体温の維持や衝撃の吸収など、さまざまな役割をもっている筋肉。そのため、猫の筋肉を鍛えることが健康維持にもつながります。筋肉を鍛えるにはもちろん運動が大切ですが、「食事」に気を配ってあげることも重要です。
今回は、健康な筋肉を作るために必要な食事内容や食事方法について、獣医師の山本宗伸先生にお話を伺いました。
タンパク質が豊富なフードを与える
タンパク質は、筋肉の修復や発達に欠かせない栄養素。そのため、猫の主食である「総合栄養食」のフードにはたくさんのタンパク質が含まれています。筋肉を育てることを目的とする場合は、獣医師に相談したうえで、タンパク質豊富で良質な製品を与えるといいでしょう。
ドライフードとウエットフードをどちらも与える
ドライフードは胃の中で崩れやすく、カロリーを摂取しやすいという特徴があります。一方ウエットフードは高タンパクな商品が多く、筋肉に必要な栄養素が豊富です。どちらのタイプにもメリットがあるため、ドライフードとウエットフードをバランスよく与えるといいでしょう。
一気食いを防止する
一気食いをしてしまうと、吐き戻ししやすくなり、フードの栄養素を十分に吸収できないことがあります。一気に食べてしまうタイプのコには、お皿の中がでこぼこしているフードボウルを選ぶのがおすすめ。食べにくくなることで一気食いを防止し、スムーズな消化の助けになります。
でこぼこ型のフードボウルの使用が難しい場合は、フードを小分けにして与えるなど、少しずつ食べてくれるような工夫をしてみましょう。
水飲み場を増やす
スムーズな消化吸収のためには、水分補給も大切です。水をたくさん飲んでもらえるよう、家の中には水飲み場を複数用意して、気が向いたときにさっと水が飲めるようにしておきましょう。
水飲み場の設置場所は、愛猫の行動範囲より広めに。猫の移動量が増えることで、運動量の増加も期待できます。
健康な筋肉を育てることは、猫の健康寿命を延ばすことにもつながります。運動と一緒に、毎日の食事にも気を付けてあげましょう。
お話を伺った先生/山本宗伸先生(Tokyo Cat Specialists院長)
参考/「ねこのきもち」2021年11月号『運動&食事 小さな積み重ねが筋肉をつくる ねこの足腰を、鍛えよう!』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。