猫好きなのに、鼻水やくしゃみが止まらない……
私(筆者)の実家には、両親が5年ほど前から飼っている三匹の猫がいます。私が猫アレルギーを知ったのは、猫好きな友人を初めて実家に招待したことがきっかけでした。遊びに来た友人が猫たちに触れた瞬間、急に鼻水が出てくしゃみが止まらなくなってしまったのです。
家に来るまで一切そういった症状は出ていなかったにもかかわらず、突然風邪を引いたかのような具合の悪さを訴える友人。母と私であわてて調べたところ、原因はおそらく猫アレルギーではないかということになりました。急いで病院へ向かい、処方してもらった薬を飲んだところ、なんとか症状が和らぎ、徐々に友人は大好きな猫たちと触れあえる状態まで回復していったのです。
猫アレルギーを発症する原因とは?
猫アレルギーを引き起こす原因の一つに、「Feld1(フェルディ)」と呼ばれる、たんぱく質の存在があります。「Feld1」は、猫の唾液や皮脂腺に含まれているといわれており、顕微鏡では確認できないほどの大きさで、空気中を浮遊しているのが特徴です。猫のいる室内で、人が空気を吸い込んだり猫に触れたりすることで体内に侵入し、体の免疫機能が「Feld1」を排除しようとすることで、アレルギー反応が起こってしまうのです。
特にたんぱく質が繁殖しやすい高温多湿な環境や梅雨時、初夏などは症状が出やすいといわれています。基本的にはどの猫もアレルゲンを持っているため、複数飼いのご家庭では、より猫アレルギーが起こりやすい傾向にあります。
猫アレルギーの治療法は?
猫の好き嫌いに関係なく、突然発症してしまう猫アレルギー。現在この猫アレルギーを予防する薬や完治させる薬は、残念ながらありません。そのため、もしアレルギー反応が出てしまったときには、くしゃみやぜんそくなどの症状ごとに対症療法の薬を服用し、症状を和らげる必要があります。また、皮下免疫療法や舌下減感作療法(ぜっかげんかんさりょうほう)と呼ばれる、体質改善の方法を取り入れるのも有効です。
猫アレルギーでも猫を飼うにはどうしたらいいの?
猫が大好きなのに、アレルギーが原因で猫を飼えなくなってしまったら、とても切なくやりきれない気持ちになってしまいますよね。完治することや予防することは難しい猫アレルギーですが、症状とうまく付き合いながら、猫と一緒に暮らしていくことは可能です。
対策①|アレルゲンを減らす
まずは、猫アレルギーの原因となるアレルゲンを減らす方法から見ていきましょう。一つ目は月に1、2回シャンプーをし、こまめにブラッシングしてあげることで、猫の毛に付着したアレルゲンを除去する方法です。シャンプーが苦手な猫の場合、濡れたタオルで体を拭いてあげるだけでも効果的ですので試してみてください。
二つ目は、室内環境を徹底的に見直す方法です。アレルゲンは布製品や羊毛、羽毛の製品に付着しやすく一度付着するとどんどんと拡散していってしまいます。そこで、カーテンをブラインドに変えてみたり、ソファーを合皮や革製のものにしたりすることで量を減らし、拡散しにくい環境をつくることが大切です。そのほかにも、こまめな洗濯や水拭き、空気清浄機の設置も効果的です。
対策②|飼い主側で予防策をとる
続いては、猫と一緒に暮らしていくうえで欠かせない、飼い主さん側の対策法をご紹介します。まず前提として、自身のアレルギー症状を和らげる薬は切らさないようにしましょう。特にぜんそくなど激しい症状が起こる可能性のある方は、必ず手元に薬を常備して、症状の悪化を防いでください。
次に、体調が悪い日やお部屋の掃除をするときや、猫を洗ったりブラッシングをしたりする日には、必ずマスクをつけるようにします。マスクの力によってアレルゲンの拡散を防ぎ、猫アレルギーがひどくなるのをくい止めることが重要です。
一緒に暮らしていくなかで少しずつ体を慣らしていこう
自分自身や一緒に暮らす相手が猫アレルギーになってしまったときは、なるべく早く症状を見極め、できる限りの対策を行うことで、アレルゲンに対する過敏な反応を減らしていくことが大切です。猫ちゃんと一緒に暮らしていくなかで、少しずつ体を慣らしながら、アレルギー症状を緩和させていってくださいね。
>参考/ねこのきもち WEB MAGAZINE『猫アレルギーで猫を飼う場合』
>
https://cat.benesse.ne.jp/withcat/content/?id=11723
文/子狸ぼん
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。