愛猫の体調が悪いときにお世話になる、動物病院。しかし、病気やケガを治療するときだけ動物病院を利用していると、猫は「動物病院は痛いことや怖いことをする場所」と覚えてしまい、病院を嫌いになってしまうことがあります。そうならないためには、診察以外でも積極的に動物病院を利用して、病院の存在に慣れてもらうことが有効です。
そこで今回は、「こんな理由でも動物病院を利用できる」という実例を、獣医師の山本宗伸先生に伺いました。
飼い始めでお世話の基本を知りたいとき
飼い始めで不安なときは、飼育の方法を獣医師に相談してみましょう。フードはどのくらいの量を与えればいいか、トイレの置き場所や砂の種類はどうすればいいかなど、基本的な飼育のイロハを教えてもらえるはずですよ。
ペットホテルとして利用するとき
動物病院によっては、ペットホテルのサービスを実施している場合があります。旅行や入院などで家を空けるときは、利用してみるのもいいでしょう。
愛猫を預ける際は、日頃使用しているタオルや毛布に加え、使用済みのトイレ砂をひと握り分くらい預けると、安心して過ごせるようです。また、何かあったときのための連絡先や、持病がある場合は投薬方法など、心配なことがあれば事前にしっかりと確認をしておきましょう。
自宅での爪切りが困難なとき
甲状腺機能亢進症の影響で爪が伸びすぎて肉球に刺さってしまったり、骨軟骨異形成症で足先や関節が腫れていたり、さまざまな理由で爪切りがしにくい場合は、無理をせずに動物病院に相談してみましょう。病院でお手入れのコツを聞けるほか、獣医師や看護師が代わりに爪切りをしてくれる場合もあります。なかには、爪切りのためだけに定期的に通院している飼い主さんもいるそうです。
なんとなく様子がおかしいと思ったとき
歯茎の様子がおかしい、排泄物がいつもと少し違う気がするなど、気になる症状があった場合は、念のため動物病院に相談を。愛猫のささいな変化に気付けるのは、普段からお世話をしている飼い主さんだけです。その変化が実は病気の症状だったということもあるので、遠慮せずに受診してみましょう。
愛猫が動物病院に慣れていると、いざというときの受診がとてもスムーズになります。気になることがあれば、積極的に動物病院を利用してみましょう。
お話を伺った先生/山本宗伸先生(Tokyo Cat Specialists院長)
参考/「ねこのきもち」2021年3月号『病気でなくても!「連れて行く」が長生きにつながる 動物病院へ行こう!』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。