夜中や年末年始など、かかりつけの病院が開いていない時間帯に愛猫が体調を崩した際、お世話になるのが救急病院です。そして、夜の時間帯に急患を受け付けてくれる病院を「夜間救急」と呼びます。ただ、普段あまり利用しない施設のため、夜間救急についてよく知らない方も少なくないようです。
今回は、夜間救急について多くの飼い主さんが抱いているイメージが正しいのかどうかを、獣医師の上野元裕先生に伺ってみました。
連れて行っても応急処置しかしてくれないって本当?
夜間救急がもつ大きな役割のひとつに、翌日の受診につなげるための必要な応急処置を施すことがあります。このイメージが先行して、夜間救急では応急処置しかしてくれない、と思っている飼い主さんが多いのかも。もちろんそうではなく、危険な病状なら緊急手術などの大がかりな治療を行うこともありますよ。
基本的には、「夜間救急で応急処置をして、翌日かかりつけ医を受診する」という流れを想定している施設が多いようです。
夜間救急で対応してくれるのは新米獣医師だけって本当?
新米かベテランか、どのようなキャリアの獣医師が対応してくれるかは、その動物病院によって異なります。新米獣医師に任せる病院もあるでしょうが、経験あるベテラン獣医師を配置している病院も少なくないでしょう。どうしても気になる場合は、あらかじめ聞いてみてもいいかもしれませんね。
普通の動物病院より診療費が高いって本当?
一般的には、日中メインの動物病院よりも夜間救急のほうが料金は高め。これは、もともとの診療費を高めに設定していたり、夜間の分をプラスしていたりするためです。
また、猫の普段の様子がわからない分、病状を知るために必要な検査の種類が増えることで、診療費用がかさむ場合もあります。
保険がきかないって本当?
加入しているペット保険が適用されるかどうかは、動物病院や保険会社によって異なります。保険に加入した際は、規約をしっかりとチェックしておきましょう。一般的に、夜間(診療時間外)診療費として料金が加算された分は、保険適用外であるケースが多いようです。
いつお世話になるかわからない、夜間救急。どんなところかを事前に知っておくと、いざというときに安心ですよ。
お話を伺った先生/上野元裕先生(ひがし東京夜間救急動物医療センターセンター長 獣医師)
参考/「ねこのきもち」2018年12月号『年末年始、かかりつけの診療時間外、いざというときのための 夜間救急病院』
文/東里奈
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。