猫がいつもと違う鳴き方をするのは、もしかしたら病気や体調不良の可能性があります。今回は、病気の可能性が考えられる鳴き方についてご紹介します。異常に早く気付けるよう、ふだんから愛猫の鳴き方に耳を傾けましょう。
発情シーズンで鳴いている
性的に成熟したメス猫は、発情シーズンになるとオス猫を呼び寄せるために、独特な大きな声で鳴いたり、人の赤ちゃんのような大きく奥行きのある声で鳴いたりします。
また、メス猫のフェロモンや発情行動に誘われたオス猫は、メス猫の声に応えるような鳴き声が増えたり、太く低い声で鳴いたりします。
発情期が理由で鳴いている場合は、交尾できない欲求や不満を紛らわせるという対策が必要です。よく遊んであげたり、いつもは入ることができない部屋を探索させたりしてみましょう。
しかし、大きな声で鳴くことは数日続いたり、繁殖の時期がくるとまた繰り返したりしてしまいます。繁殖させる予定がない場合は、去勢や避妊手術を検討してみるといいかもしれません。
老猫は認知症の可能性も
認知症を発症すると、認知能力や記憶能力、刺激に反応する能力が低下するといわれています。猫によって症状は異なりますが、中には高い声で昼夜問わず鳴き続けることもあるようです。
愛猫が10才以上の高齢猫で、突然このように鳴く姿がみられたら認知症を疑い、動物病院に相談してみるといいでしょう。
分離不安は要注意!
愛猫が飼い主さんと離れたときに異常なほど鳴くことはありませんか? もしかしたら極度の不安感などからくる「分離不安」の可能性があります。分離不安になってしまうと大声や遠吠えなど、異常な鳴き方をすることも。
分離不安の状態が続いてしまうと、重度のうつ症状や病気を引き起こしたり、自傷行為をしてしまったりするおそれがあります。
寂しさが紛れるように飼い主さんのニオイがついたものを置いてあげたり、生活環境を見直したりして、愛猫のストレス要因を排除してあげましょう。
その他病気の可能性
いつもより過剰に鳴いているのに加えて、咳などの症状がみられた場合は、体調不良や病気になっているおそれがあります。
吐く前に鳴く
「ナウンナウン」と鳴いた後に毛やフードを吐き出す場合は、消化不良かもしれません。頻繁に鳴きながら吐いてしまうときは、動物病院を受診しましょう。
うなるように鳴く
排尿時にうなるように鳴いたり、鳴きながら震えたりする場合は、「尿石症」を患っているおそれがあります。泌尿器系に激しい痛みが走るため、症状がひどいとうずくまって動けなくなってしまうことも。早めに動物病院を受診してください。
鳴きながら咳きこむ
鳴いているときにたまに咳きこむ様子がみられるのは、「気管支炎」など呼吸系の病気のおそれがあります。また、呼吸音に「ゼーゼー」と苦しそうな音が混ざっている場合は、心臓系の病気の疑いも。すぐに動物病院を受診しましょう。
声がかすれたり、出なかったりする
感染症やホルモンの病気が原因で、声がかすれたり、出なかったりすることがあります。
反対に声が大きくなるのは、「甲状腺機能亢進症」の可能性も。なかなか声の状態が改善しない場合は、動物病院を受診しましょう。
鳴き声は、猫の体調不良や病気の判断材料の1つとなります。違和感や異常を感じたらそのままにせず、早めに動物病院を受診するようにしましょう。
参考/ねこのきもちWEB MAGAZINE『【獣医師監修】猫が過剰に鳴くのは異常のサイン?理由や対処法など』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
文/山村晴美
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。