1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 猫の感染症とワクチンについて

猫の感染症とワクチンについて

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

猫カゼや猫白血病ウイルス感染症など感染すると重症化することもある怖い感染症ですが、定期的にワクチンを接種することで、予防することができます。愛猫の健康のためにも、感染症の知識を身につけて、動物病院で定期的にワクチン接種をしましょう。

知っておきたい猫の感染症とワクチンのこと

猫の感染症は、ときには命にかかわる危険な病気が多くあり、それぞれの病気には押さえておくべき特徴があります。子猫や飼い始めに気をつけたい5つの感染症を中心に紹介します。

●そもそも感染症ってどんな病気?
ウイルスや寄生虫が猫に感染して起こる病気です。
Virus・金・微生物などの感染によって引き起こされる病気を、感染症といいます。感染するとすぐ症状が出る(発症する)ものもあれば、しばらく経ってから(潜伏期間があってから)出るものもあり、その期間の長さは病原体によって変わります。
●どのようにうつるの?
ほとんどは病原体を持った猫の排泄物や唾液などに接触することで感染します。ノラ猫との接触がある猫(元ノラ猫)や免疫力のない子猫は感染する可能性が高いといえるでしょう。だから子猫や飼い始めは感染症に注意が必要です。

感染症から猫を守るための、3つの鉄則

【1】子猫や飼い始めには感染症の検査を。

猫を迎えたらすぐに動物病院で、感染症のチェックを受けましょう。特に、「猫白血病ウイルス感染症」と「猫エイズウイルス感染症」は、初めに検査しておきたい病気です。下痢気味なら、「猫汎白血球(ねこはんはっけっきゅう)減少症」や、「寄生虫症」の検査もしておくと安心です。

【2】ワクチンを接種して抗体をつくる。

感染症によっては、ワクチンで予防をすることができます。例えば「猫カゼ」はワクチンをうっていれば発症しても重症化を防ぐことができますし、「猫汎白血球減少症」は、ワクチンでほぼ100%防ぐことができます。主にワクチンが有効な感染症は以下の3つです。
・猫カゼ(猫カリシウイルス感染症やヘルペスウイルスによる猫ウイルス性鼻気管炎の総称。猫クラミジア症も猫カゼの一種です)
・猫汎白血球減少症
・猫白血病ウイルス感染症

●ワクチンは主に3・5・7種の中から選びます。
一般的にワクチンは3・5・7種類の混合のものがあります(下の表を参照)。種類が多い猫カリシウイルスは、7種混合ワクチンでは3種類を防ぐことができます。この他に、猫エイズウイルス感染症は、単体のワクチンがあります。

※動物病院によって取り扱うワクチンは異なります。またワクチンをうつ時期や種類などは、かかりつけの獣医師と相談して決めてください。 ※クラジミアも猫カゼの一種です。

【3】ストレスのない環境づくりをする。

感染症の中には、たとえ感染していても、飼い主さん次第で発症を抑えられるものもあります。「トイレをいつもきれいに保つ」、「フードと水は、新鮮なものを用意する」「暑すぎず、寒すぎない室温に気をつける」「遊びなどで適度な運動をさせる」など、猫にストレスをかけない環境を整えることが大切です。

猫の健康のために知っておきたい、5大感染症

【1】猫カゼ(猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎)

●主な症状
発熱、口内炎・よだれが出る、鼻水・くしゃみ・咳、涙目・目ヤニ・結膜炎
●どんな病気?
人の風邪のような症状が出る病気で、猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスなどの感染が原因です。悪化させると鼻炎で鼻が詰まりニオイがかげなくなったり、口内炎の痛みで食べられなくなったりして衰弱することもあります。
体力や免疫力のない子猫が感染して発症すると、重症になることが多く、治療が遅れて命を落とすこともあります。ほかの感染症にかかっている場合、免疫力がさらに低くなるので通常よりも症状がひどく出ることがあります。死に至る危険もあるので「たかがカゼ」と思わず、ワクチンでしっかり予防しておくことが大切です。
●治療や予防法は?
予防法は定期的にワクチンをうつこと、感染猫に接触させないこと、適度な運動をさせたり新鮮な食事を与えたりして、免疫力を下げない生活をすることです。もしかかってしまったら、症状にあわせた薬を投与したり、免疫力をサポートするインターフェロンを投与したりして治療をすることもあります。症状が慢性化すると視力などに後遺症が残ることもあるので、症状が出たら駛馬に治療をしましょう。

