1. トップ
  2. 猫と暮らす
  3. 健康・病気
  4. 健康管理・健康診断
  5. 【獣医師監修】シニア猫の健康チェック法 異変のサインや疑われる病気も

猫と暮らす

UP DATE

【獣医師監修】シニア猫の健康チェック法 異変のサインや疑われる病気も

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

猫は7、8才からシニア期といわれています。年齢を重ねるにつれて病気にかかりやすくなりますが、その中には初期症状に気づきにくいものも少なくありません。ここでは、シニア猫の健康チェック法や、異変のサインと疑われる病気などについて解説します。

この記事の監修

長谷川 諒 先生

 獣医師・潜水士
 Ani-vet代表
 往診専門 レイクタウンねこ診療所院長

きたじま動物病院所属獣医師

シュシュキャットクリニック所属獣医師
 ヤマザキ動物専門学校非常勤講師(薬理学)

 北里大学獣医学部獣医学科卒業
 北里大学獣医生化学研究室研究生在籍 研究テーマ「伴侶動物の鉄代謝」

●所属:国際猫医学会日本猫医学会日本獣医学会

●主な診療科目:内科(猫)/一般診療(外科、内科)/予防医療

続きを読む

体を触って健康チェック

まずは、体の各パーツを触って、皮膚や関節などの健康チェックを行いましょう。

【1】背中を触る

・毛の感触がいつもと違う
ツヤがなくガサガサしている、毛が束になっている など

・毛が薄くなっている、部分的に脱毛している
皮膚炎があるか、内臓疾患や口腔内疾患のために栄養状態が悪くなっている可能性があります。また、ストレスによる過剰な毛づくろいで、脱毛している可能性もあります。

・ザラザラ・ボコボコとした感触がある
皮膚炎による発疹や腫瘍性疾患がある可能性があります。

・急に痩せた
糖尿病、甲状腺機能亢進症、がんなどさまざまな病気の可能性があります。また、口腔内疾患のために食事をとれていない可能性も。さらに過度のストレスで食べていないことなども考えられます。

・触ると嫌がったり、鳴いたりする
その場所に痛みがある可能性があります。

【2】背中の皮膚をつまむ

・つまんだ部分の戻りが遅い、戻らない
皮膚が元に戻るのに時間がかかったり、つまんだ形のまま戻らなかったりする場合は、脱水気味になっている可能性があります。

【3】胸からおなかを触る

・しこりや腫れがある
乳腺腫瘍やリンパ腫などに代表される腫瘍性疾患の可能性があります。そのほか、リンパ節や内臓の腫大、便秘でおなかが張っていたり、異物を飲み込んでいる可能性も。しこりを見つけた場合は、なるべく早くに受診しましょう。

・触ると嫌がったり、鳴いたりする
内臓や皮膚、背骨や神経などの異常から、痛みがある可能性があります。

・心拍が速い
猫の一般的な心拍数は安静時で1分間に100〜160拍。胸部を触って心拍数を測り、これより速い場合は循環器疾患や痛みを隠しているなどの可能性があります。

【4】しっぽを軽く触る

・変形している
生まれつき曲がっているのではなく、いつもと違って変形している場合はケガや骨折の可能性があります。

・ボツボツや脱毛がある
皮膚炎による発疹や炎症がある可能性があります。

【5】前足・後ろ足を触る

・しこりや腫れがある
リンパ腫や骨肉腫などの腫瘍性疾患や、リンパ節が腫大している可能性があります。また、ねんざ、骨折、関節炎などによる腫れや皮膚トラブルの可能性もあります。

・触ると痛がったり、鳴いたりする
骨肉腫などの腫瘍性疾患や骨折、関節炎などにより、その部分に痛みがある可能性があります。

顔周りを見て・触って健康チェック

次に、顔まわりの健康チェック法をご紹介します。

【1】目を見る

目がいつもと違って見えるとき

・トロンとしている
目に輝きがないのは体調が悪い可能性があります。

・まぶしそうにし目が半分くらいしか開かない
角膜炎、結膜炎や緑内障などの可能性があります。

・にごっている
角膜炎やブドウ膜炎、眼内出血、白内障の可能性があります。

・黒目がユラユラと大きく揺れている
脳や内耳に異常が起きている可能性があります。

・異常にギラギラしている
明るいところでも瞳孔が開いていて、目がギラギラして見える場合は、甲状腺機能亢進症や高血症の可能性があります。

・黒や白の目ヤニが大量に出ている
茶色の目ヤニが少し出る程度であれば問題ないことが多いですが、黒か白の目ヤニが大量に出る場合はドライアイ(乾性角結膜炎)の可能性があります。

・黄や緑の目ヤニが出ている
角膜炎や結膜炎、ぶどう膜炎、緑内障など、目のどこかに炎症が起きている可能性があります。

・白目や目の周囲が赤くなっている
結膜炎、角膜炎のほか、高血圧などの循環器疾患が隠れている可能性があります。また、瞬膜というところに炎症が起きている可能性もあります。

