「猫は相手によって鳴き方を変えることがある」という説をご存知ですか? じつは、同じ家族のなかでも、猫は人を見て鳴き分けているといわれています。そこで今回は、猫が相手によって鳴き方を変える理由について、哺乳動物学者の今泉忠明先生にお話を伺いました。
猫は反応する人・しない人を判断して鳴いている!?
飼い主さんの家族のなかでも、ゴハンをくれる人、遊んでくれる人、あまりかまってくれない人など、猫に対する役割や接し方は異なります。猫が人に対して鳴くのは、自分の要求や気持ちを伝えるためですので、相手によってその表し方を使い分けていると考えられます。
そのため、鳴いたら反応してくれる人には、より多く鳴いてアピールする傾向が見られます。逆に、反応が少ない人や接することが少ない人には、あまり鳴かなかったり、別の鳴き方を試してみたりするようです。
「にゃ~」の鳴き声は飼い主さんへのリクエスト
猫が「にゃ~」とはっきりとした鳴き声で鳴くときは、「ゴハンがほしい」「甘えたい」「遊びたい」など、飼い主さんにしてほしいことを訴えているケースが多いよう。この鳴き声は、子猫が母猫にお世話を求めるときの鳴き声に近いといわれており、猫が「にゃ~」と鳴くときは、飼い主さんへのリクエストを表していると考えられます。
ちなみに、「にゃ~」の鳴き声は、トーンの高さや長さにバリエーションをつけることもあります。
子猫気分や満足した気持ちで「にゃ~」と鳴くことも
「にゃ~」の鳴き声は、飼い主さんへのリクエストのほか、子猫気分になって母猫を求めるような気持ちのときや、要求が満たされて満足した気分のときにも出ることがあります。
愛猫が「にゃ~」という声で鳴いていたら、ぜひ、何を伝えようとしているのか想像してみてくださいね。
猫は反応する人、しない人を判断して、鳴き方を使い分けることがあります。
愛猫の鳴き方が相手によってどう変わるのか、観察してみるのも面白いかもしれませんね。
お話を伺った先生/今泉忠明先生(哺乳動物学者)
参考/「ねこのきもち」2019年1月号別冊『ねこのしぐさ鳴き声事典』
文/寺井さとこ
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。