【2】猫エイズウイルス感染症(FIV)

●主な症状
感染すると軽い発熱や下痢、リンパ節の腫れの症状が数週間から数カ月続きます。その後症状が治まり普通に生活できるようになります(無症状キャリア期)。発症すると、再びリンパ節の腫れや慢性鼻炎、口内炎、結膜炎、皮膚炎、体重減少などの症状が出てきます。
●どんな病気?
発症したら完治できないが、環境を整えることで、うまく付き合っていける病気です。
主に感染猫とのケンカや交尾などから、免疫機能を破壊する「猫免疫不全ウイルス」が体内に入り、口内炎、リンパ節の腫れ、慢性鼻炎、体重減少などの症状を引き起こす病気です。感染から発症までの期間の長さの幅は1~10年と幅広く、ストレスのかかり具合によって変わると言われています。中には10年以上空くこともあり、発症まで進まず一生を終える猫も多くいます。発症すると、免疫機能が低下して、機能しなくなると急激にやせて貧血が進みます。さらに悪性腫瘍ができたり弱い細菌にも感染する「日和見(ひよりみ)感染」を起こしたりして激しい症状が出ると多くは数カ月で死に至ります。
また生後6カ月以内の子猫は、母親からの抗体をそのまま引き継ぐため、実際に感染していなくても検査で陽性になる場合もあります。子猫の検査は獣医師とよく相談しましょう。
ノラ猫の子猫を拾ってきた場合、すでに感染している可能性があります。先住猫がいても、仲が悪くなければ一緒に過ごさせてもかまいませんが、感染しないようにケンカをしてしまいようなら生活スペースを分けると安心です。
●発症させない方法は?
この感染症の発症にはストレスが大きく関係します。例えば、狭いスペースで何十匹も飼っていたり、トイレが汚いままで生活をしていたりするとすぐに発症しますが、清潔でストレスレスな室内飼いをしていれば、発症リスクを抑えることができます。飼い主さん次第で付き合っていける病気ですので、できるだけストレスをかけない環境を整えてあげましょう。

【3】猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

●主な症状
感染すると発熱やリンパ節の腫れなどの症状が見られ元気がなくなります。猫によっては貧血や白血球の減少が見られることもあります。期間は1週間から1カ月ほど続きます。その後症状が治まり普通に生活できるようになります(無症状キャリア期)。発症すると、貧血や血液のがんなど様々な症状が表れます。
●どんな病気?
ワクチンをうってもすべては防げず、若い猫は感染するとほぼ発症する病気です。初めての感染では7割以上が発症すると言われています。
原因となる猫白血病ウイルスは、感染すると4年以内に貧血やリンパ腫などの症状をもたらし死に至らせます。子猫がウイルスにさらされた場合、80~100%の確率で無症状キャリア期を経て発症します。子猫は免疫機能が十分に働かず、ウイルスを外に追い出すことができません。そのため成猫に比べて感染しやすい傾向にあります。さらに初めての感染の場合が多いので、発症しやすく、命を落とすこともあります。
予防としてワクチンをうつことはもちろんですが、ワクチンを接種しても100%は感染を防ぐことが難しい恐ろしい病気です。しかし、感染猫との接触をもたなければ感染を防ぐことができます。

