メインクーンの魅力は何といっても、大きな体格と美しい長毛。やさしくおおらかな性格を持つ反面、古くからネズミを退治する“ワーキングキャット”としても活躍。長く人間と暮らし続けるメインクーンの特徴や性格、歴史や病気についてご紹介します。
大きくて愛らしいメインクーンの性格は?
大型の長毛猫、メインクーン。迫力のある長い毛が特徴ですが、どんな性格なのでしょうか?
メインクーンの性格|やさしくフレンドリー
メインクーンは大柄で目力がある強い外見に反して、とてもやさしい性格の猫が多いといわれています。古くから、船内のネズミを退治する“ワーキングキャット”として人と共に生きてきました。そんな長い歴史を経て、ペットとして飼いやすい、穏やかでフレンドリーな性格になったと考えられます。
メインクーンの性格|活発で好奇心旺盛
ずっとネズミを捕獲してきた猫種のため、ほかの猫種以上に、ハンター気質が色濃く残っています。そんなところから、飼い猫になった今も飼い主さんの目には活動的で好奇心旺盛に映るでしょう。
メインクーンの性格|マイペースで人と距離をおく傾向も
長年の人との暮らしの中で、人との心地いい距離感をわきまえているためか、飼い主さんにベッタリと依存し過ぎることは少ないよう。それと同時に、人に合わせない、頑固なほどマイペースな猫もいるみたいですね。
メインクーンを飼うときに気をつけたい3つの注意ポイント
穏やかかつフレンドリーと、共に暮らすうえで何の問題もなさそうですが、じっさい、気をつけることはあるのでしょうか? とくに注意したい3つの事柄とは?
1.体の表面に毛玉ができないように気をつけて
メインクーンはしっかりとした毛質の長毛なので、できれば毎日ブラッシングをしましょう。毛が絡みやすく毛玉もできやすいので、まずはピンブラシで全身の毛のもつれをほぐします。その後、スリッカーブラシで丁寧に毛をとかしましょう。静電気が起きやすい季節は、ブラッシングスプレーを使うのがおすすめです。
2.お腹の中に飲み込んだ毛がたまらないように気をつけて
メインクーンは長毛なので、毛づくろいで大量に抜け毛を飲み込みやすい傾向にあります。食物繊維が豊富で、お腹の中にたまった毛をフムーズに排泄するのを助ける、毛玉ケアのフードを与えておくと安心です。それでも難しい場合は、獣医師に相談して毛玉除去剤を与えても。毛玉はたまる前になんとかしたいので、体の内側と外側から対処してあげましょう。
3.運動不足でストレスがたまらないようにして
狩りが得意なメインクーンは、遊ぶことが大好きです。充分遊ぶことができないと、本能が満たされずストレスを感じてしまうことが。運動不足を解消するためにも、好みのじゃらしおもちゃなどを使って、1日に5~10分以上、集中して遊ばせましょう。遊ばせるときには、体が大きいぶん動きも大きいので、周囲にある物は片付けて充分なスペースを確保して。
メインクーンを飼うときは、肥大型心筋症と毛球症などに気をつけて!
メインクーンは遺伝的にどんな病気が心配なのでしょうか? 知識としっておきたい、かかりやすい病気は次のとおりです。
「肥大型心筋症」…心臓の筋肉が厚くなり過ぎて、心臓に十分な血液を送り出せなくなる病気
「毛球症」…胃腸など消化器官内に毛玉ができ、詰まってしまう病気
「尿石症(ストルバイトおよびシュウ酸カルシウム)」…尿路内に石が形成され、血尿や膀胱炎の原因になる病気
メインクーンの最大の特徴は大きな体とフサフサのしっぽ!
大きな体のメインクーン。どんな毛色や毛柄が多いのでしょうか? 毛質の特徴などは?
ガッチリした大きな体
メインクーンの最大の特徴といえば大きな体です。体重は4.5~8kgが多いとされ、一般的な猫の倍以上ある猫も。その大きな体を支えるため、ガッチリとした骨格と発達した筋肉を持っています。顔つきは、大きな縦長の輪郭に、しっかりした口元と大きな耳で、力強い印象です。
光沢のある長毛で、とくにしっぽの毛量が多い
全身を長めの毛に覆われ、「シャギーコート」と呼ばれる光沢のある分厚い毛質です。とくにしっぽの毛量が多いのが特徴。ゴーシャスな毛並みには、寒暖の厳しい気候や風土を生き抜いてきた、たくましさも感じられます。
タビーやバイカラーなど、さまざまな毛柄が
メインクーンは、さまざまな毛色や毛柄が生まれますが、タビー(しま模様)やバイカラー(白黒)が多い傾向に。ただし、チョコレート(赤みがかった黒)やセーブル(シンガプーラに代表されるセピアっぽい色)など、認められていない毛色もあります。
メインクーンのルーツはアメリカのメイン州
メインクーンの出自には諸説ありますが、アメリカのメイン州で生まれたといわれる説が有名です。世界的に知られるようになったのは、1895年にニューヨークで開催された、キャットショーに出た「コージー」という名前のメス猫が、ベストキャットに輝いたのがきっかけ。しかしアメリカでは長毛猫は珍しくなかったことから、猫種として公認されたのは、このキャットショーから約100年後のことでした。大きくフサフサのしっぽが特徴的なメインクーン。その姿から、アメリカの「メイン」州の「ラクーン」(アライグマ)と猫が交配して誕生したという伝説を生み、それがメインクーンという名前の由来になっています。
飼いやすいメインクーンは、留守がちなお宅にもおすすめ!
メインクーンは人なつっこい性格なため、日本をはじめ、世界各国で人気の猫種です。比較的飼育しやすい猫種ですが、体が大きいので猫トイレや猫ベッドも大きめサイズのものが必要。そのため、家に充分なスペースがあると、より飼いやすいでしょう。また、人に依存しにくい性格なので、環境さえ整えておけば、留守がちなお宅でも問題ないでしょう。
出典元/『ねこのきもち』WEB MAGAZINE(監修:高野八重子先生)