遊びは猫と良好な関係を築くためにも、大切なお世話のひとつです。しかし愛猫のためを思ってしていることでも、なかにはかえって事故やケガなどのリスクを高めてしまうものも。今回は獣医師の小林清佳先生に、猫の遊びでやりがちなNGお世話について伺いました。
遊ぶ時間がないので、おもちゃを吊しておく
ひもや小さなおもちゃは、食べたり、噛んで部品を飲み込んでしまったりと、体内を傷つける誤食のおそれがあります。また、前足にひもが巻き付いて取れなくなり、壊死してしまったという例も。
猫だけで遊ばせるなら知育おもちゃなどを使おう
本来は少しの時間でもいいので、毎日遊んであげるのが理想です。しかし一緒に遊べない場合は、転がすとおやつが出てくるような、知育おもちゃを使うと安心でしょう。
太らないように食後はすぐに遊ばせる
人が食休みをするように、猫も食後は体を休ませることが大切です。食後は胃の消化活動が活発になるため、無理に体を動かしてしまうと、吐いたり、それが原因となって飼い主さんとの関係が悪化したりするおそれもあります。
リラックスタイム中はゆっくりさせてあげて
猫が毛づくろいをしたり、体を丸めて休んだりする様子が見られたら、しばらくはゆっくりと休憩させてあげましょう。体を動かして遊ぶのは、食後1時間以降を目安にして。
運動のために外へ散歩をさせている
屋外に出すことで、ノミやマダニなどの寄生虫感染や、蚊に刺されることによるフィラリア感染、交通事故、除草剤などの有害物質を口にしてしまうなど、さまざまなリスクが高まると考えられます。
室内で上下運動を促す遊びをしよう
運動量を上げたいなら、室内で上下運動などを取り入れて走らせる工夫をするのがおすすめです。
たとえば、じゃらしおもちゃで誘導して、ソファや猫タワーに上らせてみるのもいいでしょう。なお、足腰の悪い猫にはクッション性のあるマットを用いて。棚の配置で段差をつくってあげるのも効果的です。
毎日の遊びは、猫の健康状態に直結し、ひいては寿命の長さにも影響を与えます。愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、正しいお世話ができているか改めて見直してみてくださいね。
お話を伺った先生/小林清佳先生(モノカどうぶつ病院院長)
参考/「ねこのきもち」2020年10月号『リスクを知れば、「正しい」が見えてくる。 猫の長生きを想って本当にすべきお世話のこと』
文/田山郁
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。