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【獣医師監修】猫の肥満チェック法・ダイエット法・体重管理のコツを解説

「愛猫に健康で長生きしてほしい」というのはすべての飼い主さんの願いですよね。その願いに直結するといっても過言でないのが、愛猫の体型管理です。人と同じで、猫も肥満になればさまざまな病気を引き起こす可能性が! この記事では、肥満が引き金になる病気や、猫の肥満チェック法、体重管理法などについて解説します。

肥満が引き金になる猫の主な病気

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  • 糖尿病
  • 肝リピドーシス
  • 呼吸器疾患膀胱炎
  • 尿石症

猫のボディ・コンディション・スコア(BCS)

私たちが健康診断で腹囲などを測り、基準値と比較するように、猫にも肥満度をチェックする指標があります。体重や体の大きさは個体によってばらつきがあるので、BCSでは触った感じの肉づきなどから肥満度を判断します。
自宅でも行うことができますが、定期的に獣医師に肥満度をチェックしてもらいましょう。

1.「肋骨」…前足の付け根から腰に向けて手のひら全体で触る

机や床など、平らな場所で猫が伏せているときに行いましょう。まず両手で前足の付け根にある肩甲骨の後ろくらいから腰までをなでるように触って、肋骨の存在がどの程度感じられるかで判断します。

・肋骨の凸凹が感じられる→標準体型
・かろうじて肋骨を感じられる→ぽっちゃり体系
・肋骨がどこにあるかわからない→肥満体型

2.「腰のくびれ」…立った猫の真上から腰のくびれを見る

床で猫が立っているときが確認のチャンス。必ず真上から見えるようにして、ウエスト部分にくびれがどの程度あるかで判断します。

・くびれの位置がなんとなくわかる→標準体型
・くびれの位置がわからない→ぽっちゃり体系
・ウエストが膨らんでいる→肥満体型

3.「おなか」…立った猫の真横から、おなかの膨らみ具合を見る

猫の立ち姿を真横から見ましょう。そのときのおなかの膨らみ具合で判断します。張りのない膨らみは皮膚が垂れているだけで肥満ではないので、触って判断をしましょう。

・おなかのラインが床とほぼ平行→標準体型
・下腹部がぽっこり膨らんでいる→ぽっちゃり体系
・おなか全体が大きく膨らんでいる→肥満体型

体型に合わせて食事の管理を極めよう

体型や年齢に合わせた、食事管理のポイントを解説します。

年齢に合った低カロリー設計フードを選ぶ

ぽっちゃり・肥満体型の猫には、低カロリー設計のフードを選びましょう。さまざまなメーカーから発売されています。さらに、年齢に合ったフードを選ぶようにすればグッド。
ダイエット用の総合栄養食であれば、カロリー量は減らしても必須栄養素は欠乏しないように配慮されているので、健康面に心配なく体型管理ができます。

適正量をきちんと設計してフードを与える

どんな猫にも、目分量でフードを与えていては、適切な体型管理ができません。基本的なことですが、フードのパッケージに記載されている、体重別の1日の給与量を参考にして計算することが重要です。
あらかじめ、目安となる1日の給与量を与える回数で割って、1回分の分量をはかりで算出しておきましょう。毎回同じ量を食べることで、その量で満足できるように習慣化できます。それでも太るようであれば、量を5~10%減らしてみましょう。

時間をかけて食べさせる工夫をする

人間と同じですが、早食いすると、脳で満腹感を得られないままフードを食べ終えてしまいます。猫は自分の意識でゆっくり食べることができないので、早食い防止対策をしてあげてください。フードを小皿に分けて部屋の各所に置いたり、早食い防止のグッズを試してみたりしましょう。

食事の回数を増やして与える

食事の間隔が長くなると、空腹を感じやすくなります。逆に少量でもちょこちょこ食べていれば、空腹を感じにくくなります。留守にしがちな飼い主さんには難しいかもしれませんが、1日の給与量を、朝・昼・晩・寝る前など、できる限り小分けにして与えましょう。

たまにはウエットフードを与えても

高カロリーと勘違いされやすいウエットフード。実際は、同じ分量でもドライフードより低カロリーなうえに、水分含有量が多いので満足感もアップします。ドライフードよりも割高になるので、ご褒美としてたまに与えるのもグッド。必ず総合栄養食と明記してあるものを選びましょう。

フードで誘って運動させる

運動するとカロリーを消費できるのはもちろん、筋肉量が増えて基礎代謝も上がるので、痩せやすい体質になります。ですから、できるだけ動くように仕向けたいもの。遊びに興味を示しにくい猫も、フードを利用すれば、「食べたい」という気持ちから動くようになります。

グッズを利用する

ボール状で、猫が転がすことで中に入れておいたドライフードの粒が少しずつ出てくるグッズがあります。飼い主さんがいなくても猫ひとりで使用できるので、留守中に置いておくのも〇。

フードを高い場所に置く

猫タワーや家具の上など、フードを高いところに置くと、猫を上らせることで運動量が増やせます。器はプラスチックなど落としても割れないものにしましょう。

フードを転がす

シートや敷物の上などにフードを1粒ずつ転がしたり投げたりして、猫に追いかけさせましょう。飼い主さんと一緒に遊ぶことで夢中になり、猫の空腹感も紛れるでしょう。

猫のダイエット・体重管理のコツ

猫の体重管理のコツや、多頭飼いの場合・体重がうまく減らない場合の対処法をご紹介します。

週1回体重を量りチェックする

体型チェックとともに、体重測定も習慣にしましょう。体型チェックでは気づかないレベルの変化も体重の数値にはしっかり表れます。また、ぽっちゃり・肥満体型の猫は、週に1~2%の減量を目指し、くれぐれも急激に痩せさせないように注意してください。

同居猫がいる場合は、別々の場所に隔離してフードを与える

複数飼いで多く見られるのは、食欲旺盛な猫が、同居猫のフードを食べてしまって太っていくケース。食事の場所を離すだけでは、飼い主さんが監視していても防ぐことはなかなか困難です。食事をする際は部屋を別々にしてドアを閉め、猫が行き来できないようにしましょう。

体重が減少しない場合は、動物病院にダイエット方法を相談する

一般的な減量速度は、ダイエットの開始時期は速く、その後減速していきます。半年~1年以上は様子をみたいですが、体重が減らない場合は動物病院で受診してください。より詳しく体型をチェックしてもらい、ダイエット方法のアドバイスをもらいましょう。
猫の肥満や体重管理について解説しました。愛猫の健康を守るためにも、定期的に体重や体型をチェックし、肥満気味であればダイエットに取り組みましょう。
監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより
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