猫と暮らす
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【獣医師監修】春夏に行いたい猫のケアは?換毛期&暑さ対策がカギ
猫は砂漠出身のため比較的暑さには強い傾向がありますが、梅雨の気温や湿度、真夏の蒸し暑さは、ストレスを与えるだけでなく熱中症の原因にもなります。また、春から夏にかけての換毛期は、抜け毛の量がほかの季節の数倍に! 猫の健康管理に役立つ、抜け毛対策や梅雨対策、暑さ対策のポイントをご紹介します。

長谷川 諒 先生
株式会社Ani-vet 代表取締役
保護猫施設専門往診病院 下京ねこ診療所 院長
動物病院京都 ねこの病院 所属獣医師
北里大学獣医生化学研究室 研究生
●所属:日本猫医学会/日本獣医腎泌尿器学会
●書籍(監修):『知っておきたい ネコの多頭飼いのすべて 獣医師が教える 幸せに暮らすためのポイント』メイツ出版 /『いちばんよくわかる猫種図鑑 日本と世界の60種』メイツ出版
効率よく抜け毛を除去する 春ブラッシング
ブラッシングの手順
1.(短毛・長毛同様に)首の後ろ→お尻をブラシでとかす
2.(短毛・長毛同様に)脇→後ろ足をブラシでとかす
脇から後ろ足に向け、後ろ足の付け根くらいまで、ブラシでとかしましょう。ブラシをかけるほうの前足を軽く持ち上げると、とかしやすくなります。
3.(短毛・長毛同様に)首まわりをブラシでとかす
毛づくろいできない首まわりも、抜け毛が残りやすい部分。片手であごを上げて、前から毛の流れに沿ってとかし、ブラシを少しずつ横へ動かしてあげてください。長毛の場合は胸元の毛もかなり抜けるので、首の前から胸元に向かって、しっかりかけましょう。
4.(短毛・長毛同様に)しっぽをブラシでとかす
長いしっぽも意外と抜け毛があるもの。付け根から先端に向けて一気にとかしましょう。しっぽは握らず手を添えるだけでOK。短毛のブラッシングはこれで終了です!
5.(長毛のみ)脇の下→おなかをコームでとかす
より毛がほぐしやすいコームを使用。とかす方の前足を片手で軽く持ち上げ、脇の下からおなかに向けてとかします。
6.(長毛のみ)内股をコームでとかす
根元までしっかりコームが入るよう、猫の片後ろ足を軽く持ち上げてとかします。
長毛の毛玉のほぐし方
ブラッシング後の抜け毛を利用した“猫毛ボール”の作り方
自分のニオイつきなので、愛猫のお気に入りのおもちゃになることでしょう。ただし、誤食にはくれぐれも気をつけてください。
猫の毛がたまりやすい場所別!抜け毛の掃除方法
エアコンなどの高いところ
猫タワー
じゅうたん・フローリング・たたみ
フローリングは溝に抜け毛が入り込みやすいので、板目に沿ってかけてください。また抜け毛が舞いやすいので、掃除機はゆっくり動かしましょう。
畳は目に沿って動かし、畳と畳の間の溝に抜け毛がたまるので、その上でヘッドを止め、じっくり吸い取ります。
窓のサッシなどの溝やすき間
猫の寝床
春は掃除しやすい季節なので、この時期にしっかり抜け毛掃除をしておきましょう。
梅雨どきに気をつけたい猫のトラブルや病気
梅雨どきに多い4つのトラブル
(1)雨の日が続いて運動不足
(2)退屈な環境でストレス
(3)毛玉ができたりベタつく
(4)カビや嫌なニオイが発生しがち
梅雨どきに注意したい3つの病気
(1)尿石症
(2)皮膚病
(3)猫カゼ
梅雨どきのトラブルや病気への対策
運動不足の解消には室内環境を整えよう!
・猫が運動できる場所をつくろう……運動できる場所や爪とぎ器を置くなどして、猫が積極的に動ける場所を作りましょう。
・水飲み場を数カ所につくろう……猫の生活のスペースに水飲み場を数カ所置くことで、飲む回数が増え病気の防止につながります。
毛玉ができやすいからお手入れをしよう!
・シャンプータオルで体を拭こう……梅雨は蒸れたり皮脂の分泌が盛んになる時期。市販のシャンプータオルを使いましょう。特に毛づくろいができないあごは、あごニキビができやすく、しっぽの付け根は皮脂腺からの分泌物でべたつきやすいので念入りにお手入れを!
退屈でストレスがたまりがちだから刺激を与えよう!
・体をなでて刺激しよう……動かない時間が長いと全身の血のめぐりが悪くなりがち。頭からしっぽまで体全体をまんべんなくなでましょう。
・遊びで刺激しよう……ストレス発散には遊びが一番。猫の狩猟本能を刺激する興奮度が高いおもちゃで遊んであげましょう。
カビや嫌なニオイが発生しやすいから衛生管理をしよう!
・水はこまめに取り替えよう……猫が直接口をつけるため唾液や食べカスから細菌が繁殖します。ボウルなら1日2~3回水を交換しましょう。留守がちならボトルタイプや循環タイプの給水機がおすすめです。
・食べ残しはすぐに片づけよう……唾液がついたフードは細菌が繁殖しやすいので、継ぎ足しはせず1回ごとに食器をきれいに洗いましょう。
・フードは小分けにして保存しよう……フードの袋を1日に何度も開けると劣化が進むので、1日分の食事×1日の食事の回数分を保存用パックに入れ、さらに密閉できる容器に保存しましょう。
夏の暑さから体の負担を軽減する 夏の涼ませ技
工夫1 ひんやりグッズを置いておく
工夫2 暑い時間だけエアコンを活用する
高齢の猫は冷房の冷やし過ぎに気をつけて!
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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