度を出すためにも、しっかり取り付けましょう。
まずは【A】を仮で突っ張ります。次に【B】を、【A】の支柱に対して垂直の向きにはめ込み、木箱が【A】の支柱に接する位置で、支柱を壁に沿わせて仮留めしましょう。最後に【A】の木箱も【B】の支柱に接するよう位置を調整し、2本ともしっかり固定します。
4. 【A】と【B】の接点をネジで締める
木箱ともう一方の支柱をネジで固定し、独立している2本の支柱を繋げます。1つの木箱を2つの支柱に固定することで、猫タワーの強度が増し、さらにステップの安定性が高まります。
写真のように木箱の内側から、支柱にネジを締めましょう。締めるのは、縦に2カ所。ネジを締めたあとに支柱が緩んだ場合は、再度支柱の位置を微調整して固定します。
完成!
完成した猫タワーがこちら!
木箱はちょっとした収納にもなって便利ですね。
手作り猫タワーは、アイデア次第で愛猫が気に入ってくれる可能性無限大。設置する場所や組み合わせ方など、アレンジしてもよさそうですね。
ただし、本来猫用ではないものを使用するときは、安全面にも配慮を。グッズの効力を過信せず、こまめに点検しながら楽しみましょう。
お話を伺った先生/いしまるあきこ先生(一級建築士 ペットシッター)、金巻とも子先生(一級建築士 家庭動物住環境研究家)
参考・写真/「ねこのきもち」2019年2月号『壁や天井を傷めない&意外と簡単! “突っ張り”DIY、やってみませんか?』
文/東みお