ケガや病気、健康診断など、さまざまなタイミングでお世話になる動物病院。診療内容によってかかる費用は変わりますが、初診料の必要性や薬の価格など、直接獣医師には聞きにくいこともいろいろありますよね。
今回は、今更聞きにくい診療費のアレコレを、獣医師の野矢雅彦先生に伺いました。
初診料がかかるのはなぜ?
初診料には、愛猫に異常がないかを細かく調べる診察料にくわえ、カルテの作成料などが含まれています。診察のうえで異常がなくても初診料は発生しますが、これは「しっかりチェックして安心を得るための料金」と考えるといいでしょう。
また、かかりつけの動物病院でも初めての病気で受診する際は、初診扱いとなり、初診料が発生する場合があります。
薬の値段って病院によって違うの?
法律では、治療費も薬の価格も動物病院ごとに設定するよう定められているため、病院によって受診の際にかかる費用は異なります。
動物病院は運営するうえで税制の優遇が受けられないため、経営的な面を考えながら価格設定をしている動物病院が多いのだそうです。
診療費明細はいつまで保管しておけばいい?
診療費明細の保管期間は、ズバリ「できるだけ長く」です。診療費の明細を残しておけば今までの治療履歴を見ることができますし、保険会社によっては、加入前の治療費を保険適用とする場合もあります。
健康面でも経済面でも、長期間保管しておくのがいいでしょう。
継続治療の場合、薬だけもらいにいくのはアリ?
これは、動物病院の方針によって異なります。猫の状態が安定していたり、副作用がないタイプの薬を処方したりする場合は、診察なしで薬だけ受け取ることも可能かもしれません。
どちらにせよ、飼い主さんの独断で決められることではないため、事前に動物病院へ電話して相談してみましょう。
病気が判明してからでも保険に入れる?
加入前に発症している、または治療を受けたことがある場合、病気の種類や内容によっては、保険加入の審査に通らないことがあります。また、年齢制限がある保険も少なくないため、持病や既往歴がなくても希望の保険に加入できない場合もあるようです。
保険の加入を検討している場合は、できるだけ早めに行動を起こし、保険会社に相談してみましょう。
お金に関することは、信頼している獣医師といえども、なかなか聞きにくいですよね。しかしご紹介したとおり、料金形態は動物病院によって大きく異なるため、どうしても気になることがあるのなら、思い切ってちゃんと相談してみることをおすすめします。
お話を伺った先生/野矢雅彦先生(ノヤ動物病院院長)
参考/「ねこのきもち」2021年7月号『治療、入院、薬…猫に多い病気にかかる金額は? 知りたい!みんなの診療費明細』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。