猫の「しっぽ」には、気持ちが表れやすいです。その猫がご機嫌なのか緊張しているのかなど、しっぽを見れば、気持ちを読み取るヒントになるでしょう。しっぽの角度・しぐさ・形に表れる猫の気持ちについて、大学助教・動物看護師の小野寺温先生にお話しを伺いました。
しっぽの「角度」に表れる猫の気持ち
ピン!と上に伸びている
機嫌がよいときは気分が高揚してしっぽの先まで力が入り、まっすぐ上向きに立てる猫が多いようです。飼い主さんを出迎えるときやゴハンのときに見られることがあり、一緒にお尻や腰を上げる猫もいます。嬉しい気分が最高潮の場合には、しっぽの先が小さく震えることも。
水平か、やや下方に伸びている
猫が平常心のときは力が入っていないため、立っている状態であれば、やや水平、もしくは下方に伸びた状態になります。猫が座っている状態なら、しっぽは床に伸びているでしょう。
体に巻き込む、沿わせている
しっぽを体に巻き込んだり沿わせていたりするとき、猫は恐怖や不安を感じています。
これには、肛門周りにふたをして自分のニオイを消すことで、敵から身を守ろうとする役割も。
根元が上がって、先が垂れている
猫のしっぽが弓なりになっているときは、怒りや、「攻撃するぞ!」という気持ちをアピールしています。
しっぽの「しぐさ」に表れる猫の気持ち
ユラユラとゆっくり振っている
猫は穏やかな気持ちのときに、しっぽをゆったりと左右にユラユラ揺らします。力が入っていないので、しっぽをくねらせながら揺らすこともあります。
ブンブンと力強く振っている
不満があるときの猫は、半分ほど曲げたしっぽを床に叩き付けるように上下に振ります。イライラの気持ちが強くなると、しっぽを叩き付けるテンポが速くなることがあります。
パタパタと先だけを振っている
先だけがパタパタと振られているしっぽは、猫の興味や迷いを表しています。
「気になるものがあるけど、行ってみようかな、どうしようかな……」と猫が迷っているときなどに見られるでしょう。
また、名前を呼ばれたときの返事の代わりに振ることもあります。
しっぽの「形」に表れる猫の気持ち
大きく膨らんだしっぽは、猫の驚きや緊張を表します。緊張の度合いが強いほど、しっぽも大きく膨らみます。猫相手の場合は、自分の体を大きく見せて、相手の猫を威嚇する意味も。
動きが豊富で読み取りやすい猫のしっぽ。しっぽの様子から猫の気持ちが上手に読み取れれば、もっと仲良くなれるかもしれませんね!
お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学助教 動物看護師)
参考・写真/「ねこのきもち」2018年9月号『キホンからカンチガイしやすいものまで パーツでわかるねこのきもち』
文/藤真もとみ
※一部写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と一部写真に関連性はありませんので予めご了承ください。