【4】猫汎白血球(ねこはんはっけっきゅう)減少症

●主な症状
急激な発熱、激しい嘔吐。大量の血便や下痢をすることもあります。
●どんな病気?
ウイルスの感染力が非常に強く、発症した子猫の致死率は90%以上という怖い病気です。
猫パルボウイルスに感染して間もなく発症して、急激な発熱や激しい嘔吐を繰り返します。大量の血便や下痢をすることもあります。猫自身の免疫の働きにより1週間耐え抜けば劇的に回復して完治しますが、免疫の弱い猫は1週間以内に死に至ることもあります。
●感染経路・予防法は?
飼い主さんの衣服や靴に付いたウイルスから感染することもあります。
原因となるパルぼウイルスは非常に強く、感染猫が1カ月前にしたウンチでもウイルスが生きていることがあるほどです、飼い主さんが衣服や靴に知らずに付けている恐れもあるので、室内飼いでも注意が必要な病気です。
まずはワクチンをしっかりうちましょう。飼い主さんがノラ猫と接触しているなら、しっかり手洗いをするなどの対策も大切です。
この病気に対するワクチンの効果は非常に高いので、ワクチンをうっていればほとんど感染することはありません。しかし、特に子猫はワクチンを接種する前の免疫がない状態で感染してしまうことが多いので注意が必要です。

【5】猫伝染性腹膜炎(FIP)

●主な症状
突然食欲がなくなり高熱が出ます。ぶどう膜炎(目の虹彩が赤く濁る)ことで気づくこともあります。
●どんな病気?
発症するとほとんどが死に至ってしまいますが、不明点が多い病気です。
猫コロナウイルスに感染したあと、ウイルスが猫の体内で毒性の強いFIPウイルスに突然変異して発症するとされています。高熱が出ることがほとんどで、目の虹彩が赤く濁る「ぶどう膜炎」で気づくこともあります。現ほかの猫から直接FIPウイルスはうつらないと考えられています。猫が持っているコロナウイルスは2種類あり、ほとんどは軽い腸炎を引き起こす腸コロナウイルスです。しかし毒性の強いFIPウイルスに変異した場合、この病気を発症します。
猫伝染性腹膜炎の症状は2つのタイプに分かれます。1つが「ドライタイプ」と呼ばれ、目や肝臓に異常をきたし、神経症状(異常行動、痙攣など)が見られるものです。成猫の場合はこのタイプが多いようです。もう1つが「ウエットタイプ」です。これは、お腹や胸に水がたまる症状で、子猫に多く見られます。猫によっては500mlを超える水がたまることもあるそうです。痛みがないので飼い主さんが気がつかないこともあります。
子猫の場合、ほとんど亡くなってしまう病気ですが、出ている症状に合わせて抗生物質や抗炎症薬、インターフェロンの投与などの治療を早めにすれば、改善が見込めることがあります。
完治する方法は今のところありませんが、自宅ではストレスのない環境を整えることが一番の予防方法です。

感染症についてのQ&A

●Q:感染の疑いがある猫を動物病院に連れて行くときの注意点は?
  A:ほかの猫との接触をなるべく避けましょう。隔離しなければならないこともあるので、来院前に電話で連絡を入れましょう。待合室ではほかの猫に感染させないように、キャリーケースから猫を出さないようにするなど配慮が必要です。
●Q:感染を知るための検査はどんなものがありますか?
A:鼻水や血液中のウイルスを検出できる検査があります。今までは猫の症状からしかウイルスを特定できませんでしたが、4~5年ほど前から“PCR”という方法でウイルスが検出できるようになりました。検査料は動物病院によって異なりますが、およそ1万~1万5000円ほどです。

※症状が出る、出ない期間は、環境やほかの病気にかかっているかなどの条件により異なりますので参考にとどめてください。また病気によっては研究途中のため、ここで紹介した以外にも説があります。

合わせて読みたい

急な事故やケガに備えるなら、動物病院の窓口で精算OKな保険がおススメ!『ねこのきもち健保』資料請求でオリジナルグッズプレゼント!

読者限定の無料獣医師電話相談サービス付き『ねこのきもち』
健康についてちょっと気になることを気軽に相談できます。季節に合わせた健康記事も毎号お届け
最新号についてくわしくはこちら

猫と暮らす

更新

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新着記事

新着記事をもっと見る