【2】口の中を見る

・歯茎や唇が赤く腫れたり、ただれたりしている
歯周病や歯肉口内炎などの口腔内疾患により、炎症が起きたり腫瘍ができたりしている可能性があります。

・歯石がついている
歯周病を悪化させる可能性があるので、早めに動物病院で相談をしましょう。

【3】耳の中を見る

・乾燥した黒い耳アカ、湿った茶色い耳アカがある
耳ダニ症やマラセチア菌(カビの一種)などに感染し、外耳炎を起こしている可能性があります。

・黄色い膿のようなものがある
重度の外耳炎、中耳炎か、外傷が化膿している可能性があります。

・ツンとするような刺激臭がする
重度の外耳炎、中耳炎、外傷が化膿している可能性があります。

・耳介の内側が白っぽい、または黄色っぽい
耳介(耳の三角形のところ)の内側は、猫の体の中でも皮膚の色がわかりやすい部分。いつもより白っぽく見える場合は貧血の可能性があります。また黄色っぽく見える場合は肝臓の異常により、黄だんが出ている可能性があります。

・触ると嫌がったり、鳴いたりする
外耳炎や中耳炎などにより、耳に痛みがある可能性があります。

【4】鼻を見る

・色のついた鼻水や鼻血が出ている。
クリーム色か緑色の鼻水が出ている場合は、猫風邪などの感染症の可能性があります。また、鼻血が出ているときは、猫風邪や歯周病の悪化、鼻腔内腫瘍の可能性があります。

【5】あごを触る

・黒っぽいブツブツがある。
「猫座瘡(ねこざそう)」いわゆる「猫ニキビ」ができています。

・グリグリとしたしこりがある。
炎症による腫れやリンパ腫などの腫瘍性疾患の可能性があるので、それ以上触らずすぐに受診してください。また、耳や口腔内の炎症の影響で、リンパ節が腫れている可能性もあります。

行動を見て健康チェック

愛猫の行動を見て、いつもと同じ様子かチェックすることも大切です。

【1】寝起きの様子を見る

・目を覚ましてもあまり動かず寝てばかりいる
体調が悪い可能性があります。また、首や腰、関節などに痛みがあり動きたくない可能性もあります。

・起きたときの行動がいつもと違う
「いつもは爪とぎをするのに今日はしない」などの様子がある場合、体調が悪い可能性があります。

・伸びをしない
猫も目覚めて活動を始める前には、体を伸ばすものです。伸ばさないのは腰や足に痛みがある可能性があります。

・若いときよりも活発に動き回る
高齢の猫が異常に食べ、せかせかと活発に動き回る一方で、みるみる痩せていく場合、甲状腺機能亢進症の可能性があります。

【2】毛づくろいの様子を見る

・毛づくろいをほとんどしない
シニア期になると若いときほどは頻繁に毛づくろいをしなくなるものですが、いつもは毛づくろいをするはずのタイミングでもほとんどしないのは、体調が悪いか、首・背骨・腰などに痛みがあって体が曲げられない可能性があります。

・同じところばかり何度もなめる
なめている部分の皮膚や内臓に違和感、かゆみ、痛みなどがある可能性があります。また、ストレスにより過剰な毛づくろいをしている可能性もあります。

・毛がガサガサしている、ツヤがない
加齢により、多少はツヤがなくなるものですが、急に全身の毛がガサガサになったら体調が悪い可能性があります。また、水分摂取不足のために脱水気味になっている可能性もあります。

【3】遊びに誘って動き方を見る

・好きなおもちゃに反応しない
いつもは興味をひくはずのおもちゃを見せてもまったく反応しない場合は、体調が悪いか、どこかに痛みがある可能性があります。

・高いところに上らない
いつもは登ることができる場所におもちゃで誘導しても上らない場合は、腰や足に痛みがある可能性があります。

・歩いたり、ジャンプしたりするときふらついている
足を上げたり引きずたりしていたら、骨・関節・靭帯の異常が疑われます。また、まっすぐ歩けない場合は、内臓疾患や貧血、脳や神経の異常の可能性があります。

【4】上下運動の様子を見る

・足運びがいつもと違う
左右どちらかの足を地面につけていなかったり、体重がかからないようにかばったりしている場合は、ケガや骨折をしている可能性があります。または関節や靭帯に異常があり、痛みを感じている可能性があります。

【5】寝ているときの様子を見る

・寝苦しそうな表情をしている
じっとうずくまったままだったり、表情が険しく見えたりする場合はどこかに痛みがあるか体調が悪い可能性があります。

・呼吸が荒い、息苦しそう
ハァハァ、ゼーゼーしている場合は呼吸器や循環器系の病気、発熱の可能性があります。また、息苦しそうな場合は鼻が詰まっている可能性もあります。

シニア猫の様子をふだんからよく観察することで、異変の早期発見に役立ちます。スキンシップも兼ねて毎日健康チェックを行うのが理想ですが、難しい場合には週に1~2回でも実践してみましょう。

監修/長谷川諒先生(きたじま動物病院)
文/ねこのきもちWeb編集室
参考&画像・イラスト出典/「ねこのきもち」本誌、ムックより

CATEGORY   猫と暮らす

UP DATE

関連するキーワード一覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

人気テーマ

あわせて読みたい!
「猫と暮らす」の新着記事

新着記事をもっと見る