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猫の聞こえない鳴き声「サイレントニャー」 猫が学習した末の行動だった?!

鳴き声は猫にとって、相手に気持ちを伝える手段のひとつですが、ときどき声を出さずに口を開けて鳴くフリをすることがあります。今回は、そんな「サイレントニャー」について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。

サイレントニャーの目的はあいさつとアピール

シンガプーラのかえでちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
サイレントニャーのおもな目的は、あいさつとアピールです。
どちらも相手との関係を築くためのものなので、本来単独行動をする猫にはあまり必要ではないしぐさといえるでしょう。
しかし以下のタイプの猫は、飼い主さんとコミュニケーションをとろうとして、無意識に声を出さずに鳴くことがあります。

・メス:オスより控えめな性格が多く、声を出さない可能性も
・1才未満:子猫は甘え気分のときなどに見られやすい
・シンガプーラなどの猫種:華奢な体格の猫種のほうがしやすい

また、サイレントニャーをしやすいタイミングとして、のどが声を出す準備ができていない寝起きがあげられます。

学習を経て意図的に「サイレント」に鳴く可能性がある

猫は経験を重ねることで学習します。
そのため、「たまたまやったらかまってくれた」など、いいことが続くと、サイレントニャーを繰り返すようになる場合もあるようです。
この点から考えると、知能や経験値が高い成猫やシニア猫も、する可能性は高いといえるでしょう。

実は「サイレント」だけど声が出ている場合も

黒白猫の海大ちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
鳴くように口を動かすだけでなく、実は実際に発声している場合もあります。
これは猫の声域と、人の可聴域の差によるもので、猫の声が高すぎると人には聞き取れないこともあるのです。
なお、人の可聴域は年齢によって変わるため、子どもには猫の鳴き声が聞こえていても、大人には鳴き声が出ていないように感じることも。

「サイレント」が続くときは獣医師に相談を

アメリカンショートヘアのカティーちゃん
ねこのきもち投稿写真ギャラリー
たまに声を発しないことがあっても、つねに声を出さずに鳴く猫はほぼいないと考えていいでしょう。そのため、あまりにもサイレントニャーを続けるときは、声が出せなくなっているおそれもあります。
猫の声帯はのどのつけ根にあるため、猫があくびをするときなどに、のど元をチェックしてみるといいでしょう。
見える部分に赤みや腫れなどがあれば、声帯にも何かしらの異常が起きていることがあるので、すぐに受診してください。
猫の身体的な特徴や学習能力などが絡むサイレントニャー。なかには飼い主さんの厚意に甘えて、声を出してのアピールをサボっていたり、飼い主さんが気づいてくれる状況を楽しんでいたりする猫もいるのだとか。かわいい愛猫からのサイレントニャーに気づいたら、しっかりと応えてあげたいですね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者 「ねこの博物館」館長 日本動物科学研究所所長)
参考/「ねこのきもち」2018年11月号『知ってる? ココロに響く「聞こえない鳴き声」 サイレントニャ~』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
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